高速バスに乗ろう。

最近の高速バスはスゴイ!

東京⇔大阪間でオススメの“格安”高速バスは、これだ!

2011-06-27 00:01:52 | 日記
いま、東京⇔大阪間の深夜高速バスは、激しい価格競争になっています。
100円単位の戦いです。
特に、格安便は、平日(月~木)料金なら4,300円以下が普通です。
この格安便の中で、どれがオススメなのかを比較してみます。

まず、前提条件を考えます。

◇料金
  平日(月~木)が4,300円以下。
  ただし、早割は考慮せず。

  ※早割まで考慮すると、あまりにもパターンが多すぎるので、ここでは省略します。

◇シートグレード
  4列シートとします。
  4,300円以下だと、通常は4列スタンダードなので、乗り心地は快適とは程遠いでしょうが、
  料金重視というスタンスです。

こういった条件で考えてみます。
その結果、おすすめは、、、、、


■1位:海部観光 『MY EXPRESS 4列スタンダード』

・平日(月~木)料金 :3,300円
・トイレ          :なし
・バスタイプ       :1階建て
・シート配置       :不明
・アメニティ       :ブランケット
・女性安心シート    :有り
・安全性         :運転手2名交代制、東京に運転手の仮眠施設有、アルコール濃度測定システム、等

早割や往復割引などの割引抜きで3,300円は、格安便の中でも異彩を放つ安さです。

・・・と言うか、海部観光では、もともと早割や往復割引制度がないのですが。
割引と言えば、Web予約&クレジットカード決済による100円割引があるだけの
シンプルな料金体系になっています。
路線高速バスでは、早割等の割引をどう併用しても、ここまで安くはなりません。

これだけ安いのに、女性の隣には必ず女性が座る「女性安心シート」も採用していて、
かつブランケット貸出しがあるのはスゴイです。
ブランケットをちょっとお腹に掛けるだけでも、違いますよね。

海部観光がある徳島は物価が安いので、この料金に抑えることができているのは、
そのおかげもあるのかなぁ?という気がします。

また、安全性の確保に力を入れているのも素晴らしいですね。
格安便なのに運転手2名体制を公言しているツアーバスは、かなり少ないと思います。
さらに、遠隔地対応アルコール濃度測定システムまで導入しているのには驚きました。
高速バスの運転手の中には途中で酒を飲む人がいる、と言われていますが、
これを防ぐには格好のシステムです。
ですが、導入しているバス会社の話はあまり聞かないんですよね。

座席シートについても、4列スタンダードの中では幅が広い方だ、とおっしゃる方もいるようです。

なお、トイレがありませんが、格安便にトイレがあっても使うケースは少ないので、
この割り切りはアリでしょう。
真っ暗な中、混雑した4列シートをかき分けて(通路側席の人は、足を通路に
放り出している場合も多い)トイレまで行くのは、かなり骨が折れます。
さらに、窓際席だったりすると、通路側席の人を起こさないといけないですし。

また、格安便のトイレは、びっくりするほど狭くて使いづらいのが一般的です。
特に、女性は苦手なんじゃないでしょうか。

ですから、格安便では、サービスエリア(SA)での休憩の際にトイレに行くことをオススメします。
また、どうしてもトイレを我慢できなくなったら、運転手に言えば最寄りのSAに
停めてもらうこともできますよ。
・・・まぁ、そういう勇気を出すのが嫌な方がトイレ付バスを選ぶんでしょうけど。


■2位青春エコドリーム号(JRバス関東、西日本JRバス)

・平日(月~木)料金 :4,300円 (2011年7月15日以降)
・トイレ          :有り
・バスタイプ       :2階建て
・シート配置       :1階席・・・横4列×縦3列
               2階席・・・横4列×縦13列
・アメニティ       :なし
・女性安心シート    :なし
・安全性         :運転手2名交代制

