チョウチョウ王の備忘録

趣味の海水魚と銭湯巡り、邦画とJ-POPの話題

九州-パラオ海嶺(かいれい)

2005-09-06 21:47:43 | 海水魚
今日の新聞に「小笠原などで大陸棚調査」という記事が載っているのを見つけました。
今回の調査は、海底地形の成り立ちを調べることで「確固たる日本の水域である」と国連ひいては近隣諸国へ主張するための資料あつめ、といった目的です。
これはとても大事なことなので、莫大な予算がかかるのもしかたないことだと思います。
魚類の研究者の枠があるのかはわかりませんが、滅多に調査のできない海域であることから、なんとか同行して新しい発見のあることを期待しています。

調査海域の中でチョウチョウ王が注目するのが、「九州-パラオ海嶺(かいれい)」です。
海嶺とは、海底にある山脈です。
九州-パラオ海嶺は宮崎の都井岬沖からパラオ諸島まで続き、ここで小笠原諸島やグアムが乗っている南本州海嶺と合流して、インドネシア中央部のワイゲオ島付近まで続いています。
日本最南端の島として知られる沖の鳥島も、この海嶺の上にあります。

この九州-パラオ海嶺上の北緯26度45分、東経135度23分にある平頂海山(ギョー)の水深320m付近で1987年、トロール採集によってウラシマチョウチョウウオというチョウチョウウオの仲間が3匹捕獲されています。
チョウチョウウオの仲間としては最も深い水深で採集された記録になっており、チョウチョウウオ=浅い海に生息する魚、という概念を覆す深海性の魚です。

その後、モルジブやインドネシアなどでも確認されていますが、もちろん生きて採集されたことはありません。
ただ、バリ島で潜水艦によって撮影された生態写真があり、これは水深80m付近だということなので、ひょっとすると生きた姿を水槽で拝める日がくる可能性も出てきました。
インドネシアではChaetodontoplus属(キンチャクダイ属)の新種らしき魚が見つかったとの噂もあり、派手で人目に付きやすいチョウチョウウオやキンチャクダイの仲間にもまだまだ知られざる種類がいるんだなと興味は尽きません。

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