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真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

黒いマナーとは何だ?

2009-01-27 | 読書-エッセイ/小説etc
『黒いマナー』酒井順子/2007年9月

じつは、快作よりも怪作の方が賞賛の度合いが高かったりするのだが。
酒井女史の担当編集者は楽しかろうな。

会社の中にはよく、「謝らせたら右に出るものがいない」という人がいるものだが云々(謝罪のマナー)、などというくだりがあり爆笑を誘う。
著者は現代社会のちょっとした日常の隠れた意味をずばりと指摘させたら右に出るものは…という線かな。

皆が意味まで自覚してそのように行動しているわけではないものの、客観的にポーンと突き放した場合、そのように理解することができる、という日本駐在日本人的な、この星の住人は…的な観測だよね。
何十年か未来のヒトは、著者の作品を読むことにより、このしょうもない時代の気分がずばり理解できるだろう。

頭の中でなんとなく感じていたり、またはそもそも考えてみたことがなかった現代の諸相を、彼女がヒモをツツーっと引っ張ると、ヒモに等間隔で旗がついているようなイメージが浮かんだ。
旗に書いてあるのは↓
目次等詳細
おつきあいのマナー(食事のマナー、メールのマナー、受験のマナー、注意のマナー、謝罪のマナー)
季節のマナー(都会のマナー、別れのマナー、贈答のマナー、パーティーのマナー、年賀状のマナー)
関係性のマナー(母と娘の間のマナー、格差マナー、自慢のマナー、勝負のマナー、プライバシーのマナー)
危険なマナー(ハゲのマナー、露出のマナー、年齢のマナー、マナーのマナー)

【書店員のオススメ】『黒いマナー』2007.11.17
「独自の目線で鋭く切り込んでいる快作です」

ついでに連想:ものが「見えている」と幸せか?
(視力という意味ではなくて、‘本質が見通せている’といったような意味ね)
「そりゃあキミ、見えてないよりも見えてるほうが幸せだろ。だいいち、有利だろが」というのが普通の反応だと思う。
(著者の場合は、これを武器にモノカキとして食っていけてるんだしな)
ところが、場合によっては「見えていることの不幸」があるんではないか、というのがずっと考えているテーマのひとつなのよね。
ま、それはまた別の話、ということで。じゃ!

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