2011年7月15日から青春ドリーム系統が値上げされるため、週末のJRバスは
安いとは言えなくなりましたが、平日ならまだ格安と言えるでしょう。

ポイントは、座席指定ができること。
Web予約の際にクレジットカードで決済するか、電話予約をすれば座席指定ができます。
1階席の23A・23B・24C・24Dのいずれかを指定すれば、後ろを気にせずリクライニングができるので、
格安便なのに比較的ラクな姿勢が取れるというメリットがあります。
もし良ければ、実際に乗られた方の体験談(青春エコドリーム号 22Aと23Aの比較考察)も
ご覧になってみて下さい。

また、路線高速バスなので、運転手は2名体制で安心ですし、ネット割と早割5を併用すれば、
さらに安くなる場合があります。

(注)青春エコドリーム号の早割5は、適用日や席数等の条件があるので、
   5日前までに予約すれば、必ず安くなる、というわけではありません。
   誤解しやすいので、ご注意ください。

デメリットは、やはり女性安心シートがない点でしょうか。
青春エコドリーム号では、ときどき女性が隣になってしまうので、女性自身はもちろん、
男性としても気を遣います。

ちなみに、隣の席に座った若くてかわいい女性とお知り合いになる、なんてことは
100%あり得ません(笑)ので、そういうことは期待しないように。
ブランケットもないことを考えると、男性向けのバスと言えるのかもしれませんね。

それから、週末は6,000円と料金が一気に跳ね上がり、とても格安便とは言えなくなるのは、
大きなデメリットだと思います。
料金重視なら、週末は他の高速バスを利用することをオススメします。


※青春エコドリームへの評価を変更しましたので、2位は空位とさせて頂きます(2011年8月23日)。

■3位:VIPライナー 『アクアスター 4列スタンダード(トイレ付) 』

・平日(月~木)料金 :3,900円
・トイレ          :有り
・バスタイプ       :1階建て
・シート配置       :横4列×縦11列
・アメニティ       :ブランケット、腰ピロー、プライバシーカーテン有
・女性安心シート    :有り
・安全性         :バスの点検は1か月に1回実施。(法令上は3か月に1回)

トイレ付でこの価格は、かなり安いと思います。

また、この価格帯で、ブランケットに加えて腰ピローがあるのも大きいです。
4列スタンダードバスでは、座席シートと腰の間に隙間ができてしまい、
腰に負担が掛かることが多いですから。
腰ピローがあれば負担を軽減できるので、非常にいいと思います。

それから、4列シートなのに、プライバシーカーテンがある点はおもしろいですよね。
片側2列の席間にプライバシーカーテンが引けるようになっていて、
真横の隣席の人を気にしないで済むように工夫されています。
こういうタイプのバスは、他社では見たことがありません。

さらに、VIPラウンジという高級なバスターミナル/待合室を利用できるのも、
VIPライナーを選ぶ利点です。
顔を洗ったり、化粧直しや髪を直したり、着替えの際に使えますし、学生さんの就職活動や
社会人の出張にはぴったりだと思います。


以上、個人的な視点でのおすすめでした。
料金だけではなく、安全性やサービス性も考慮した上でのオススメになっています。

ただ、どれも4列スタンダードですから、快適性はあきらめてくださいね。


格安便と言えば、オリオンツアーもかなり安いのですが、
安全性への取り組みがどれだけ充実しているかを、上手く確認できませんでした。
私の確認不足のような気もしますが、確認できなかった以上、候補からは外してあります。
あしからず。

【最新版】オススメの深夜高速バスは、これだ!

