真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

それでもなぜ、トランプは支持されるのか アメリカ地殻変動の思想史 会田弘継 2024/07

2024-07-27 | 読書-現代社会

それでもなぜ、トランプは支持されるのか | 東洋経済STORE

「それでもなぜ」なのか? 本書を読むとその実相が見えてきます!

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序 論 それでもなぜ、トランプは支持されるのか
第Ⅰ部 トランプ政権誕生の思想史
忘れ去られた異端者らの復権/ジェームズ・バーナム思想とトランプ現象/よみがえる「美しき敗者たち」
第Ⅱ部 現代アメリカの思想潮流
保守思想とアメリカ政治の現在 ――ポピュリズムとの相克/トランプ政権の外交思想を考える/トランプ政権を取り囲む思想潮流
第Ⅲ部 地殻変動の後景
福音派はなぜ政治を動かせるのか――アメリカの「政教分離」が意味するもの/アメリカ白人社会の格差と病――『絶望死のアメリカ』など/ハイデガー「技術論」でアメリカ公共宗教を読み直す/トランプ現象は終わらない――建国にさかのぼる孤立主義
第Ⅳ部 文化戦争と「キャンセル・カルチャー」
アメリカに吹きすさぶポリコレの嵐/『ニューヨーク・タイムズ』が突き進む歴史歪曲/国民を分断する歴史教育と左翼意識の「目覚め」
第Ⅴ部 思想の地政学
バイデン政権が抱えた課題/ウクライナ侵攻の「思想地政学」
第Ⅵ部 思想家ラッセル・カーク再考
『保守主義の精神』出版70年とアメリカの分断/保守思想家ラッセル・カークと「死者たち」/近代に見失われた共時性が貫く共同体/E・マクレランと江藤淳の『こころ』

それでもなぜ、トランプは支持されるのか―アメリカ地殻変動の思想史

南北戦争以来の「内戦」は起こるのか。ウクライナは見放されるのか。日米安保は破棄されるのか。トランプ現象の本質を最も早く見抜いたアメリカ・ウォッチャーの第一人者に...

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スヴァラしいけど難しい。
会田氏はテレビの討論番組などにはごくまれにしか登場されないが、もっと引っ張り出せないものか。
「30秒でお願いします」などと細切れの一言しか言わせてもらえないことに呆れて、避けておられるのかな。
カルチャーセンターには出講されているようなので、じっくり説明する場があればその機会を逃さないというスタンスなのだろう。
思想史をしっかり追いかけておられ、思想家本人と合宿風の討論などもされている(ラッセル・カーク宅)わけで、そんじょそこらの専門家(風)とは年季が違うのだわね。

某女史は「記者上がりで大学院などを経ていない、ちゃんとした学術論文も書いていない連中が大学教授に収まっている日本の現状は怪しからん」(大意)などといっておられるが、著者は別。
タウシュベツ なんのこっちゃ
もっと注目されるべき重要人物。

「オバマ政権の大失政」が生み出したトランプ現象

トランプ・サンダース現象を考えるときに、日本ではオバマ政権時代の問題がよく理解されないままになっている。さまざまな統計をみれば、オバマ時代に格差が大きく広がり、...

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会田 弘継 | 著者ページ | 東洋経済オンライン

Wikiwand - 会田弘継

Wikiwand - 会田弘継

会田 弘継 は、日本のジャーナリスト、思想史家。保守思想、特にラッセル・カークなど米国保守思想の専門家として知られる。

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過去の著書も読んでおくべきなんだろうなぁ。

さて、トランプ狙撃事件、共和党全国大会と、ちょうど本書を読み進めながら右耳にガーゼをあてたトランプの冗長な指名受諾演説を視聴するという、時宜を得まくった体験をするなどした。
トの候補者指名受諾演説は、当初の原稿読み上げ部分では、自分がぐっと右を向いたために右耳をかすめるだけで済んだ*弾丸を受けて亡くなった消防士の出動服に敬意を示し(非番で私服で会場に来ていた人であって、職務関係ないんだけど)、黙禱してみたりと神妙にふるまい、国民に団結を呼びかけてみせるなど、生まれ変わったのかしらと一瞬思わせるような原稿だった。
それはほんの一時のことだった。

