スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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完璧じゃないママへ、そんなに自分を責めるのはやめましょう。

2019-10-23 | 育児
先日大失敗をして随分落ち込んでいます。

私は文字にして物事を消化していくタイプです。仕方ない、今回のことも記録しておこうと思います。子供に何てことをするんだと叱咤されるかもしれない、それに対して私には返す言葉はもちろん何もありません。でももしかしたら同じようなことを悔やみ悩んでいるママと共有できるかもしれません。張りつめたギリギリの一線に踏ん張り、ちょっとしたことで今にも崩れてしまいそうなママと。


サクルカに大けがをさせてしまいました。不注意ではなく、完全に私の判断ミスで。
この先、ケガの話ですので痛い話が苦手な方は読まないでください。



義父母も呼んだ日曜日の昼食の支度中、ネルカは義母と学校の宿題を、義父とマルツェルはテレビを見ています。ヒマを持て余しているサクルカにお手伝いをお願いしました。お盆にのせれば大丈夫かな?「サクルカ、お味噌汁を運ぶの手伝ってくれる?」お盆にお椀を二つ、一回目は上手に運べました。ならばもう一回、お盆を渡してサクルカに背を向け次のお味噌汁をついでいたら、悲鳴、そして私に駆け寄るサクルカ。やってしまった!!

振り向くとサクルカはお盆のお味噌汁を全部自分に被っていました。すぐに熱いお味噌汁のかかった服を全て脱がせます。両腕の内側と胸からおなかのあたりが真っ赤にただれています。大変なことをしてしまった。呼吸が苦しくなります。痛みで泣き叫ぶサクルカ、悲鳴を聞き2階から駆けつけ事態を把握し、泣き出す義母。マルツェルがとっさの判断で救急車を呼んでくれました。オペレーターの指示にしたがってすぐにサクルカをバスルームに連れていきシャワーをかけると、皮膚が剥がれ落ちてしまいました。火傷のショックと水の冷たさで、震えるサクルカ。義母と義父が私の後ろで冷たすぎる、そんなに冷たい水をかけてはだめだと言います。でも少しでもぬるくするとサクルカが熱い!痛い!と言います。ごめんね以外に出てくる言葉もなく、ごめんね、ごめんねと言いながら水をかけます。いつまで水をかければ良いのだろうか。そう思っていたら、救急車が到着したとネルカが知らせてくれます。痛みと恐怖で震えるサクルカをタオルで包み救急救命士に託します。

マルツェルが救急車を依頼したことを救急救命士たちに詫びています。「大丈夫、呼んでいいんですよ」と言って、サクルカに優しく接してくれます。応急手当をしてサクルカをブランケットで包み救急車に乗せました。一緒に行きたかったけれど、救急車に乗れるのは一人だけ、マルツェルに行ってもらうことにしました。サクルカとマルツェルを乗せた救急車を見送り、家の中をウロウロします。万が一に備えて入院の準備、服など少し出してみるも全く手につかず、階段に座ったり、椅子に座ったり、ベッドに座ったり、ネルカの様子を見たり、とにかく落ち着かず家の中をウロウロするだけで、思えば涙は一粒も出ませんでした。

1時間くらいしてからでしょうか。「マルツェルから火傷はそれほど酷くないから大丈夫。今からサクルカと帰るから迎えに来てくれる?」と電話がありました。ひとまずほっとし、迎えに行くと告げて電話を切りました。迎えに行ってきます、と支度を始めると義父が行こうかと言ってくれたので、義父にお願いしました。安全運転できる自信は全くありませんでした。

家を出たときと同じようにブランケットに包まれ、抱きかかえられて帰ってきたサクルカはすっかり落ち着いていて、ベッドに横になることも拒否し、テレビを見たいと。テレビをつけたらすぐにゲラゲラ笑いながら見ていました。少ししたら嬉しそうに救急車の話をしてくれました。サイレンを鳴らして赤信号も突っ走って行ったと。あまりに早く曲がるものだから、落ちないようにベッドを掴んでいたと。

診断結果はⅠ度とⅡ度。両腕を包帯でグルグル巻きにされ、曲げることができないので身の回りのことはできないことが増えてしまいました。赤ちゃんのときのように服を着せ、ごはんを食べさせ、全て手伝ってあげないといけませんが、不自由さに文句ひとつ言いません。幸い痛みもそれほどないようです。Ⅰ度の部分は数日でもうほとんど治りました。皮膚が剥がれてしまったⅡ度の部分は完治するまでまだまだかかるでしょう。幼稚園はしばらくお休み、通院生活が続きますが、心配した火傷のあとも先生によれば残らないだろうとのことです。

サクルカは通院に対する恐怖(消毒とガーゼの交換)はあるものの、元気です。もちろん酷いのだけれど、この程度で済んで本当に良かったです。

ただ、時間が経つにつれて私は色々と考えます。ふと手があくと考えます。夜中に目が覚めて思い出します。

周りにかけられる暖かい言葉、厳しい言葉(こちらはごくわずかですが)のどちらも身に沁み、涙が溢れ、抑えられなくなります。

完全に私が悪かったことは自分が一番よくわかっているから、どんな言葉をかけてもらってもなかなか立ち直れないのです。
5歳の子供に熱いお味噌汁の入ったお碗を持たせるなんて、どう考えても気が狂っています。でもその時の私はなぜか、お盆にのせれば大丈夫。そう思ってしまった。もう一度同じことを考えたらそんなことは思いもしなかったと思います。でもその時の私はそう思ってしまったのです。

ネルカの担任の先生にも声をかけていただきました。
頭でわかっていてもその時にはついしてしまうことって誰にでもあるものです。だから気にしないで。もう過ぎたことはそのままにしておきましょう。と。

あまりに酷い教訓でしたが、ここから学ぶしかありません。二度と繰り返さないように。
たとえ完全に自分が悪いと思えても、そんなに責めるのはやめましょう。完璧な人間も完璧な親もいないんですから。

こんなに痛い目に合わせてしまったのに、サクルカは「ママ大好き」と言ってくれます。



2 Comments

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Unknown (Kuniko)
2019-11-08 20:09:46
Chihirkoさん、子育てお疲れ様です!
女の子のことだから、余計に責任を感じるよね。

でも、これからの未来で必須の経験だよ。やけどが軽くてよかったね。
次女のやんちゃで、大胆で、好奇心がいっぱいで、怯まない彼女に拍手!!お盆で運ぶのって、大人になっても難しい。きっと、ウエイトレスのバイトはしないかも?それとも逆に、教訓を活かすかも?
これからも、見守ってあげよう!
私もたくさんやったよ。魔がさしたわけじゃないくて、子供が己から怪我することもあるからね。

そうそう、事故や怪我、麻酔なんかのあとは運転しないこと!冷静になれないから。ご自身も学んだね!!
落ち込まないでね。命があるんだから、大丈夫、だいじょうぶ🤗🤗
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Kunikoさん (chihirko)
2019-11-08 22:07:04
子供を怪我なく、事故なく、育てるって本当に難しいですね。
サクルカはすっかり良くなり、今週からまた幼稚園に通っています。
「火傷して良かった!だって(救急車に乗ったり)良い経験になったもん」だそうです。苦笑

今回の一件は本当に色々考えましたが、サクルカが元気になったらようやく気持ちも落ち着きました。
子育てで学ぶことっていっぱいありますね。

コメントありがとうございました。
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