新・台所太平記 ~桂木 嶺の すこやかな日々~

N響定期会員・桂木嶺の、家族の介護・闘病・就職・独立をめぐる奮戦記を描きます。パーヴォ・ヤルヴィさんへの愛も語ります。

チコの備忘録(2)新・台所太平記 ~「まんぷく」「チコちゃんに叱られる」でわが家は平和に♪~

2019-02-02 09:53:56 | 新・台所太平記

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というわけで、急遽連載決定!の

「新・台所太平記」第2回をお届けします。

土曜の朝、我が家はつかの間の笑顔につつまれます。NHKの朝の連続テレビ小説「まんぷく」と、「チコちゃんに叱られる」の再放送で、すっかり父がご機嫌になるからです。

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「まんぷく」では、萬平さん(長谷川博己)はラーメン研究に没頭。麺づくりに頭を悩ませる。妻の福ちゃん(安藤サクラ)はそんな萬平さんを励ますが、なかなかいいアイディアがおもいつかない・・というところで、今週の放送はおしまい。萬平さんが「麺にスープを練りこんだのに、おいしい味が出ない!なぜだ!」と頭をかきむしるところで、父は、「お湯をかけて3分にすればいいんだよ。なんで思いつかないんだろうなぁ(^_-)-☆」といたずらっぽい笑顔。おいおい、それがなかなか思いつかなかったから、「チキンラーメン」は大発明だったんじゃないか、とツッコミをいれたくなる私だったが、父がとにかくこの時間は毎朝ゴキゲンなので、私も母も一安心。

〇「まんぷく」のよさは、やっぱり脚本が抜群に面白い事にあげられる。安藤百福夫妻の波乱の人生を、テンポよくコミカルに、時に泣けるタッチで描いていく福田靖さんの脚本は天下一品。朝ドラ嫌いの私でも、これならたのしく見られて、朝から元気をたくさんもらえ、時にもらい泣きする場面も。

〇キャスト陣の好演もすばらしい。安藤サクラさんの変化自在の演技には感心させられ通しだし、長谷川さんの滑舌のよさと清潔感は、朝の爽やかさにぴったり。脇を固めるイケメン陣、大谷亮平さんと要潤さんを朝から拝めるのもうれしいし、松坂慶子さんと松下奈緒さんの母子コンビもたのしい。”神部さん”こと瀬戸康史さんなど、新鋭が続々育っているのもすばらしい!もちろん、桐谷健太さんなどの濃ーいキャラクターも「オッケー♪」!

〇朝ごはんは、父の得意料理である、エリンギ(しいたけ類)の醤油炒めと、ハムと、チーズ入りタマゴと、トマトとオレンジ。シンプルだが、大変おいしい父の味である。母も私も、「おいしい、おいしい」といって、パクパクいただいている。まさに、”まんぷく、まんぷく”。

 

〇さて、わが家のアイドル「チコちゃんに叱られる」

私も8歳のころから「チコちゃん」と呼ばれているが(笑)、NHKの”チコちゃん”は、永遠の5歳。天衣無縫な好奇心と、オトナ顔負けの鉄火肌で、バッタバッタと、大人たちを叱りまくるのが痛快、痛快(^_-)-☆ 父が「おい、ともちゃん、お前も”チコちゃん”なんだから、いつもこのくらい、ブログでも気の利いたことをいってみろよ(笑)」とクサすのだが、私も思わず、”チコちゃん”の当意即妙なトークに大爆笑。我が家に明るい笑いが訪れて、日々苦労の多い、父も母も、そしてこのこうるさいテレビウォッチャー・かつらぎも大変ご機嫌になる、貴重な番組だ。

〇なぜ、こんなに”チコちゃん”が人気があるのか、私なりについつい評論家チックに分析!やはり、なんといっても、”ドラえもん”体型のチコちゃんなので、子供からオトナまで安心してみていられるのだ。子供向けで日本人に好まれるキャラクターの体型は、”ドラえもん”が理想といわれている。つまり、3頭身で、目がくりくりしていて、頭が丸いこと。ドラえもん、クレヨンしんちゃん、アンパンマン、みなそうである。そして、我らが”チコちゃん”も、まさにこの3頭身・くりくり目玉・丸い頭と3拍子そろった、まさに「究極の人気キャラクター」なのだ。