*フレデリック・フォーサイスのベストセラー小説の映画化1973年ジャッカルの日|映画スクラップブックで、「ジャッカル」の放った弾丸がドゴールが勲章授与者にキス(頬擦り)をするために頭をカクっと下げた瞬間に頭の元あった位置を通過して飛び去り、舗道にチッと当たる場面を思い出した。⇒The Day Of The Jackal [ 1973 ] - Final Scene 🎬
(映画で、スイカを買ったジャッカルが木の枝からそのスイカを下げて、想定距離離れた地点から仕込み銃のゼロイン照準調整をする。調整が済んでスコープのど真ん中に着弾することを確かめ、最後に本番用の炸裂弾を撃ってみる。スイカを見上げるカメラに切り替わり、命中弾を受けたスイカは・・・という準備シーンがたいへん印象的だったのよ!)

映画の暗殺者の弾丸はターゲットが頭を急に動かしたために狙いを外して地面を撃つが、米20歳青年が屋根の上からトを狙った弾丸は、急に右を向いたターゲットの耳たぶをかすめて飛び続け、集会参加者に命中してしまった!(その弾丸なのか?1発しか撃てなかった?)
Trump Says Last-Minute Head Tilt Saved His Life, A Chilling Photo And Slow-Motion Videos Of The Bullet Go Viral - News18

だいたい、分断をことさら強調して「君らはやられっぱなしで来たのだから、それを取り返そう。私はそれができる」と主張してきたトが、国民の半分ではなく全部に団結を呼びかけるという矛盾、民主主義の基本手続きである選挙結果を、自分が負けた場合は受け入れないで当選者確定の手続き(儀式)をしている議会を襲えと煽った人物が、民主主義を守るのだと主張して見せる矛盾をどう説明するのか、片腹痛しの極致だったのだ。
わき腹を押さえる(違

冒頭のトの殊勝な物言い~もしそれが本心であって、生まれ変わったというのならば、2017/1の一期目の就任演説の内容は全面撤回しなければならないわけで、「表面的に演じられるのはいつまでかな」と思いながら見ていると、十分ほどしかもたなくて、
そのうちいつものトランプ節になって現政権への非難に終始して、ぶち壊しになったのよね。
トランプ節を聞きに集まってくれた聴衆に提示できるのは、やはり悪口罵詈雑言ゴルゴンゾーラ(違
全然変わっていない。変われるわけがない。
変わって見せ続けることなど、とても出来ないことを改めて示した。

本書中、興味深かった箇所:
p181 四十年周期の地殻変動(6章 トランプ政権を取り囲む思想潮流)
1929年大恐慌で「大きな政府」志向へ 40年以上
 民主党優位1930~70年代まで(共和党ニクソン政権も「大きな政府」型)
1981年レーガン政権=共和党保守主導による市場万能主義「小さな政府」の時代 40年ほど
 クリントン・オバマ民主党政権も、保守優位の「小さな政府」路線に押され続けた
トランプと新型コロナウィルスで変革の地殻変動が起きているのかも

12章 『ニューヨーク・タイムズ』が突き進む歴史歪曲
あのニューヨーク・タイムズが突き進む歴史歪曲、記事改竄、批判封殺(会田 弘継) @gendai_biz

17章 保守思想家ラッセル・カークと「死者たち」
保守主義の「起点」ラッセル・カークに遡る:会田弘継 | 追跡・アメリカの思想家たち | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト
【書評】『保守主義の精神(上)』 ラッセル・カーク著 | 表現者クライテリオン
追跡・アメリカの思想家たち -会田弘継 著|電子書籍|中央公論新社

19章 E・マクレランと江藤淳の『こころ』
エドウィン・マクレラン - Wikipedia

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