写真講座でのお話です。毎回いろんなことを勉強できて、大変楽しい講座、新しい生徒さんも増えました。11月の展覧会の後には12月の忘年会(懇親会兼ねて?)もありますから、いっそう楽しい教室になりそうです。
今回の講座で、私が最も印象深くうかがったお話は、被写体に「正対」する、ということでした。ちょっと↓の写真をご覧ください。
Canon EOS 40D + TAMRON B003
この画は以前の講座で先生に見ていただいたものですけど、私は光がひとすじ当たっている花にピントを合わせ、背景の壁の表情もぼかして入れて・・・と考えて撮りました。コンクリートの無機質な感じ、錆びた鉄のボルトの雰囲気が、花と好対照だと思ったわけです。
この画に対して先生は、「壁と正対する」ということをおっしゃいました。ボケていても、壁の錆びたボルトは観る人に点として意識される。その点の並びが傾いているために、壁の方へ意識をとられてしまって、テーマである光の当たった花の印象が薄まる。これが壁に正対した形で撮られた画であれば、壁は背景として、面として認識されるため、テーマである花にぱっと目が行くはず・・・というようなことでした。
昨日の講座では、生徒さんのお一人が大変味のある古い民家の壁を撮っていらっしゃって、先生は「これいいなぁ。」「う~ん、これはいい。」とものすごくお気に召した様子でした。この壁の画はまさに「正対」している画。壁の表情、味わいがそのまま観る者に伝わってきて、なんともいえない雰囲気が醸し出され、非常に素敵なスナップショットになっていました。
先生は「正対」することは、その被写体をそっくりコピーして持ってくるに等しい、というような意味合いでお話なさいました。ある角度をつければ、その被写体に対して撮影者がどのような視点・意図を持っているかを伝えることができる、と。どんな画を撮りたいのか、何を表現したいのか、テーマによって、撮影者によって、「最適」は違ってきます。ただ、そのものに「正対」することによって生じる迫力とか、被写体にそのまま語らせる効果とかがあるわけですね。被写体がもつドラマを「正対」することで引き出してやれば、見飽きない、なんともいえない味のある写真にできる場合もあるのです。
私が以前撮った白粉花と壁の写真は、正対した方が良かったのですけど、時と場合によって、角度をつけた方がいいこともあるようです。激賞された写真を撮っていらした生徒さんは、他にも錆のいっぱい浮き出た鉄扉を撮っておられたのですが、こちらには角度がつけられていました。先生は「角度をつけて撮るなら、こう・・・・」と撮り方の例をいくつか挙げられました。実際にその場で撮りながらの講義であれば、さらに実感できただろうにと、昨日はそれだけちょっと残念に感じたことでした。
基本って、とても重要ですね。私は自己流でずっと撮っていましたので、被写体に正対するという撮影方法がいかに重要であるかを知らず、角度をつけた画ばかり撮っていたように思います。なんとなく落ち着かない感じ、しっくりこない感じ、のする写真は、正対していればよかったのかも?と過去に撮った写真をあれこれ思い出しながら先生のお話をうかがってきました。
写真雑誌や、写真仲間からの情報で、ある程度の知識とかテクニックとかは身につけられるでしょう。今はカメラの性能も格段に進歩していますし、素人がいきなり始めても、それなりに格好のつく画は比較的簡単に撮れるようになるんじゃないかと思います。でも、それだけではどうしても埋められない「プロとアマの差」があるんじゃないだろうか?と私は最近特に感じています。
プロには失敗が許されません。常にbest以上を要求されます。「この写真はちょっといいね」では不十分。「これ、めちゃくちゃいいね!」じゃないと。その素晴らしい仕事の裏には、基本がしっかりとあって、テクニックと感性が要求される厳しい世界で生き抜けるだけの強さもあるわけですよ。写真に限らず、それで飯食ってるわけですもの、プロは気構えも違いますわ。
大変温厚な私の先生も、写真の講評をなさってるときには厳しい指摘をビシバシとなさいます。表現は柔らかいのですが、はっとするようなところを突かれるんですね。さすがプロだなぁと感心します。その厳しい目で見ていただいた日浦の彼岸花の写真は、「普通」だったみたいで、がっかりでしたぁ・・・。ちょっとよかったかも?という写真を↓にupしておきます。
明るめに現像して持って行ってみましたら、この暗い感じの方がいいと言われました。
これは並び具合が良かったのかも???
