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高速バスに乗ろう。

最近の高速バスはスゴイ!

4列スタンダードのトップレベル!? 新鋭iTSライナー

2011-08-19 09:43:49 | 日記
深夜高速バス(夜行便)の4列スタンダードと言えば、狭い・ツライ・眠れないの三重苦を味わうもの。
それが、これまでの常識でした。
私も、何度となくその苦しみを味わいました。

ですが、今年のお盆にiTSライナーの4列スタンダードに乗ってみると、
「あれ? 4列スタンダードも悪くないかも!?」
と思ってしまうほど、良かったんですよね。

もちろん、ラクチンとまでは言いません。
やっぱり、3列シートよりはしんどいです。

ただ、下手な4列ゆったりシートよりはこっちの方が良いような・・・。
4列シートに限って言えば、VIPライナーの4列ゆったりシートの予約が取れないなら、
他の4列ゆったりシートを探すよりもiTSライナーの4列スタンダードでも
いいかもしれない。
そんな気がするほどでした。

そもそもiTSライナーは、高速バス業界では、それほど知られた存在ではありません。
それもそのはず、会社が設立されたのは、なんと2010年2月です。
設立されて、まだ1年半の出来たてホヤホヤ(2011年8月現在)。
それでは、有名じゃなくてもしょうがありません。

おそらく、良い意味でも悪い意味でも若い会社なんだろうと思います。
チャレンジ精神に富んでいて、業界の因習にとらわれず、新しいことにどんどん取り組む。
一方で、安定性・信頼性はこれからの課題、という会社なのでしょう。

私がiTSライナーに乗って感じたのは、そういう若い会社ならではの特徴でした。

乗ってみて最初に思うのは、バスそのものが新しいことです。
iTSライナーはツアーバスなので、バス運行会社は別会社になっています。
ルミナス株式会社です。
ですから、iTSライナーのバスの横には、全て「Luminus」というロゴが入っています。
このルミナス株式会社のバスは、どれもかなり新しいようですね。



(ちなみに、iTSライナーとルミナス株式会社の社長の苗字が同じなので、家族か親戚だと思われます。
 ですから、トラブルがあった場合に、iTSライナーとルミナスの間で責任のなすりつけ合いは
 しないでしょう。)

バスが新しいので、車内は古ぼけた感じもなく、シートもヘタっていません。

そして、何より4列スタンダードの割には、かなり足元が広い!
・・・え、なぜ?

というのは、前の席の下の空間が、結構広いからです。
特に、高さが高い。
ですから、スネが前の席にぶつからず、足を十分に伸ばせます。



他社の4列スタンダードと比べると、かなりラクです。
シート配置は、一般的な4列スタンダードと同じ横4列×縦11列なのに。

ただ、レッグレストはありませんし、隣席との間にヒジ掛けもありません。
そういう点では、出来の良い4列ゆったりシート(VIPライナーの『グランシア』等)に
勝るというわけではありません。
また、今回座ったのは窓側席だったので、通路側席の通路側のヒジ掛けの仕様(上げて収納する
タイプか下げて収納するタイプか等)は、よく分かっていません。

ですが、先に料金をぶっちゃけてしまうと、平日とは言え、お盆の帰省ラッシュ時期(下の写真を見ると
お分かり頂けると思いますが、新宿は高速バスを待つ人たちでいっぱいでした)に東京→大阪便が
4,000円というのは、破格の安さです。



多くの他の高速バス(JRバスやWILLER EXPRESSほか)では、通常期に平日4,000円の便は
お盆等の繁忙期は軒並み6,000円前後に値上げされています。
まぁ、ホテルと一緒で、通常期と繁忙期で料金が異なるのはしょうがないと思うのですが、
その中で4,000円というのは、かなり目立つ料金だと言えるでしょう。

また、4列スタンダードとしては珍しく前方遮光カーテンを設けています。
手作り感ありありのカーテンでしたが、無いよりはある方がずっといいです。
夏は日の出が早く、朝5時頃には外が明るくなるので、前方遮光カーテンはとてもありがたいですね。

