噂の深夜高速バス(夜行便)の『グランシア』に乗ってみました。
グランシアは、2011年7月22日から東京⇔京都・大阪間で運行を開始したばかりの最新型バスです。
VIPライナーが満を持して投入したバスと言っていいでしょう。
まだ運行開始から1か月ほどしか経っていない最新型(2011年8月現在)ということで、
個人的には乗るのをとても楽しみにしていました。
私が乗ったのは、新宿→大阪(大阪VIPスタンド)の区間でした。
日曜日の夜に乗りました。

外見は、大人っぽくてスタイリッシュです。
これは期待できそう。
グランシアの特徴はいくつかありますが、私が一番注目していたのはシート配置でした。
高速バス業界初の横4列×縦8列という特殊なシート配置。
しかも、トイレが無いので、縦のスペースをかなりゆったり取れることになります。
これのどこが特殊かと言うと、従来の横4列タイプのシートでは、「4列ゆったりシート」と
言われるものでも、縦9列か10列が普通だったんですよね。
ですが、縦8列というのはそれよりも少ない。
非常に特殊です。
縦列の座席数が少なくとなると、そのぶん、バスに乗車できる乗客数が減るので、
料金はどうしても高くなりやすいです。
一方、3列シートの場合の典型的なシート配列は、横3列×縦9列です。
座席数を比べてみると、
グランシア :横4列×縦8列=32座席
一般的な3列シート :横3列×縦9列=27座席
あまり変わらないんですよね。
そうすると、グランシアは一般的な3列シートと比べて価格競争力は低くなります。
そこまでして、なぜ縦列を減らすのでしょうか?
実際、この日(日曜日)のグランシアの料金は5,500円。
一方、一般的な3列シートの料金は6,000円~6,500円程度だと思えば間違いないでしょう。
従来、3列シートの方が4列シートよりも隣の席に人がいないぶん、快適だと言われてきました。
そして、そのぶん、料金も高かった。
ですが、縦8列にすることで足元のスペースを広く取ったり、その他の付加価値を付けて
一定以上の快適性を確保し、3列シートより少し安い値段で勝負する。
そうやって、これまで3列シートを利用していた他社ユーザをグランシアに取り込もうとしているんですよね。
それと同時に、自社の4列スタンダードや4列ゆったりシート(楽のびシート)を利用してきたユーザが、
グランシアに移行して客単価がアップすることも狙っています。
とても興味深いマーケティング戦略です。
この戦略を成功させるためには、成功させるに足る商品力がグランシアにあるかどうか?が
ポイントになります。
グランシアの車内設備を見てみましょう。

おぉ、なんだかすごいシートです。
かっこいい。
これが、グランシアのもう1つの特徴であるスライディング電動シートです。
座席がバックシェル構造になっているため、後ろの席のことを気にせず、いつでもリクライニングできます。
また、電動でリクライニングするという便利さです。
しかも、縦8列だけあって、足元も広いです。

ホント、ゆったりしています。
シート間隔は118cmだそうです。
これは、さくら観光のSAKURA Express プレミアム(2×1)のシート間隔110cmを上回っています。
110cmだって、ものすごく広いのに、まさかそれを上回るとは。

今回、私は通路側席でした。
座席に座った時の足元は、こんな感じ。↓

身長175cmの私でも、かなり余裕があります。
少し前に乗ったJRバスの青春エコドリーム号と比べると、雲泥の差ですね。
同じ4列シートなのに、ここまで差があるなんて・・・
しかも、たったの5,500円。
ほんと、高速バスの進化には驚かされます。
ただ、ここまで足元が広いのには、理由がありました。
座席シートをリクライニングさせたときのことです。
通常の座席なら背もたれが後ろに倒れますが、このシートはバックシェル構造になっているため、
シートが前にスライドしていきました。
つまり、そのぶん、足元の間隔が狭まります。
そうすると、広すぎるように思えた足元が、ちょうど良い広さになりました。
足の裏が、ぴったりフットレスト(足置き)に届くようになるんです。
なるほどね。
VIPライナーは、きっとこのバックシェル構造のシートを使いたくて、縦8列にしたんですね。
納得。
非常に上手い造りです。
身長が175cm以下の方だったら、このシートはとても良いと思います。
ですが、180cmを超えている方にとっては、シートが前にスライドするぶん、少し狭いかもしれません。
実は、私の席の通路を挟んで反対側に身長180~185cmくらいの男性が座っていたのですが、
その方は、ちょっと足元が窮屈そうにしていました。
それから電動シートですが、、、、、これは評価が分かれるような気がしますね。
電動なので、リクライニングしたり戻したり、というのは非常にやりやすいのですが、
その際にブーンという音がします。
このため、深夜にサービスエリアに停まった時、乗客たちが一斉にリクライニングを元に戻そうとして、
あちらこちらからブーンという音がします。
特に、窓際席の方は通路側席の人がリクライニングを戻さないと、通路に出られませんから。
1~2台ならともかく、何台も同時にブーンという音がすると結構うるさいんですよね。
そのせいで、目が覚めてしまう乗客が結構いたように見えました。
個人的には、電動ではなく手動の方が良かったような気がします。
また、座席周りは細かい点も、きちんと気遣いがされています。
・全席に腰ピロー(腰まくら)標準装備。
・前方遮光カーテン有り
・カーテンの布地は厚く、遮光性が非常に高い。
というだけでなく、窓際席にはハンガーまであったりします。

