真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

ジョーンズ『タッポーチョ 太平洋の奇跡-「敵ながら天晴」玉砕の島サイパンで本当にあった感動の物語』

2014-05-13 | 読書-エッセイ/小説etc
祥伝社黄金文庫
タッポーチョ 太平洋の奇跡―「敵ながら天晴」玉砕の島サイパンで本当にあった感動の物語
ジョーンズ,ドン【著】/中村 定【訳】
価格 \720(本体\686)
祥伝社(2011/02発売)

映画
公開に合わせて文庫化、だね。

内容紹介
1944年、太平洋戦争の末期、壮絶を極めたサイパンのタッポーチョ山で、命がけで民間人を守り抜き、自らの義も貫いた 日本陸軍の大場栄大尉(おおばさかえたいい)らの512日にわたる戦いを、大尉自らの監修のもとに、敵であった元アメリカ兵が書き上げた迫真の実録フィクションです! この2月に公開される映画『太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男』の原作本の復刊です! 30年前、『タッポーチョ』が刊行されたときに、この本を読んだ若き日の映画のプロデュ―サ―が、「いつかこの話を映画にしたい」と思ったほどの感動の作品です。 戦争の実録フィクション(当時、存命だった関係者への配慮もあり、フィクションというかたちをとりました)ですが、歴史に埋もれた感動の物語です。

著者のドン・ジョーンズ氏が突然「大場大尉」と言って、私に電話をかけてきたのは、昭和44年だった。当時、彼は新潟のアメリカ文化センターの所長をしていた。すでに大場大尉と呼ばれることがなくなって久しかった私にとっては、その呼びかけは異様であり、不気味でさえあった。《中略》私は、ドン・ジョーンズ氏が気持ちのいい男であることもわかり、かって殺し合った仲だというのに、私たちの間には奇妙な友情が生まれた。(大場栄大尉の「刊行に寄せて」より抜粋)

出版社からのコメント
本書は昭和57年12月にし小社より四六判単行本として刊行された『タッポーチョ 「敵ながら天晴」大場隊の勇戦512日』を訳者の中村定氏があらため監修、修正し文庫化したものです。映画も感動的ですが、この原作は大場栄氏が自ら検証しながら作り上げた作品なので、映画のストーリーより、より真実に近い話です。65年前、玉砕の島サイパンで本当にあった人間ドラマをぜひ読んでみてください。

上官の命令がないと降伏できないと頑張るところは、小野田寛郎さんと一緒だね。
大場大尉自身は、日本が負けたらしいことをほぼ確信できていたが、気持ちの切り替えができない部下も少なくないので、皆に納得してもらえそうな儀式を模索したの鴨。

潜入していた民間人の収容所からやってきて大場隊に加わる土屋憲兵伍長(降伏までの段取りでも活躍する)は、小野田さんと同じく中野学校で訓練された人物なの鴨。

捕虜になった日本兵が安心してなんでもしゃべってしまう件は、大場氏も指摘していたな。

邦訳が先に出て等々の経緯については、この辺が詳しい
林田明大の「夢酔独言」から
●映画『太平洋の奇跡』と原作と、ここが違う!

そうそう。
看護婦の青野(映画では井上真央)は、米軍野戦病院に医薬品を盗みに行くチームに強引についていく。

映画では足を撃たれて負傷し、捕えられる(生き残る)。
大場達が民家で発見した赤ん坊が(無事に米軍に発見されて)収容所入りしていて、その面倒をみるなど、だっけ?

ジョーンズ本では撃ち合いで(我慢できずに自分が銃撃を始めてしまうところは一緒か)被弾し、思いを寄せてくるが一貫して相手にしなかった木谷と一緒にちょっとロマンチックに死亡…この場面は作者の「ドラマタイズ」だと睨むけど。

現実はどうだったのだろ?
青野という名前も、実際と違えてるの鴨?

青野はジョーンズ本では、収容所から大場達に投降を勧めに来た「国原」をナイフで刺殺してしまうしなぁ。
(「奥野春子」は間違いなく変えているだろな)

赤ちゃん(発見したことは実際にあったのだろう)は助かったのか?
無事育ったのか?

大場氏が昭和57年当時刊行に寄せたコメントも興味深い。
実際にはこんなもんではないという個所は少なくないが、アメリカ人から見たらまあそういうことなのだろう…と、いうような趣旨で、相違を認めている。

訳者の中村氏と3人で内容検討会を実施して、人物を信頼したからこそなのであろう。

こちらに書き写しがあった。
本と静かな時間さん:
いいですか?本当に長いですよ?

●実録小説『タッポーチョ、太平洋の奇跡』とその映画『太平洋の奇跡』について

護国夢想日記さん

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『中国の戦争力―台頭する新た... | トップ | 『玉と砕けず―大場大尉・サイ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読書-エッセイ/小説etc」カテゴリの最新記事