2011-06-26 13:50:40 | 日記
2012年5月1日に、さらに内容を改訂しました。
2011年6月26日に、内容を改訂しました。

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東京⇔大阪間で、おすすめの深夜高速バス(夜行便)はどれでしょうか?
私自身の体験から、おすすめを書いてみたいと思います。

当然、料金が高いほど快適性も高い傾向にありますので、
コストパフォーマンスも考慮します。

なお、私個人は、格安便よりミドルグレード便・ハイグレード便に惹かれますので、
そちら中心で選びます。
格安便については、こちらの記事(『東京⇔大阪間でオススメの“格安”高速バスは、これだ!』)をご覧ください。


〇比較的低料金なのに、なかなか快適なバス(ミドルグレード便)

コストパフォーマンスが最高なのは、さくら観光の『SAKURA Express プレミアム(2×1)』です。
私の知る限り、いま、この便よりも良いミドルグレード便はありません。
座席シートの完成度、足元の広さ、座席幅の広さ、アメニティ、安全性、電源コンセントや
無線LAN完備、SAでの休憩時の乗務員の対応等、ほぼ完璧です。
詳しくは、以前書いた記事『SAKURA Express プレミアム(2×1)』の衝撃をご覧ください。

まだ、VIPライナーのロイヤルブルーに乗ったことがないので、もしかしたら
それが対抗馬になるのかもしれないなぁ?と期待しています。

次点は、『旅の散策ツアーズ』の2列+1列型の3列シートですね。
縦が9列しかありません(通常は10~12列あります)から、足元が広く(前後の
シート間隔は109cmもあります)、身長175cmの私でも足が窮屈なことはありません。
また、座席の幅も比較的広く、2列+1列のメリットを十分に享受できています。

楽天トラベルから予約すると、座席位置は指定できないものの
平日(月~木)は4,000円台、金曜日は7,000円、土日は5,500~6,500円程度で乗車できます。
[2011年6月現在]


一方、『旅の散策ツアーズ』から直接予約した場合は、平日(月~木)は6,000円、金・土・日は7,000円です。
ただ、座席指定が可能なので、1列席を予約したい場合は直接Webで予約する方がいいと思います。
特に、金曜日は楽天トラベルで予約しても直接予約しても、料金は同じですし。

また、夜行便の場合は、サービスエリア(SA)に停まって休憩をしても
車内を明るくせずアナウンスもしません。
そのため、朝までぐっすりと眠れるというメリットがあります。

さらに運転手さんは親切ですし、あえて休憩を長めに取っていて、
安全管理に気を付けている感じがします。

コストパフォーマンス重視で一定以上の快適性を求めるなら、『旅の散策ツアーズ』は
オススメできると思います。

ただ、低価格なだけあって完璧とは言えません。
以下のように気になる点はあるので、ご利用の際にはご注意ください。

・バスは新型車両とは言えない。
 (古いバスに新しい座席シートを備え付けた感じ)

・トイレ、プライバシーカーテンは無し。

・東京⇔大阪間の路線では、乗務員がたぶん1人。



〇少し高めだけど、かなり快適なバス(ハイグレード便)

東京⇔大阪間の料金は、新幹線自由席だと13,000円程度、ぷらっとこだまを使うと
10,000円だということを考えると、個人的には、やはり深夜高速バスには
8,000円前後までしか出せない気がします。

例えば、JRバス関東のプレミアムドリーム号の『プレミアムシート1階席』
非常に快適なのですが、料金が10,000円前後です。
それなら、移動時間の少なさを考えると、ぷらっとこだまの方が良いでしょう。

すると、「少し高めだけど、かなり快適」という視点で見た場合、
オススメできるのは、WILLER EXPRESSの『ビジネスクラス』です。
このバスも2列+1列型の3列シートですね。

縦列は、たった6列しかありません。
そのため、本当に足元は広いし、座席の幅も広くてゆったりしています。
イメージは、新幹線のグリーン車です。

また、キレイなトイレも付いています。
高速バスのトイレというと非常に狭いイメージがありますが、このバスのトイレは
広いとまでは言わないものの、従来の高速バスのトイレと比べると、空間に
とても余裕があります。

1列側の座席(『ビジネスクラスComfort』と呼ぶそうです)は、横にプライベートカーテンがあり、
コンセントがあったりテレビがあったり無線LANが使えたり、と設備が充実しています。
ただ、平日(月~木)で通常9,800円と高く、とても手が出ません。

