晴れときどき化学、ところにより雑想

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尿素

2012年04月14日 00時53分04秒 | 化合物のお話
尿素は炭酸のジアミド化合物で、カルバミドとも呼ばれます。

無色の柱状結晶であり、融点は132.7℃です。

またこの化合物はアンモニア臭があり、水によく溶けます(水1mlに尿素1gが溶解します)。

人体や動物の体内でタンパク質が分解するときに生じるアミン類が、尿素の形で無毒化されて尿として排出されることからこの名前がつきました。

ヴェーラーによって、無機化合物(シアン酸アンモニウム)から初めて合成された有機化合物としても知られています。

工業的には、二酸化炭素とアンモニアを高温・高圧条件で反応させた後、脱水する方法で製造されます。


尿素は中性の窒素肥料として硫酸アンモニウム(硫安)よりも肥効性があるため重要です。

また合成樹脂の原料としても有用で、種々のアルデヒド(代表的なものとしてはホルムアルデヒド)と反応して熱硬化性樹脂(尿素樹脂)をつくります。

さらに製紙工業においては、セルロースの軟化剤としても利用されています。




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