また、当然、VIPライナーお得意のプライバシー・カーテンもあります。
グランシアのシートは、4列シートとしては比較的シート幅が広い部類に入りますし、
さらにこのカーテンが並んだ片側2席の間にあるので、隣の席に座る人のことはあまり気になりません。
そして、グランシアのもう1つの特徴が、テレビモニター。
テレビを見たり、ゲームをしたりすることができます。

画質はキレイです。
ただ、このモニターにはいくつか問題があるように思います。
まず、根本的な問題として、夜行便で乗客にテレビを見せたり、ゲームをさせて良いのか?という点です。
いくらイヤホンを使うとは言え、消灯後にテレビ/ゲームを利用する乗客がいたら、非常に迷惑です。
私が乗車したときも、途中で目を覚ましてから眠れなくなったのか、深夜の真っ暗な中でテレビを
見始めた乗客がいました。
音は聞こえませんでしたが、テレビ画面の光がまぶしくて目が覚めてしまい、大変困りました。
何のためにカーテンで外からの光を遮断しているのか、分からなくなってしまいます。
昼行便ならテレビを見たりゲームをしたりするのは有りでしょうが、夜行便の消灯後は、
強制的にモニターを利用できないようにして欲しいです。
2つめの問題は、テレビのチャンネルが事実上2chしかなかったことです。
このテレビで準備されているチャンネル数はそもそも4つと少なく、それ自体ヘンな感じなのですが、
そのうち3つは全て同じチャンネルでした。
どのチャンネルも、とある民放のAKB48の番組ばかり。
理由は分かりませんが、ちょっとショボすぎます。
また、イヤホンを自分で持ってくるか車内で買う(100円)/レンタルするというのも、ちょっとね。
ふつうテレビ用のイヤホンを常時持っている人なんていませんし、高速バスに乗るときのために、
わざわざイヤホンを準備する人も、ほとんどいないでしょう。
(グランシアの常連客は別にして)
だからと言って、バスに乗り込んで、みんなが席について落ち着いたところで、
「イヤホンの購入かレンタルが必要な方はお申し出ください」
と言われても・・・。
静まり返っている中で
「はーい、必要でーす
」
とは手を挙げにくいです。
私が乗車した日、手を挙げたのはたった1人でした。
せっかくVIPラウンジという待合室があるのだから、グランシアの乗客を受付けた際に声をかけて、
購入かレンタルか不要かを尋ねた方がいいと思います。
購入かレンタルの場合は、その場でイヤホンを渡せば、よりスマートです。
また、インターネットで予約をする際にも、Web上で明示的に
「イヤホンを持ってきてね」的な表示をする等の工夫も必要な気がします。
テレビモニター自体はおもしろい試みです。
消灯前であれば、ぜひ使いたいですね。
このグランシアに乗ってみて思ったのは、VIPライナーの商品企画をなさっている方たちは、
乗客がリクライニングをする際、自分の後ろの席の人に
「シートを倒していいですか?」
と声掛けするシーンに、めちゃくちゃこだわっていますよね。
この声掛けは一般的なマナーではありますけど、意外とこれをしない乗客も多くて、
不快な思いをすることが多い気がします。
また逆に、人に気を遣ってしまう乗客の中には、この声掛けがしづらくて(特に4列スタンダード等の
狭いシートの場合)、リクライニングを利用できない方もいらっしゃるようです。
たぶん、VIPライナーの商品企画の誰かが、そういう辛い体験をしたことがあるのでしょう。
「気兼ねなくリクライニングできる高速バスにするぞ!」
という強い意志を感じます。
それが、グランシアのシートのバックシェル構造であったり、その他のバスの車内放送で
「さぁ、みんなで一斉に座席シートを倒しましょう」
という感じのメッセージを流すことにつながっているんじゃないでしょうか。
さて、この意欲的でチャレンジングな最新型バスに再乗するかどうか、を考えてみます。
料金は、おおよそ以下のようになっています(2011年8月現在)。
月曜日~木曜日 :4,700円前後
土曜日・日曜日 :5,500円前後
金曜日や繁忙期 :6,600円前後
なかなか上手い料金設定です。
月曜日~木曜日の場合、4列スタンダードが約4,000円、3列シートが約5,500~6,000円が相場ですからね。
コストパフォーマンスを考えたら、月曜日~木曜日なら乗りたいです。
ただ、土日や金曜/繁忙期は、ちょっと割高感がありますね。
それだったら、500円~1,000円追加して、さくら観光の『SAKURA Express プレミアム(2×1)』に
乗った方がいいような気がします。
グランシアの4列シートは確かに足元は広くて良いのですが、やっぱり4列シートなので、
3列シートと比べるとシート幅が狭いんですよね。
特に、2列+1列タイプの『SAKURA Express プレミアム(2×1)』と比べると、
横のゆったり感に大きな差があります。
ですから、どうせ6,600円出すのなら、もう少し出して、さらに快適性の高いバスに乗りたい、
というのが素直な感想です。
携帯電話用のコンセントもあるしね。
ただ、旅の散策ツアーズの2列+1列シート型バスの2列側席に座るのなら、結構いい勝負じゃないでしょうか?
旅の散策ツアーズのシートは、シート幅がグランシアより広いものの、レッグレストや
シート自体の完成度、腰ピローやプライバシーカーテンがある点等、細部の煮詰め方では
グランシアの方が優れていると思います。
また、安全性でも差があります。
グランシアは乗務員2名制ですが、旅の散策ツアーズの東京⇔大阪間は乗務員が1名です。
確かに、旅の散策のバスは、SAで休憩を長めに取るなどして安全運転に配慮していますが、
やっぱり2名制の方が安心です。
そう考えると、グランシアはかなり良い線いっていると思います。
VIPラウンジ/スタンドにあるパウダールームやフィッティングルームも無料で使えるので、
女性にはうれしいでしょうし。
そう言えば、私の場合は、朝7時過ぎに大阪VIPスタンドで降りたのですが、
男性用フィッティングルームには2名の先客がいました。
ひげを剃ったり、スーツに着替えたりしてました。
やっぱり、出張する人には、こういうラウンジやスタンドって大事ですよね。
■追記
VIPライナーは、この2011年秋に自社最高級バスの「ロイヤルブルー」を超える「グランシアファースト」という
新しいバスを投入しようと準備しているようです。
横3列(2列+1列)×縦7列、トイレ無し。
どれだけ広いんだ!
ものすごくチャレンジングです。
明らかに、JRバスのプレミアムシート(1F)やWILLER EXPRESSのビジネスクラスComfortを意識しています。
やるなぁ、VIPライナー。
ほんと、いまの高速バスっておもしろいです。
グランシアは、2011年7月22日から東京⇔京都・大阪間で運行を開始したばかりの最新型バスです。
VIPライナーが満を持して投入したバスと言っていいでしょう。
まだ運行開始から1か月ほどしか経っていない最新型(2011年8月現在)ということで、
個人的には乗るのをとても楽しみにしていました。
私が乗ったのは、新宿→大阪(大阪VIPスタンド)の区間でした。
日曜日の夜に乗りました。

