真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

山岳猟兵という狩人

2008-03-07 | 読書-2008
狩人の獲物はヒト。「最強の狙撃手」というのが本のタイトル。第2時大戦の欧州東部戦線で活躍したオーストリア出身の狙撃兵への聞き書きの由。
感想の例:
http://review.rakuten.co.jp/item/1/213310_12024256/1.0/
強烈なのは、違法な炸裂弾で倒された敵味方、男女(ソ連側は女狙撃兵というのが多数繰り出されたのだ、と)兵士の遺体の写真があること~上記感想例にも出てきますが。

狙撃兵は捕虜になった場合、恨みが強い分拷問を受けて惨殺されることが確実だったのだ、と。
(東部戦線では狙撃兵でなくとも国際法に則った扱いは期待できず、ただ、どういう殺され方をするかの違いだったという記述も)

スターリングラード攻防戦でのVassily Zaitsev 対Königのスナイパー対決は映画化されたが、なんとケーニヒという狙撃名人はドイツ側の記録になく、ソ連が英雄物語を盛り上げるために創作したキャラクターだった!というのは本に無関係な蛇足。
http://en.wikipedia.org/wiki/Erwin_K%C3%B6nig
…この記事のExternal linksに紹介されている有名狙撃手の中で、ソ連は9名中5名が女性!

ま、それにしても狙撃兵を制するのに狙撃兵を繰り出すというのはよくあったことらしい。
狙撃兵は味方が負け戦で退却する際に、進撃してくる敵軍を食い止めるために効果を発揮するものであるそうだ。
家具職人の親方の息子Josef "Sepp" Allerbergerのような名人級になると、先頭の敵兵から倒すのではなく、まずは2番手グループの胴体を撃って(即死しないように!)痛い痛いと騒ぐようにする。先頭グループがその声を聞いてぎょっとして不安になったところで彼らの頭部を撃って仕留めていくのだ、と!そりゃあ恨みも買いましょうよ。

不思議なのは、再現映像ではないかしら?と思うような場面の写真もあること。たとえば、ドイツ降伏後に帰郷する際の様子という写真があるが、悠長に写真を撮っていられたのだろうか。米軍だ!と安心して投降した部隊がソ連側に引き渡されてしまい連れ去られた等、あと一息というところまで来て無事に帰郷できなかった兵士らも多いのだ、と。
http://en.wikipedia.org/wiki/Josef_Allerberger

頭部に握り拳大の穴が空いた写真の数々のインパクト強過ぎ…。

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