そこで、私は2列側[平日(月~木):通常8,800円]の通路側席を利用しました。
なお、この日は閑散期だったからか(?)楽天トラベル経由で予約すると、なんと7,300円に!
ちょっと予算オーバーでしたけど、あまりにもお得なので、思わず予約してしまったという訳です。

このビジネスクラスの座席シートは、いわゆるゆりかごタイプになっていて
足元が上がるような形になっており、とても眠りやすかったです。
人によっては、「お尻がずるずる落ちる」とおっしゃる方もいらっしゃるようですが、
私の場合はそんなこともなく、快適に眠れました。
到着まで、全く目を覚ましませんでしたね。
せっかく少し高めのバスに乗ったのに、ずっと寝ていたのが、なんとなく惜しかった気がしたほどです。
快眠できたのですから、本当は問題ないのですが。

ほんとオススメです。


<番外編>
東京⇔大阪の路線には無いのですが、WILLER EXPRESSの『リラックスワイド』
非常に良いシートだと思います。
3列シートなので座席幅に余裕があるし、シート形状がゆるやかに曲がっていて
腰にきちんとフィットするし、フットレストも完成度が高いです。
(ちなみに、4列シート(横2列×2)の『リラックス』は、足元が狭くて眠りづらいです。)

ただ、トイレ付きじゃないためか、SAに止まる度に電灯が点いてアナウンスが
流れるため、ほとんどのお客さんは、その度に起こされていました。
私は計3回起こされました。
ツラかったです。

バスの運行の仕方に問題があるので、せっかくシートは良いのに台無しです。
もったいない。
そんなわけで、リラックスワイドはおすすめしません。

格安便を巧妙に値上げするJRバス

2011-06-26 00:05:32 | 日記
2011年7月15日以降、東京⇔大阪間のJRバスが値上げされます。

こちらをご覧ください。↓

★【関西⇔関東】京阪神~東京・新宿線のダイヤ改正について

プレミアムドリーム号やドリーム号のハイグレード、ミドルグレードに料金の変更はありませんが、
青春ドリーム号や超得割青春号を廃止し、青春エコドリーム号に「統一する」という言い方
巧妙に格安便の料金値上げを敢行。

金曜日や繁忙期の料金が、4,300円→6,000円と大幅に値上げとなりました。
(閑散期は据え置き)
また、2011/7/15以降は、4列シートも青春エコドリーム号(夜行便)にしか採用しないようです。
さらに言えば、以前はバス全席が早割の対象となっていましたが、7/15以降は
早割対象シートの数を限定するようです。
この部分でも、実質的な値上げです。

こういった変更は、JRバスが、高速バス業界の激しい価格競争に耐えられなくなったことを意味します。
高コスト体質の大手企業によくあるパターンと言えるでしょう。

一般に、高コスト体質の大手企業が価格競争に耐えられなくなった場合、まずやるのが
低価格帯のサービス/商品の種類や数を減らすことです。

低価格帯のサービス/商品は当然1ユーザ当たりの利益額が少ないですから、
企業は薄利多売によって利益を確保することになります。
しかし、多売に失敗すると、高コスト体質が災いしてカンタンに赤字に転落します。

こういう状態になると、企業は総売り上げ額が減ることは覚悟した上で、
利益率の悪い(もしくは赤字の)低価格帯のサービス/商品の提供を中止するのです。

※余談ですが、それを「高級ブランドとしての地位を固める」というような表現でごまかす企業も多いです。

以前の記事で、路線高速バスをドコモに例えたことがありますが、JRバスも
ドコモと同様に高コスト体質に陥っているのでしょう。

東京⇔大阪間を低料金重視で移動したい方は、JRバスを検討候補から外す方が良さそうです。

ツアーバスと路線高速バスの本当の違い (4)考えなくていい路線高速バス

2011-06-25 11:04:31 | 日記
さて、路線高速バス編です。

路線高速バスの良いところと言えば、ほとんど何も考えなくてもいい、という点じゃないでしょうか。

ほとんどの夜行便はトイレ付きの3列シートで(4列シートもありますが、東京⇔大阪間が中心です)、
運転手も2名交代。
バスターミナル/待合室も、地方都市だろうと一応は大抵あって(古いところも多いけど)、
発車時刻も毎日決まった定期運行です。

