スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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ロシアの車輪

2019-10-16 | スロバキア2019
金曜日、ネルカの友達から電話がかかってきました。「土曜日の夕方、ネルカと一緒に遊園地に行きたい」と。

この時期私たちの町には移動遊園地がやってきます。本当のところ私とマルツェルはとにかく子供たちが行きたいなどと言いませんようにと願うのみです。ジェットコースターやそういった乗り物は好きですしこれまでたくさん乗りましたが、どんな絶叫マシンよりも実は私はこの移動遊園地の乗り物が一番怖いのです。だって、全国各地を移動して回るこの遊園地、数日で組み立てて一月ほど営業したら、また解体して次の町へと移動していく。そんな遊園地の乗り物が安全なわけがないでしょうというのが私の言い分。これまでは何とかかわしてきましたが、お友達から電話がかかってきてはダメとも言いにくいのもです。渋々連れて行くことにしました。

ネルカの一番のお友達は市長さんのお嬢さんです。というわけで、市長夫人と私とネルカとお友達とそのお兄ちゃん・・・微妙なメンバーですが(誰が微妙って私が)仕方ない、ポプラドの小さな小さな移動遊園地へ行ってきました。まぁ、私はお金だけ払って子供たちだけで行かせばいいやと思っていたら、子供たちが「一番最初はロシアの車輪にしよう!」と駆け出します。お友達のママが「私も乗りますけど、どうしますか?下で待ってるようなら、子供たちは私が見るから大丈夫ですよ。」と、(夫人が乗るなら私だって!)「それなら私も乗ります!」とついて行きました。

ロシアの車輪(Ruske kolo)とは観覧車のことです。なんだか時代背景の窺える名前ですよね。さすがに人力とまではいきませんが、でも見る限りは小さな観覧車です。料金は一人5ユーロ。手のひらサイズのプラスチックの札がチケット替わりで、乗ったらすぐに回収されます。屋根もなければ、窓もない、ただワゴン(?)の真ん中の支柱を囲んで丸く椅子があるだけ、市長夫人とお友達とお兄ちゃんとネルカと私、ちょうど5人一緒に座れました。支柱には丸い円盤がついていて、それを回すとアリスのティーパーティーのカップのようにクルクルとワゴンが回ります。小さな観覧車でも一番上は結構な高さ、それに毎月組み立て分解を繰りかえす移動遊園地、それだけでも怖いのに、いくらゆっくりでもひじ掛け程度の低い背もたれしかないこの観覧車で回したらかなり怖いです。回さないでねと子供たちにお願いして乗りました。小さいだけにサービス良く、3周もしてくれます。だから一周目にシャッターチャンスを逃してもまだあるから大丈夫。いつも通勤通学に通るこのロータリーを上から見下ろすのはなかなか新鮮で、私も写真を撮りました。向こうに見えるのがタトラ山脈です。

大人はこれだけ乗り、あとは子供たちだけで別の乗り物に乗って小一時間遊び、家でマルツェルと留守番していたサクルカに中におもちゃの入った卵型のチョコレートを買って帰りました。

スロバキアに来て10年、娘のおかげでついにあり得ないと思っていた移動遊園地デビューです。


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