スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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日本文化紹介

2019-11-11 | スロバキア2019
ひと月ほど前、地元の私立高校へ日本文化紹介に行ってきました。
備忘録として残しておきたいと思います。

高校生に10分弱で日本について紹介する

【要領】
学校で毎年行われる、文化紹介の日で8か国くらいの外国人と、スロバキア人がそれぞれ自国について(スロバキアは民族舞踊や伝統工芸を)紹介する。ゲスト一人につきひとつ教室が当てがわれ、そこへクラスごとに26~30人の生徒たちがやってきて、10分ほどのスライドなどを使ったプレゼンを見学し、次の教室へと移動していくというものでした。英語、もしくはスロバキア語で(そのどちらもできない外国人には通訳がついていました)10分間のプレゼンを15回し、準備期間は1週間。

(まず、スライドを使って・・・という先生のお話だったのですが、私のパソコンはこちらへ来る前に日本で購入したざっともう10年物・・・サクサク仕事などできません。これを機にマルツェルが新しいパソコンを買ってくれ、こんなことで思わぬ出費となりました。)


【トピックス選び】
10分てすごく短いんですよね。限られた時間しかない中、興味のないことに無駄に時間を費やしても仕方がないので適当にテーマをいくつかあげ、何について聞きたいかは高校生に選んでもらいました。

◆生徒たちの興味があるのは食べ物と、日本語についてということだったので、その二つを少し多めに、あとはさらっと日本についての豆知識も交え、3択で答えるクイズ形式でプレゼンテーションを用意しました。

【当日】
担当の先生と今回のイベント実行委員の生徒さん5~6人が教室でゲストの私のサポートをしてくださいました。教室の壁には大きな日の丸と富士、相撲等々日本に関するたくさんの写真、机の上もテーブルクロスとアジアテイストの小物で飾り付け、お茶と箸とスーパーで買ったお寿司も用意してくれていました。私にも教室に飾れるものがあれば何か持ってきてくださいと依頼があったので、帯、ひな人形、箸置きなどを持って行きました。

◆直前にプレゼンテーションの内容や進め方を先生ともう一度打ち合わせし、
1.用意したスライドを使ったプレゼンテーションを進める前に、帯など持参した小物の紹介
2.お寿司はクイズに答えたり、質疑応答で質問した生徒への参加賞
3.プレゼンテーションの後には質疑応答やお箸の持ち方
4.生徒の机の上にあらかじめこちらでいくつか選んだ漢字をプリントしたものと、白紙を用意し、(話に興味のない子は)気に入った字を書いてみても良い
という風にしました。


【感想・まとめ】
10分はやはりとても短い
です。きっかり10分で次のグループが来るので、先生に時間を計ってもらったり、タイマーをセットしてしました。家で時間を計って10分弱になるように用意したスライドでしたが、実際は内容をいくつかスキップしたり、順不同に話したりもし、せっかく用意したのに残念…という気持ちが少しありました。ただ、立て続けに何度も何度もテープレコーダーのように繰り返し同じプレゼンテーションをするので4回目あたりから頭はクラクラとし、もうどのグループに何を話して、何を話していなかったのかわからなくなってきます。その時の手助けとして、スライドはよい目安になりました。

そして当然ですがクラスによって積極的なクラスと、完全に受け身なクラスがあるので臨機応変に内容を調整することも必要でした。プレゼンをしながら生徒たちの反応を見て、積極的ならスライドはいくつか端折って、短めにまとめて質問コーナーを長めに取り、反応が悪ければ用意したプレゼンを貫きました。


今回の話、実はマルツェルの遠い親戚からきたものだったのですが、マルツェルは準備が大変だし、ストレスになるだけだから、引き受けなくたっていいんだよとあまり反応が良くありませんでした。でも日本とスロバキアの架け橋になりたい私にはこういう話はそうそう断れません。ただ、こう見えても慎重派ですので、担当の先生から話を伺ってから「少し考えさせてください」と即答せず、高校についてちょっと情報収集してから望みました。

マルツェルの反応が悪かったのは特に日本文化に興味をもって集まったわけではない不特定多数の人を前に日本文化(異文化)を紹介することで、私の顔が少し公になり、その存在を面白く思わない人が出てくるのではないかということを心配してというのもありました。
スロバキアには俗にスキンヘッド集団と呼ばれる、ネオナチが存在します。ネオナチとはナチズムを復興しようとする、または類似性を持つ、第二次世界大戦後の社会的あるいは政治的運動の総称(ウィキペディア)で、私に関することで言えば、彼らは外国人排斥も唱えているので危険な存在です。私たちの町にももちろん存在し、スキンヘッドの若者には要注意ですし、車などにそれとわかる政党のステッカーが貼ってあればこれまた要注意。目を合わせないよう、彼らの注意を引かないよう、その場から遠ざかった方が無難な人たちです。まぁ、その人達に直接関わるようなことは今回ないだろうとしても、外国人や異文化を嫌う人たちも意外といるものでその人たちに私や子供たちの存在が知られるのをマルツェルは心配したのです。

そして私の個人的な心配は、高校生って生意気なんじゃないの?興味も持たないティーンエイジャーたちを相手にプレゼンするのは嫌だなぁという心配でした。

インターネットで調べる限りは法学科と情報科学科の私立校とのことですが、それだけでは良くわかりません。幸い、義母も学校関係者ですし、仲の良い同僚の両親とも学校関係者(校長先生)だったりと周りに聞ける相手もいたため、少しその学校について話を聞き、「荒れた学校ではないので大丈夫よ!」と安心できる一言をいただいてから、引き受けることにしました。

何か質問はありますか?-私
何歳ですか?-生徒

なんてことを聞く子もいましたが、たいていはスロバキアに来て何年か、スロバキア語はわかるか、日本についてよりも私がどんな風にスロバキアで生活しているのか、そちらの方が気になるようでした。

生意気なんじゃないかとちょっと恐れていましたが、高校生もまだまだ可愛いですね。


それからもう一つ。期待通り、新しい外国人のお友達もできました。
先日、娘たちを連れて歩いていたら、この学校のイベントで知り合った(以前から顔見知りではあったのですが、話す機会はなく)南アフリカの女性と道端で会い、「元気?今度お茶でもしようね!」と話すと、ネルカもサクルカも一目でスロバキア人ではないとわかるその元気の良いカーリーヘアと健康的な肌色の彼女に目を丸くして、「ママ、そんなにお友達たくさんいるの?」と。

欲を言うと、スケジュールが過密過ぎて、二人の学生がするベトナムのプレゼンだけはかろうじて聞けましたが、他のゲストのプレゼンは全く聞くことができず残念でした。南アフリカの他にはポーランド、イタリア、スペイン、オーストリア、ニュージーランドの方なんかもいらしたようで、私も聞いてみたかったなぁ。
それでもとても良い経験になりました。

来年は是非、日本の踊りを紹介してくださいと頼まれたのですが、日本の踊り・・・って盆踊りでしょうか!?




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