スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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2023 犬と迎える新年

2023-01-09 | スロバキア2023


あけましておめでとうございます。
今年も私のブログに立ち寄ってくださりありがとうございます。
少しずつ更新していきますのでどうぞよろしくお願いいたします。

日付が変わると同時に(その前からフライングで上げる人もいますが)個人が思い思いに庭や空き地で打ち上げる花火で迎えるスロバキアの新年、今年は花火の音に震えるトリクシーと一緒にバスルームに家族みんなで立て籠もり、新年を迎えました。花火はきれいですけど、でも動物たちにはストレスですよね。タトラ国立公園の動物たちも、冬眠から覚めたり、ショック死したりするんだそうです。

昨年、犬を迎えてから私たちの生活もちょっとずつ変わってきています。ブログの内容も子供から犬に移りつつありますね。

新年早々、早速犬にまつわるお話を。今までは見かけてもあまり手を出せずにいた迷い犬、でも犬を飼い始めると「もし自分の犬が迷子になったら」と思うと放ってはおけず、昨年は2頭保護し、無事飼い主のもとに返すことができました。

1頭目はコリーの男の子、夫がトリクシーと散歩に出ると、道を歩いていたコリーが家までついて来てしまったとのこと。どうしようか、と私に言うので、見れば首輪に名前(ファントム)と電話番号が書いてあります。早速、夫にその連絡先にかけてもらうと、どうやら二つ先の通りのご近所さんのよう。ただ飼い主は仕事で家にはいなく、すぐには来れないので数時間預かって欲しいとのことでした。見知らぬ私たちの家でも招き入れると入ってきたので家の中で預かりました。落ち着かず、歯をカチカチ鳴らしながら家の中を歩き回り、出口を探しているようでしたが、水を飲み、合図をすればお座りもし、おやつを食べ、飼い主さんが仕事を終えて迎えに来るまで良い子でいました。ところで、預かっている間、私たちはファントム、ファントムと呼んでいましたが、首輪についていたタグは実は飼い馬のタグなんだそうで、本当の名前は忘れてしまいましたが全く別なものでした。それでも「ファントム、お座り」と私たちに言われて、ちゃんと座って言うことを聞くワンちゃん、可愛かったです。

2頭目はアメリカンスタフォードシャーテリア(かなぁ?ブルドッグみたいなのです)の男の子、今度は娘たちがトリクシーと散歩に行くとやはり一頭で気ままに歩いていたこの犬がついてきてしまいました。こちらは強面なので、トリクシーと子供を一旦家に入れてドアを閉めるも、「お座り」と指示すればきちんと座るし、大人しくて人懐っこい。首輪はしていましたが残念ながら電気式の首輪で名前や連絡先の情報は見当たりません。まずは警察に迷い犬の通報は来ていないか連絡するものの、ないとのことで困って、近所に住むサクルカの同級生のお父さんが似たような犬種(アメリカンブリー)を飼っているので心当たりはないかなと電話をしてみましたが、すぐには繋がらずメッセージだけ送っておきました。しばらく家の前で犬の様子を見ていましたが、家の前を離れて行ったのでそこで私たちも家に入りました。ところが少ししたところでサクルカの同級生のお父さんから電話がかかってきて飼い主(近所の人)が見つかり、連絡がついて今から飼い主が迎えに来るのでそれまで預かっていて欲しいと。もう逃がしちゃいましたからね・・・どうしたものかと外に出ると犬の鳴き声が少し離れたところから聞こえます。この吠え方は近所のオーストラリアンシェパードのバッキー、そっちへ行ったかなと当たりをつけて向かうと、ちょうどバッキーの飼い主が外に出ていました。飼い主に事のいきさつを話すと、予想通り、その犬はバッキーに吠えた後、通りを更に先へ行ったと。確かに次の犬、ボーダーコリーのブルーノのところで犬の鳴き声が聞こえます。ブルーノの家へ向かうと、いました。すごい剣幕でブルーノと吠え合っていますが、おやつを見せて「こっちにおいで」というと以外にもすんなり来ました。あぁ、リーシュ忘れちゃったなぁと、仕方がないので首輪を持って家に向かって歩いている途中で、車に乗った女性が現れました。私と犬に気付くとすぐに車を停めて降りてきたので飼い主かなと思い、「この犬、ご存知ですか?」と尋ねると「はい」と言って私から犬を引き取り、車のトランクに乗せました。飼い主も車に乗り込むところまで見届けて家に戻ると玄関先で待っていた夫が犬は見つかった?というので、見つけて飼い主に引き渡したところまで一部始終話しました。私の話を最後まで聞いて夫が一言、「で、その飼い主はありがとうとか何か言った?」と。そういえば言われませんでしたね、お礼。まぁ、犬が脱走して動揺してたのかな、と言って家に入りました。

それからしばらくして、サクルカの同級生のお父さんからボイスメッセージが届きました。
~その犬の飼い主である女性は今病気で入院中で、妹さんが犬を預かっていたところ、妹さんのところを脱走してここまで来てしまったんだ。そしてその妹さんが無事保護したときの様子をこう話してたよ。「中国人の女性がうちの犬を連れていて、そのまま食べられるんじゃないかと慌てて連れ戻したんです」だって。だから、「その女性は中国人ではなくて、日本人で、すごくいい人なんですよ。その女性が見つけて連絡くれたんですから。それに犬を食べるのは中国人で、日本人は犬は食べませんから。」って言っておいたから。Chihirkoが気を悪くしなきゃいいんだけど。ハハハハハ~

これでお礼を言い忘れた(言わなかった)事情がわかりました。確かに私が犬を食べると本気で思い込んでいたら、そりゃ怖いですよね。飼い主は近所に家があるというから、飼い主に会いたくて、脱走してしまったのかな。早く良くなって犬も飼い主も一緒に家に帰れますように。

そして最後にもう一匹の迷い犬、こちらは私が保護したわけではないのですが、大晦日にやはり近所のジャックラッセルが行方不明になってしまったそうで、張り紙や、Facebookでも随分拡散されて飼い主が懸命に探しているのを見ました。大晦日で花火もあるので早く見つけてあげたいと。それが一週間ほど経ったところで、飼い主さんの「皆さん探してくださってありがとうございます。犬は見つかり、無事が確認できました。」というメッセージをまたFacebookで見かけました。よくよくそのメッセージを読んでみると、なんとそのワンちゃん、ラトビアで見つかったそうで。ラトビアから休暇でここへ来ていた女性が、野良犬だと思い連れ帰ったのだとか。遥々ラトビアまで行ってしまったそのワンちゃんの消息が一週間でわかるこのご時世に関心するとともに、休暇先で見つけた犬をそう簡単に連れて帰るか!?と突っ込みたくもなったり。飼い主さんは今どうやって連れ戻すか検討中だとのことで、早く無事家族のもとへ帰って来れますように。

動物にもみなさんにも、新しい年が素敵なものとなりますように。

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