また、きっぷ(チケット)はインターネットでも買えるけど、どちらかと言うと
誰でも買えるように窓口に軸足を置いた販売方法になっています。

路線が多く、様々な行き先の便があるけれど、行き先が同じであればバリエーションは
多くないので、そもそも選ばなくていいです。

また、キャンセル料は、乗車当日であっても数百円以内に収まります。

つまり、JRや私鉄系が提供しているだけあって、電車もしくは路線バスの
延長線上に路線高速バスはあるので、誰でもサービスをイメージしやすく、
そこから逸脱していることは少ないです。
JRだろうと、京王だろうと、近鉄だろうと、サービス内容は一定以上のレベルにあり、
どこでもあまり変わりません。
それが、安心感につながっているのだと思います。
また、JRや西武、阪急等といったブランド名に信頼を寄せている方も、かなり多いでしょう。

その結果、行き先さえ決まっていれば、ほとんど何も考えずに乗る便を決めることができます。
とてもラクです。

ここまでだと、路線高速バスの方がツアーバスよりも断然良さそうに見えますよね。
ですが、そうとは言い切れません。

同じ料金なら、たいてい路線高速バスよりもツアーバスの方が快適な上、サービスが充実している
からです。

東京⇔大阪間の平日(月~木)の料金で考えるなら、3,500~7,000円の価格帯の高速バスは、
まず間違いなくそうだと言っていいでしょう。

平日(月~木)8,000円以上のハイグレード便になると、路線高速バスとツアーバスの差は縮まって
いきますが、それでも、どちらかと言うとツアーバスの方が快適。

同じ価格帯で快適さやサービス充実度で甲乙つけがたいのは、平日(月~木)10,000円前後
の最高級グレードのみだと思います。
(JRバスのプレミアムドリーム号の『プレミアムシート1階席』
 ⇔WILLER EXPRESSの『ビジネスクラスComfort』)

つまり、同じ料金を支払ってツアーバスより路線高速バスを使うのであれば、
何も考えなくていい、という安心感と引き換えになるのは
快適さとサービスの充実度
ということになります。

東京⇔大阪間で考えた場合、例えば、JRバスのプレミアムドリーム号の『スーパーシート2階席』は、
通常8,800円です。
このシートは、JRバスの全シートの中で、プレミアムシート1階席の次に高級なシートだと
思います。
ですが、このスーパーシートが快適かと言われると、それほど快適だとは言えません。

2010年から新しいスーパーシートが投入され、シート自体の質感はアップしましたし、
2列+1列を採用することで座席幅も約52cmとかなり広くなりました。

しかし、一方、2階席の縦列を9列→11列に増やしたため、足元は狭くなってしまいました。
痛恨です。
乗ってみれば分かりますが、それなりに足元が苦しく、眠りにくいです。
また、縦が11列もあるため、ゆりかご式を採用しているとは言えリクライニング角度が
135度しかありません。

さらに、一般的な2階建てバスと同じように天井が低く、圧迫感もあります。

同じ8,800円を払うのであれば、WILLER EXPRESSの『ビジネスクラス(2列+1列の2列側席)』の方が、
確実に快適です。

後ろにトイレがあるとは言え、縦列はたった6列
このため、シート間隔は130cmと非常に広いです。
先日、足元が広いと書いた『SAKURA Express プレミアム(2×1)』でさえ110cmですから。

シート幅も、2cmほどJRのスーパーシートに譲りますが、それでも約50cm(肘掛けを入れると64cm)。
十分な広さです。

また、シートタイプはJRのスーパーシートと同じゆりかご式です。
そして、リクライニング角度は142度。
スーパーシートよりも角度が深いです。
たった7度しか違わないように思えますが、深夜高速バスのシートでは、リクライニングの角度が
140度を超えるかどうかが、快適さに大きく関わるポイントです。
この点でも、WILLERのビジネスクラスの方が上です。

