真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

彗星(小惑星)の衝突、超新星爆発からビッグバンへと遡る『宇宙で起こった3つの大爆発』

2008-12-31 | 読書-2008
『宇宙で起こった3つの大爆発 』
原書名 The Three Big Bangs
フィリップ・M.ドーバー/リチャード・A.ミュラー著
磯部三訳 1997年7月
3つのテーマを盛り込んだ欲張りな企画に良心的な訳。
訳者は、そもそも原題が紛らわしいと注文をつけている。ビッグバンは宇宙創造の、時空の始まりの大爆発を指すべきで、他の爆発をも含めるかのような題名はよろしくないので、あえてビッグバンという言葉は邦訳名に用いなかった由。
「ビッグバン」と入れる入れないで本の売れ行きが違ってくると思われるのだが、訳者の妥協しない姿勢とそれを受け入れる出版社が凄い。もう絶版らしいが。
本文中でも、「この表現は誤解を招くのでよくない。正しくない」などという訳注が数ヶ所登場する。さすが妥協しない専門家。

原書名が2通りあるの?ペーパーバック化の際に副題をつけてわかりやすくしているの?
The Three Big Bangs: Comet Crashes, Exploding Stars, And The Creation Of The Universe
このように具体的に3つ列記しないとね、やはり。

amazon/Three-Big-Bangs-Exploding-Creation/カスタマーレビューは賛否が極端だな。日本だとここまで書かない?そうでもない?
ポピュラーサイエンスの宿命?アメリカならでは?
でもね、否定的なコメントは具体的でないのね。単に気に入らんと言っているだけ。なんざんしょ。

もくじが表示されてた:questia.com/the-three-big-bangs-comet-crashes-exploding-stars-and-the-creation-of-the-universe-by-philip-m-dauber-richard-a-muller
まっとうな書評: seds.org/spaceviews/9709/bookrev

第1部のCOMET CRASHES:彗星の衝突は、以前何冊か関連図書を読んでいたし、かなり分かった(つもり)。
第2部、EXPLODING STARS:星の壊滅的爆発は、うーん、SN_1987Aのお話を改めて読んでみようかな。
第3部CREATION OF THE UNIVERSE:宇宙の創造は、すみません、殆どついてゆけない。宇宙論ねえ...

じつをいうと、遠い星雲ほど速く遠ざかっているという(たいへん基本的な)話の説明が、これまで今ひとつピンと来ていなかったのだ(と、いう程度のモンガイカンなのでね)。ハッブルの法則、ですか。
風船の表面に点を描いて膨らませる云々という説明がよくあると思うが、気に入っていなかったのよ。
本書の3段階解説は良いと思う(分かった気にさせてくれる)。
1.ゴムか何かのベルトに等間隔に点を描いて、左右にびゆーんと引っ張れば・・・。ほらね。
2.それをシート状のものに描いて上下左右同時にびゆーんと(広げたつもりになる)、で2次元。
3.オーブンの中で膨らむぶどうパンの中の干しぶどうを考えてもらえば、ね!3次元。
よくある「風船の表面」は却下だな(笑)。

wiki/ビッグバン
ルメートルの理論にビッグバン (Big Bang) という名前を付けたのはホイルで、1949年の BBC のラジオ番組 The Nature of Things の中で彼がルメートルのモデルを "this 'big bang' idea" とからかうように呼んだのが始まりであるとされている。(wiki)
~“宇宙がどんどん膨張しているというあんたの説だと、逆にずうーっと遡っていくと一番最初にどっかーんと大きな爆発がありました、ということになるんじゃないか、あはは”みたいな言われ方をしていた?そういう意味じゃない?

ミュラー博士の他の著書で和訳あり:『恐竜はネメシスを見たか』
リチャード ミュラー (著), 手塚治虫 (翻訳) 1987/5
手塚治虫さんですよ、あーた。
図書館にあったので、読んだ。ネメシス議論をフォローするには欠かせないな。

wiki/Richard_A._Muller
Dr. Muller began his career as a graduate student under nobel laureate Luis Alvarez doing particle physics experiments and working with bubble chambers.
なるほど、訳者あとがき中に「著者らはルイス・アルバレスの弟子で云々」というくだりがあったな。
ミュラー博士の公式サイトhttp://muller.lbl.gov/
なんか、お茶目なとこ、ある?

訳者の故磯部氏:
astroarts/磯部三氏の訃報
wiki/磯部三(1942年7月16日-2006年12月31日)
scienceportal/天文学者・磯部三氏のお別れの形
「天文教育」(2007年3月号)特集:追悼磯部三さん
全く存じ上げなかったのだが(我が家の購読紙にはこのユニークな広告が出なかったし)、すごい存在感。ご逝去はかなり反響があった出来事だったんだね。
12月31日、磯部さんの命日です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 戸塚教授のPCに残っていた未... | トップ | 謹賀新年:「朝の来ない夜は... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読書-2008」カテゴリの最新記事