以前サイトにupしたときは枯れて下を向いたしべをレタッチで消していました。でも、先生は「枯れかけてる感じがわかる方がいい」とおっしゃいました。
「これはちょっといいねえ」と先生が言ってくださったので。
彼岸花の写真はすべて Canon EOS 40D + TAMRON A09
今回も良い勉強になりました。
こんなお話は、なかなか写真雑誌では
お目にかかれないです。
最後の写真は小生も好きですが先生も
でしたか。今度はマクロでバリバリアップして
くださいね。楽しみにしてます。
毎日撮るのは、
めちゃくちゃ苦痛なのかも
しれませんね
プロの作品でも
「ありゃりゃ」っての、ありますもんね(。・_・。)ノ ♪
今回も、ねこさんの、お勉強を分けていただき、ありがとうございます。
写真は好きでも、私は、ただ撮るだけの自己流なので、
ホ~と感心するばかりですが、参考にもさせて頂いてます~ありがとう。
白い彼岸花って、初めて見ました。
最後の写真は、淡くやさしい色合いで好きです。
カメラの基本を習っておられるのでしょうが感性も入ってますから
そういうのは習うのは難しいですよね。
先生が良いとおっしゃるものがすべて納得のいくものかどうか?
白の彼岸花の明るいお写真と暗めのお写真と比べた場合は技術というより感性を
問われてるのでしょうか?
あいまいな部分を習うのは難しいです。
でも「好きこそものの上手なれ」ですよね
お好きなカメラを頑張ってください。
段々とねこ♪さんのレベルが上がって、先生もそうそう褒めてくれないのかな?
次回も楽しみにしています。
そこはケースバイケースかな~と思います。
確かに、撮影者の意図によって最適なフレーミングは変わりますね。
でも、そういうことを頭に置いておくということは
懐も広くなるし、とてもためになりますよね。
講座に通い始めてから、かなりねこ♪さんの懐も広くなったことでしょう!
おはようございます。
被写体との角度って、ベテランの方にはなんとなくわかっておられるみたいですけど、私はあらためて解説していただいて「あ!そうだったのか!」と感じました。
やっぱり写真講座へ通うことにしてよかったと思います。
最後の画、お気に召して嬉しいです。
マクロレンズでもしっかり撮れるように練習します。
「せ」さん
最後は「好み」なのかなぁと思いますね。
プロの作品でも、それを見る人が好きと感じるか嫌いと思うか、なんでしょう。
りどるさん
おはようございます。
いつも見てくださってありがとうございます。
写真の撮り方って自分が好きなようにやっていてもいいんだと思うんですよ。
私は、基礎からしっかり習った方がいいように思ったので、習いに通っていますが。
なにかお役にたてることがあれば嬉しいです。
白い彼岸花も、色合いには微妙な変化があって、撮っていて大変楽しいです。
最後の写真、気に入っていただけてよかった、ありがとうございました。
月子さん
写真の見方ってプロとアマとでは視点が違うと思います。
私が観て「これがいい」と思っていた画は、先生には「ありきたり」なんですよね。
もう嫌というほど同じパターンの画を見ていらした先生だから、アマチュアカメラマンとは違う視点でご覧になるんでしょうね。
白い彼岸花の明るさの好み、このへんも、ほんとに「最後は好み」だなと思います。
がんばります。
avalonさん
おはようございます。
今回のお話はベテランカメラマンの皆さんには「いまさら」と思われるような内容でした。
でも、私にとっては、「そうだったのか!」と目から鱗だったんですよね。
>段々とねこ♪さんのレベルが上がって、先生もそうそう褒めてくれないのかな?
いやいやいやいや・・・もう、ほんと、他の生徒さんが素晴らしすぎて、私の画なんて、もうね・・・・
でも、くじけないでがんばります。
tetsuさん
おはようございます。
ですよねー。
正対することと、角度をつけること、ちゃんとわかって撮れたらいいんですよね、自分なりの意図をもって。
ただ、なんとなく撮っていた私には、かなり驚きと新鮮さの感じられる講座内容でした。
>講座に通い始めてから、かなりねこ♪さんの懐も広くなったことでしょう!
それがね、懐は「広く」なったんじゃなくて、「寒く」なったように思いますよw
ちょっとずつでも進歩できたらいいなぁと、もうそれだけですねぇ・・・・。
私はホント、自己流で撮っているので今回のねこ♪さんが聞かれた事、、、私初めて知りました。
いつも自分の心地よい角度をつけたり、ほとんど自分勝手な感覚だけで撮っていたので・・・
基本って大切なんですね。
基本があっての自由とか表現なのかなぁ・・・とつくづく感じています。
それにしても毎回、本当に勉強になります。ねこ♪さん、有難うございます(*^_^*)
写真教室でロケとかあったら、もっといっぱい目の前で吸収できそうだよね~!
私もなんとなくやってたことを先生に解説していただいて「え!?」「そうなの!!??」と思いました。
自己流だとわからないことがいっぱいあるんだなぁーって。
基本を知った上で、そこを越えていくのが重要なんでしょう。
>写真教室でロケとかあったら、もっといっぱい目の前で吸収できそうだよね~!
ですよねーw
私も「撮影会、みんなで行きたいな~♪」と思います。