それどころか、JRバスのスーパーシートより『SAKURA Express プレミアム(2×1)』の1列席の方が
快適なんじゃないかと感じます。
SAKURA Express プレミアムは、2列+1列の2列側か1列側かを座席指定ができます。
プライバシーカーテンがあって、個室っぽい雰囲気を堪能できる1列席は、座席指定料を含めても
平日(月~木)で6,500円。
快適な上に、JRのスーパーシートより2,300円も安いのです。

JRバスだって早割を使えば安くなるよ、とおっしゃる方もいらっしゃるでしょうが、
それはツアーバスも同じです。
早く予約すれば、1,000円以上安くなることもよくあります。
早割は、路線高速バスの専売特許ではないのです。


また、路線高速バスは、トラブルが少ないし、万一トラブルがあった場合の対応がいい、
というイメージがあるようですが、本当でしょうか?

私は、JRバスでトラブルにあったことがありますし、そのときのJRバスの対応は誉められたものではなかったです。
まるで公務員か役人のように、その場しのぎで責任を回避しようとしました。
さすが、元国鉄。
そんな経験は、ツアーバスではありません。

もちろんツアーバス業者は千差万別ですから、ヘンな業者を選んでしまうと
やっかいなことになりかねない、というのは、きっとそうだと思います。
海外旅行の際、ヘンな旅行代理店を選んでしまった場合と同じように。

ですから、ツアーバスに乗るときに、安さにばかり注目して業者を選ぶのは賛成しません。

ただ、路線高速バスならトラブルが少ない、ツアーバスは多い、ということは
一概には言えないと思います。


それでは、路線高速バスは、どういうときに使えば良いのでしょうか?
私は、以下の4つの条件が揃ったときは、ツアーバスより路線高速バスを使う方がいいと思います。
(夜行便の場合。昼行便は除きます。)

(1)寝心地や快適さを犠牲にしてでも、バスにトイレが付いていることを優先したい。
(2)WILLER EXPRESSやVIPライナーは苦手で、でもバスターミナル/待合室があった方がいい。
(3)乗車日が金曜日。
(4)乗車日の数週間前に予約できる。

上記の4つのうちのどれかが当てはまらないなら、ツアーバスの旅行会社の中から選ぶ方がオススメですが、
この条件が揃うなら(結構、揃うケースもあると思います)、路線高速バスがいいでしょう。

ちょっと補足します。

(3)と(4)は料金の話です。
ツアーバスの料金は、曜日によって変動が激しく、1週間の中で金曜日はかなり高いことが多いです。
一方、路線高速バスの料金も曜日によって変動がありますが、ツアーバスほどではありません。
つまり、路線高速バスとツアーバスの価格差が一番縮まるのが金曜日ということになります。
また、路線高速バスでは、早割は乗車日に関係なく適用されることが多いです。
ですから、金曜日に早割を使えば、同等のシートグレードでも、ツアーバスよりも安くなるケースがあります。

逆に、トイレ付であっても乗車日が金曜日以外なら、ツアーバスの方がいいです。

ですから、往復で高速バスを使う場合は、行きはツアーバスで帰りは路線高速バス、といった形で
組み合わせて利用するのも良いかもしれません。


以上、4回に渡ってツアーバスと路線高速バスの違いを書いてきましたが、
やはり会社や便によって特徴がかなり異なる、というのが実態です。

こんな記事を書いておいて言うのも何ですが、ツアーバスvs路線高速バスという比較ではなく、
WILLER EXPRESS vs JRバスvs さくら観光 vs 京王バス vs VIPライナー、のような比較の仕方を
するのが、一番良いような気がします。

