スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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子供が開いてくれる扉

2018-06-23 | 育児
子供たちのお陰でできた新しい出会いや経験てこれまで何度もありましたが、先日またネルカのお陰で新しい世界に足を踏み入れ、その感動の余韻にまだ浸っています。

ちょうど一ヶ月ほど前、ネルカは空手に通い始めました。初日のレッスンで素質があると言われたものの、スロバキアの先生たち、誉めるのが上手いんだから。と嬉しいけれどそれほど真には受けていませんでした。けれど、一ヶ月と短い期間にも関わらず、良くできているので進級試験を受けてみたらどうかとコーチに勧められたのが月曜日のこと。形もまだ完全には覚えていなかったので火曜日に特訓を受け、水曜日、進級試験に挑みました。

結果は飛び級で合格!普通なら1年以上かかる行程をわずか一カ月でやってのけ、親である私たちはもちろん、コーチたちもネルカの力に驚かされました。結果も非常に嬉しかったのですが、何より私とマルツェルが嬉しかったのは一人で何かに挑戦するのも、できないことを努力して克服するのも苦手なネルカが、一緒に始めたお友達がすぐに興味を失い休みがちになっても休まず通い、驚くほどの集中力で練習し、コーチに進級試験を他の子たちと一緒に受けても良いと言われ、受けたいけれど本当かどうかわからないから聞いてくれとマルツェルに頼み、これがネルカ自身の意思と努力によって得た結果であることです。そして昇級したその夜、「手を抜けば得ることはできないけれど、ちゃんとすればその努力は結果を残す。お友達は試験さえも受けられなかったけれど私は試験を受けさせてもらえ、合格することもできた。」そんな内容の言葉をどんな表現だったか忘れましたがネルカが自分の言葉で言ったのもとても印象的でした。空手に通ってわずか一カ月でこんなにも精神的に成長したのかと。

試験の前には上級生が下級生たちの形を最終チェックし指導してくれていたり、進級試験の後、私たちも声をかけてもらい参加した打ち上げではサクルカの姿が見えないと私とマルツェルは気にして探すのですが、空手教室のお姉ちゃんたちがしっかりみていてくれるので大丈夫!とのコーチたちの言葉通り、本当にそれぞれの子供が自分よりも小さな子供の面倒を責任を持ってみる。(10歳くらいの女の子がサクルカの食べこぼしを拾い、食べ残したピザまでちゃんと食べてくれていましたから!)私たちの目指す子育てに共通するところもあり、空手に通い始めて良かったなぁと改めて感じます。

マルツェルは体育会系の飲みにも付き合いました(テーブルの上にはレストランで注文したビール、テーブルの下からはこっそり持ちこんだウォッカが紙コップに入って回って来るんですから)。放課後は宿題に、練習に怒涛の数日間でしたがネルカの空手と進級試験をきっかけに精神的にも、人間関係においても親も子も新たな世界が広がり素晴らしい経験となりました。


スロバキアでもしっかり教えられています、武道とその精神。


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