前半は失望より絶望的流れで2点取られ、ホームでこれかとムカついていたら、後半は目覚めて3点得点。ロスタイムで勝利を確信していたら・・まさかのPKでドローに。獲得した勝点1より失った勝点2に未練が残る試合となった。それにしても、豊田が入ると流れが良くなる気がする。
16位・鳥栖と15位・浦和、勝点差4で迎えたJ1残留争い直接対決。良い入りを見せたのはホームチーム。左サイドを中心に鋭い攻めを展開し、浦和ゴールに迫る。3分にはサイドに流れた金森 健志がクロス。これを金崎 夢生がゴール前で合わせるが枠を捉え切れず。しかし、攻勢を見せていた鳥栖に思わぬ落とし穴が。7分、自陣ゴール前からのFKを西川 周作がロングフィードで前線に供給。これを右ウイングバックの橋岡 大樹が競りにいくと、鳥栖は対応したのがCB高橋 秀人。競り勝った橋岡が中央に折り返すと、これをファブリシオが落とす。高橋 秀人が競りに出て空いたスペースで武藤 雄樹がボールを奪うと、左足を振り抜く。これがゴール右に決まり、浦和がファーストチャンスをモノにして先行する。
先制した浦和は落ち着いてブロックを形成し、鳥栖の進入を許さないようになる。すると29分には高い位置からのショートカウンターで長澤 和輝がサイドに展開。橋岡がクロスを入れるとこれに走り込んだ長澤がオーバーヘッド気味に合わせてゴールネットを揺らした。2点のリードを得た浦和はさらに落ち着いた試合運びを展開。鳥栖は「2点ビハインドで構えられてしまって難しくなった」(原 輝綺)と2失点後にシステムを[4-3-3]に変えるがそれも機能せず。苦しい展開のまま、前半を折り返した。
後半の頭から鳥栖は松岡 大起に代えて豊田 陽平を投入。小野 裕二をボランチに入れて反撃を試みる。そして後半は状況が一変する。「2-0の怖さが出たのかなと思います」と槙野 智章が話したように、浦和はリードを意識してセーフティーな動きが増えてしまい、鳥栖の圧力をモロに受けてしまう形となってしまう。すると69分、ペナルティーエリアすぐ外右の位置で得たFKを原川 力が見事にニアサイドを射抜き、鳥栖が1点を返す。これにより、ホームチームに対するサポーターの声援も熱を帯び、反撃ムードがより高まる。
ホームの勢いを得た鳥栖は74分、CKの流れから小野がゴール前にボールを入れると豊田が収め、落としたところに反応した金崎が蹴り込み、同点に追いつく。さらに82分、浦和の自陣でのパスミスを奪うとカウンターを発動。金崎が途中出場の安 庸佑に展開。安 庸佑がクロスを入れると、ここに走り込んだイサック クエンカが豪快に蹴り込み、ついに鳥栖が逆転に成功する。
終盤でリードを得た鳥栖は逃げ切りを図るが、試合終了直前、CKのクリアボールを回収して青木 拓矢がクロスを入れる。競ろうとした岩波 拓也が金井 貢史に倒されるとPKの判定。試合終了間際に訪れたシックスポイントゲームの分水嶺。キッカーを務めるのは26日の天皇杯ラウンド16・Honda FC戦でPKを失敗している杉本 健勇。大きな重圧がかかる場面で杉本はゴール右にしっかりと沈めて、浦和が土壇場で追いつく。
残留のためには勝点3が欲しかった両者。それぞれにリードする時間も作りながら勝ち切ることができず。失意が色濃く残る勝点1となった。
残り7試合。残留ラインを勝点40と見なして、4勝3敗が必要となる。FC東京、磐田、横浜、松本、名古屋、札幌、清水。磐田、松本、最終戦清水を絶対落とせない試合として、名古屋、札幌を何とかと計算しても思惑通りにいかないのがサッカー。やはり、FC東京、横浜戦に勝利しないと。浦和戦での3点は決定力不足だった鳥栖にとって期待を抱かせます。