〇”チコちゃん”の声を担当する、キム兄こと、木村祐一さんの圧倒的なトーク力がすばらしい。”クレヨンしんちゃん”の吹き替えをずっと担当していた矢島晶子さんも、実に見事なトーク力とアドリブ力で、大いに沸かせてくれたものだ。が、キム兄はさすがプロ中のプロというか、ナイナイの岡村隆史さんという、笑いの天才を前に、一歩もひかないたのしいトークとアドリブとリアクションを繰り広げる。CGで作った豊かな表情や着ぐるみの動きも含めて、まさにキャラクターの勝利。NHKもついに【最強のキャラクター】を手にしたものである。

〇また、いつもは民放のバラエティで暴走気味(?)の岡村さんが、脇にまわって神妙に”チコちゃん”の相手役を務めているのも、たくまざるユーモアがあって面白い。カラスのキョエちゃんに「岡村の、バカー!」と、ドつかれながらも、笑顔で答える爽やかさが好感を呼ぶ。

〇ゲストの人選も面白い。超二枚目の玉木宏さんも、超大物女優のかたせ梨乃さんも、”チコちゃん”の前では「ボーっと生きてんじゃねぇよ!」とどやされるのも、とにかくおかしい!大竹まことさんって苦手だったけど、この”チコちゃん”と渡り合えるトーク力のすばらしさに、「シティボーイズ、やるじゃん!」と見直したファンの方も多いのでは。

〇スタッフの随所にちりばめられた”遊び心”も楽しい。なぜかいつもドラマ解説部分で登場する、鶴見辰吾さんのとぼけた味わいも、ほかのドラマではみられない抜群の面白さ。鶴見さんが何役も演じきった「旧国鉄のシルバーシート物語」は、結構感動した。鶴見さんがますます大スターになりそうだ。

〇番組の最後に登場する、カラスのキョエちゃんがまた抜群におかしい。ほかの記事でキョエちゃんの人気フレーズをつかわせてもらったけれど、「〇〇の、バカー!」って言葉、実は、放送禁止用語に近い指定を、テレビでは受けているのだ。子供の教育上よろしくないし、PTAのお父さん、お母さんからも、ものすごい抗議がくるからである。

〇でも、あまりにも罵詈雑言が飛び交う、現代ニッポン。「バカー!」っていってやりたい、ひどいオトナはたくさんいるよね(笑)。天下のNHKが堂々と、「バカー!」解禁なのもうれしい。いつもさんざん人を番組で罵倒しているお笑いタレントや、国会でくだらない答弁しかできないどっかの政治家たちに、ぜひ一度キョエちゃんから「〇〇の、バカー!」って、いってやってほしい(笑)

〇というわけで、朝から笑いのたえない、かつらぎ家になって、ちょっと私も一安心。母もすやすや、また一寝入り。父ものんびり、ジャズをきいて、朝がたのしくすぎていく。

〇やっぱり家庭の団らんって、テレビやラジオの影響がすごく与えていると思う。昔のテレビは、やはり「ご家庭でそろって楽しくみられるもの」ということに、ものすごく注意をはらっていたから、言葉遣いも演出も、すごく気をつかっていたし、楽しかった。辛らつなことを言っても、上質のユーモアがあって、けっして人を傷つけない配慮がなされていたように思う。そして、見ている人を、リラックスさせ、緊張させないものだった。でも、いまのテレビは、ニュース番組が乱立して、確かに情報は氾濫しているが、それを見たり聴いている人たちへの「愛」や「配慮」にすごくかけたものが多い。だから見ていても、ちっとも楽しくなく、ただただうるさい騒音になってしまうのだ。

〇その点、「まんぷく」や「チコちゃんに叱られる」そして、私がいま最も一押しの番組「クラシック音楽館」(日曜よる9時、NHKーEテレ)はみーんなNHKが作っているのだけど、そういう上質のユーモアと愛がいっぱい溢れていて、しかも知的好奇心も満足できるという、まさにテレビ番組のヒットの法則の王道をいっているのだ。

 

「新・台所太平記」がとんだテレビ評論になってしまいましたが、視聴率をどうやったら往年のごとく復活させたらいいかと思っている、世のテレビマンのみなさん!ぜひ、この3本の番組を徹底研究してみてはいかが?

ヒットの宝庫がここにはごまんと眠っているのです・・・!

 



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