ツアーバスと路線高速バスの本当の違い (3)バリエが豊かなツアーバス

2011-06-20 00:02:28 | 日記
ツアーバスは、路線高速バスと比べてバリエーションが豊かです。

まず、サービス提供者である旅行会社(旅行代理店)により様々な色があります。
また、1社の中においても、様々な特徴の高速バスを提供していることが多いです。

ただ、良く言えばバリエーション豊かなのですが、悪く言えば玉石混交とも言えます。
そういったところは、ふつうの旅行代理店業界と変わりません。

JTBや近畿日本ツーリストのように安心でちょっとお高めの大手旅行代理店もあれば、
地域限定で弱小の(でも価格が安くて、小回りが利く)旅行代理店がありますよね。
また、ツアープランについても、格安プランから豪華プランまで色々あるのが普通です。

ツアーバスでも、同じことが言えます。

WILLER EXPRESSやオリオンツアーのようなツアーバス大手もあれば、
さくら観光や旅の散策ツアーズ、海部観光のような中小企業もあります。

また、デザイン性を重視する会社もあれば、格安便に力を入れる会社もあります。

千差万別です。

つまり、
「ツアーバスって、こうだよね!」
という風に、おおざっぱにくくって説明するのは難しい
のです。

正直、数年前であれば、ツアーバスはこういう感じ、みたいなくくり方はできたでしょう。
でも、いまは非常に難しいですね。
あまりにもバリエーションが豊かになってしまいましたし、
ある点では路線高速バス並みになったり、それを凌駕するツアーバスも増えてきました。

それだけ競争が熾烈(しれつ)だということだと思います。

例えば、あるツアーバスに乗って悪印象を受けたとします。
ですが、他のツアーバスに乗ったら、非常に良い印象を受けることが十分あり得ます。

もちろん、その逆もあります。

具体名を挙げて申し訳ないのですが、例えば、JJライナーの4列スタンダード(東京⇔大阪:4,000円前後)
に乗った後、WILLER EXPRESSのビジネスクラスComfort(2列+1列の1列側席、
東京⇔大阪:9,800円前後)に乗ったら、たぶん同じツアーバスだとは思えないでしょう。

前者は料金に重きをおいたサービスになっていますし、後者はビジネスマンが快適に過ごせることに
重点を置いたサービスになっていますから。
(そうは言っても、後者でも新幹線よりは安かったりするのですが)

ですから、もし、Webなどで
「ツアーバスはこうだ。路線高速バスはこうだ。」
とおおざっぱにくくって書いてある記事を見たら、
数年前の古い情報だ、とお考えください。


例えば、従来、ツアーバスの弱点として、以下の3点が大きく挙げられていたと思います。

[1]安全性
[2]トラブル時の対応の悪さ
[3]バスターミナル/待合室がないこと

ですが、いずれも既に解決しているツアーバスはいくつもあります。

[1]安全性については、WILLER EXPRESSや海部観光(MY EXPRESS)、VIPライナー、
   さくら観光(SAKURA Express プレミアム(2×1))などが提供している
   高速バスのうち、中クラス(ミドルグレード)以上であれば、
   運転手2名交代制が常識となっています。
   これは、JRバス等の路線高速バスと同じです。
   平日の定価(直前予約割引などの特別割引を除く)が6,000円以上のバスは、
   8割以上がそうなっていると言っていいでしょう。
   また、バス整備についても、これらの会社はかなり力を入れていると言って間違いありません。
   VIPライナーは1か月に1度は全車点検を徹底している(法令上は3か月に1回)そうですし、
   海部観光は自ら進んで第三者機関による安全性監査を受け、それにパスしていることを
   Webで公開したりします。

[2]トラブル時の対応の悪さについては、ツアーバスのサービス提供者は
   単なる旅行会社(旅行代理店)なので、乗客とバス運行会社とのトラブルについて
   親身になって解決してくれない、と言われてきました。
   しかし、これはWILLER EXPRESSやVIPライナー、旅の散策ツアーズ等が、
   事実上、自社バスを購入してサービスを提供し始めたり、さくら観光のように
   関連会社(桜交通)のバスを使うことで大きく改善されました。
   一部の格安バスについては、この問題は残っているようですが、
   上記のようなツアーバスを選べば、そういうリスクは簡単に回避できます。