さらに、ブランケットが比較的大きくて、使いやすいです。
VIPライナーほどの大きさはありませんが、4列スタンダードのブランケットとしては、
かなり大きい方ではないでしょうか。

さらにさらに、最近の東京⇔大阪便では常識になってきましたが、乗務員は2名体制。
きちんと安全に注意を払っています。

こういったことを考えると、コスパはかなり良いと思います。


ただ、いくつか欠点もあります。
まず、乗務員の教育が今一つなこと。
乗務員(運転手)は、40代~50代の男性2人だったのですが、基本的に良い人たちだったと思います。
乗客にはきちんと対応しよう、という姿勢は伝わってきました。
ですが、気配りや配慮は、まだ不十分だと思います。
例えば、

◇暑さのせいか、乗務員さんがYシャツの胸元を限度を超えて開襟していたために
 下着が見えて不快でした。
 中年のおじさんの下着が見えるなんて、特に女性客から見たら、
 ほとんどサイアクに近いくらい不評でしょう。

◇バスのトランクに入れる荷物を預ける際、私の前に並んでいた乗客と乗務員の間で
 こんな会話をしていました。

 乗務員「壊れ物は入っていますか?」
 前の客「はい、入っています」
 乗務員「え、入ってんの!? 壊れても保証できませんよ!」
 前の客「・・構いませんよ」
 乗務員「それならいいですが」

 確かに乗務員さんの仰る通り、旅行条件書にはその旨が書いてはありますが、
 もうちょっと言い方があるように思います。

◇MKバスと同じく、アメニティ(スリッパ・歯ブラシ)はバスの前方に置いてあって、
 必要な人のみ取っていく、というスタイルでしたが、それに関する周知は一切なし。
 私は、MKのときのことがあるので、わざわざ自ら
 「このアメニティ、もらっていいですか?」
 と聞いてから、アメニティをもらいました。
 ですが、他のほとんどの乗客は、そもそもアメニティをもらえること自体を
 理解していなかったと思います。

こういった接客というのは、社員自身の努力だけに依存したり、通り一遍の
社員教育するだけでは、身につきません。
企業が、接客教育に十分時間とお金を割くことが必要です。
iTSライナーの乗務員の接客は悪くはありませんが、良くもなく、
ごく普通のレベル(JRバスと大差ない)と言えるでしょう。
WILLER EXPRESSやVIPライナーを見習って欲しいと思います。

ただ誤解して頂きたくないのは、iTSライナーの乗務員さんたちは、運転手としては
きちんとされているという点です。
東京を出発する際には
「東名高速は3か所の渋滞があり、走行距離は長くなりますが、中央高速を利用する方が
 早く着く可能性が高いので、そちら経由で大阪に参ります」
というアナウンスがありました。
また、草津(滋賀県)SAでは、大阪への高速(名神高速道路)が15km以上渋滞をしていることを
把握すると、
「名神高速の渋滞がひどいので、京滋バイパスに迂回します。
 大阪へは、到着予定時刻の2時間遅れとなる見込みです」
と臨機応変に最速ルートを探すだけでなく、到着見込み時刻もアナウンスしてくれました。
運転手のプロとしては安心感がありましたね。


このように長所と短所を併せ持つiTSライナーですが、私としては、4列スタンダードとは
思えないくらい、結構眠れました。
MKの4列ゆったりシートより長時間眠れたのは、間違いありません。
現地に到着したその日は仕事だったのですが、割と何とかなりました。
(残業する元気はありませんでしたが)

もし、みなさんが深夜高速バスで4列スタンダードに乗らざるを得ない場合、
もしくは出来の悪い4列ゆったりシートしか予約できそうにない場合は、
iTSライナーの4列スタンダードを選択肢に入れてもいいと思います。

ただ、繰り返しますが、3列シートよりも快適だなんてことはありませんので、
その点は誤解のないようにお願いいたします。


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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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参考になりました (しぜん)
2012-02-26 07:06:45
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