『地球46億年全史』
原書名:THE EARTH:An Intimate History(Fortey,Richard)
フォーティ,リチャード【著】〈Fortey,Richard〉 渡辺 政隆 野中 香方子【訳】
草思社 (2009/01/05 出版)
soshisha/地球46億年全史 | 書籍案内 | 草思社
東京新聞20090208[評者]長野 敬(生物史家)地質、文明、生活を立体的に
原著: Earth-Intimate-History
書評の例: geology/bookreviews
A "geology for poets" book that delivers geology AND poetry, thanks to a paleontologist author who reaches deep into the science without leaving his heart and humanity behind.
前著: 『生命40億年全史』
原書名:LIFE:An Unauthorized Biography(Fortey,Richard A.)
フォーティ,リチャード【著】〈Fortey,Richard A.〉 渡辺 政隆【訳】
草思社 (2003/03/10 出版)
「・・・決定版・生命史」(生命の方)と銘打っているように、「全史」という打ち出しは、原著の「An Unauthorized Biography」、「An Intimate History」の趣旨を踏みにじるものだが、致し方ないだろう。
もし、著者の込めたニュアンスを正確に生かした邦題にした場合、浩瀚で高価な本が買ってもらえないことを出版社が懸念したのではないかしらん。
三葉虫の大権威だからといって生命史の各分野(それぞれ専門家がいる)全部に通暁しているわけではないので、「非公式なものです。地球の歴史も、自分が訪問した場所で見聞きした範囲で説明しましょう・・・」という謙虚で誠実なスタンスは、邦題の「どーだ、すごいだろ。全史だぞ。決定版だぞ」とは対極にあるが、販売政策上理解してやらんとな。(エラソ?)
顔が確認したいシリーズ: wiki/アンドリア・モホロビチッチ(Andrija Mohorovičić、1857年1月23日 - 1936年12月18日)
スノーボールアースは、ビッグバン、ブラックホール、利己的遺伝子などと並んで科学的概念につけられた覚えやすい名前の殿堂入り・・、というくだりが愉快。
じつに真理をついている。人口に膾炙するための必要条件のひとつだな。
訳者のあとがきも絶好調だ。
前著(生命40億年・・・)の読者カードの分析で、サンプル数288の年齢が、18歳から92歳(3名)だという。(平均61.8歳はずいぶん高いな)
で、感想として「固体や種の寿命は尽きても生命の連鎖は脈々と保たれると語る生命の歴史書は、年齢の高い読者ほど身につまされるものなのだろう。そのメッセージは、へたな宗教書よりもはるかに敬虔な気持ちを湧き立たせうるものなのかもしれない。もしかして科学書は宗教書に代わりうるのではないか。」との発見に至っている。
先生、気付いた?
(ホームレス氏からの読者カード紹介もある。)
著者の3分レクチャー: My Favourite Fossil: Richard Fortey 3:00
ハラミヨ反転って、流行らないかな?
原書名:THE EARTH:An Intimate History(Fortey,Richard)
フォーティ,リチャード【著】〈Fortey,Richard〉 渡辺 政隆 野中 香方子【訳】
草思社 (2009/01/05 出版)
soshisha/地球46億年全史 | 書籍案内 | 草思社
東京新聞20090208[評者]長野 敬(生物史家)地質、文明、生活を立体的に
原著: Earth-Intimate-History
書評の例: geology/bookreviews
A "geology for poets" book that delivers geology AND poetry, thanks to a paleontologist author who reaches deep into the science without leaving his heart and humanity behind.
前著: 『生命40億年全史』
原書名:LIFE:An Unauthorized Biography(Fortey,Richard A.)
フォーティ,リチャード【著】〈Fortey,Richard A.〉 渡辺 政隆【訳】
草思社 (2003/03/10 出版)
「・・・決定版・生命史」(生命の方)と銘打っているように、「全史」という打ち出しは、原著の「An Unauthorized Biography」、「An Intimate History」の趣旨を踏みにじるものだが、致し方ないだろう。
もし、著者の込めたニュアンスを正確に生かした邦題にした場合、浩瀚で高価な本が買ってもらえないことを出版社が懸念したのではないかしらん。
三葉虫の大権威だからといって生命史の各分野(それぞれ専門家がいる)全部に通暁しているわけではないので、「非公式なものです。地球の歴史も、自分が訪問した場所で見聞きした範囲で説明しましょう・・・」という謙虚で誠実なスタンスは、邦題の「どーだ、すごいだろ。全史だぞ。決定版だぞ」とは対極にあるが、販売政策上理解してやらんとな。(エラソ?)
顔が確認したいシリーズ: wiki/アンドリア・モホロビチッチ(Andrija Mohorovičić、1857年1月23日 - 1936年12月18日)
スノーボールアースは、ビッグバン、ブラックホール、利己的遺伝子などと並んで科学的概念につけられた覚えやすい名前の殿堂入り・・、というくだりが愉快。
じつに真理をついている。人口に膾炙するための必要条件のひとつだな。
訳者のあとがきも絶好調だ。
前著(生命40億年・・・)の読者カードの分析で、サンプル数288の年齢が、18歳から92歳(3名)だという。(平均61.8歳はずいぶん高いな)
で、感想として「固体や種の寿命は尽きても生命の連鎖は脈々と保たれると語る生命の歴史書は、年齢の高い読者ほど身につまされるものなのだろう。そのメッセージは、へたな宗教書よりもはるかに敬虔な気持ちを湧き立たせうるものなのかもしれない。もしかして科学書は宗教書に代わりうるのではないか。」との発見に至っている。
先生、気付いた?
(ホームレス氏からの読者カード紹介もある。)
著者の3分レクチャー: My Favourite Fossil: Richard Fortey 3:00
ハラミヨ反転って、流行らないかな?