[3]バスターミナル/待合室の問題は、ツアーバスの泣き所ですね。
   そうは言っても、WILLER EXPRESSとVIPライナーは東京や大阪、京都等では
   独自に高級感および利便性の高いバスターミナル/待合室を設けました。
   路線高速バスのバスターミナルで、ここまでレベルの高いものは見たことがありません。
   今月(2011年6月)にオープンした大阪駅のJR高速バスターミナルは
   ロケーションは最高ですが、内容的には両者のバスターミナルにはかなわないでしょう。
   首都圏では、これらの2社のバスターミナルに匹敵する路線高速バスの施設はありません。
   バスターミナル/待合室を重視するなら、WILLERかVIPライナーを選ぶのがいいと思います。


以上のように、[1][2]についてはツアーバス会社(旅行代理店)や便を選べば
問題ありませんし、[3]についても解決しつつあるツアーバス会社もあります。

ちゃんと選べば、何も問題はないのです。

逆に、これらに少し目をつむって、格安のツアーバスを選ぶという考え方もあります。

例えば、旅の散策ツアーのバスは、横2列+1列×縦9列と座席数が少ないのに格安です。
なぜなら、[1]への配慮が多少甘くなっているからです。

他の路線は分からないのですが、東京⇔大阪間について言えば、運転手1名で運行しています。
だからでしょう、旅の散策ツアーズのバスは、サービスエリアでの休憩時間が他のバスより長いです。
運転手が休むために。

料金と快適さを取るか、安全性を取るかは人それぞれですが、運転手が休憩時間を
きちんと取ろうとする姿勢や、旅行条件書にあるトラブル時の損害賠償の支払い条件が緩やかで
乗客へのケアを重視している点を考えると、個人的には旅の散策ツアーズはアリだと思っています。

ですが、そこを譲れないのであれば、多少高くなりますが、さくら観光の
SAKURA Expressプレミアム(2×1)や海部観光のMY EXPRESSを選ぶのがいいでしょう。
また、[3]を譲れないのなら、WILLER EXPRESSかVIPライナーを選べば良いと思います。

このように、ツアーバスには様々な選択肢があります。

快適さや安全性に少し目をつむって、格安便にするか。
コストパフォーマンスとデザイン性を重視して、ミドルグレード便にするか。
可能な限り快適性を求めてハイグレード便にするか。

何に重点を置いて選ぶのかは、自分次第です。
そして、きちんと選べば、様々な選択肢があるぶん、路線高速バスよりも
満足度が高い
と思います。

でも、選び方が分からない、というのであれば、以前にも書いたように
SAKURA Express プレミアム(2×1)」をオススメします。
東京⇔大阪の夜行便です。

快適性も安全性もデザイン性もサービスの質も、全ての面でレベルが高いです。
格安便より多少お値段が張るミドルグレードですが、運転手は2人交代制で
安心です。
価格は6,000円(月→木)~8,000円(週末)が平常価格ですが、直前予約だったり、
楽天トラベル(座席指定はできません)経由なら結構割引になることもあります。

ちなみに、東京⇔大阪間の「プレミアム(2×1)」以外は乗ったことがありませんので、
ご注意ください。
SAKURA Expressにも格安便があり、そちらはおそらく「プレミアム(2×1)」とは
サービス内容等に差があると思います。

SAKURA Expressの弱点は[3]でしょうか。
バスターミナルはなく、決まった集合場所から乗り込む形になります。

後は、トイレがないことですかね。
途中でSAに3回停まるので、個人的にはあまり気にならないのですが、
ここは人それぞれの受け取り方があると思います。


いずれにせよ、ここまでサービスが充実していて新幹線の半額ですからね。
数年前には、とても予想ができませんでした。


じゃあ、バリエーション豊かなツアーバスと比べて、路線高速バスはどうなのか?
それは次回の記事で。