外見は、大人っぽくてスタイリッシュです。
これは期待できそう。
グランシアの特徴はいくつかありますが、私が一番注目していたのはシート配置でした。
高速バス業界初の横4列×縦8列という特殊なシート配置。
しかも、トイレが無いので、縦のスペースをかなりゆったり取れることになります。
これのどこが特殊かと言うと、従来の横4列タイプのシートでは、「4列ゆったりシート」と
言われるものでも、縦9列か10列が普通だったんですよね。
ですが、縦8列というのはそれよりも少ない。
非常に特殊です。
縦列の座席数が少なくとなると、そのぶん、バスに乗車できる乗客数が減るので、
料金はどうしても高くなりやすいです。
一方、3列シートの場合の典型的なシート配列は、横3列×縦9列です。
座席数を比べてみると、
グランシア :横4列×縦8列=32座席
一般的な3列シート :横3列×縦9列=27座席
あまり変わらないんですよね。
そうすると、グランシアは一般的な3列シートと比べて価格競争力は低くなります。
そこまでして、なぜ縦列を減らすのでしょうか?
実際、この日(日曜日)のグランシアの料金は5,500円。
一方、一般的な3列シートの料金は6,000円~6,500円程度だと思えば間違いないでしょう。
従来、3列シートの方が4列シートよりも隣の席に人がいないぶん、快適だと言われてきました。
そして、そのぶん、料金も高かった。
ですが、縦8列にすることで足元のスペースを広く取ったり、その他の付加価値を付けて
一定以上の快適性を確保し、3列シートより少し安い値段で勝負する。
そうやって、これまで3列シートを利用していた他社ユーザをグランシアに取り込もうとしているんですよね。
それと同時に、自社の4列スタンダードや4列ゆったりシート(楽のびシート)を利用してきたユーザが、
グランシアに移行して客単価がアップすることも狙っています。
とても興味深いマーケティング戦略です。
この戦略を成功させるためには、成功させるに足る商品力がグランシアにあるかどうか?が
ポイントになります。
グランシアの車内設備を見てみましょう。

おぉ、なんだかすごいシートです。
かっこいい。
これが、グランシアのもう1つの特徴であるスライディング電動シートです。
座席がバックシェル構造になっているため、後ろの席のことを気にせず、いつでもリクライニングできます。
また、電動でリクライニングするという便利さです。
しかも、縦8列だけあって、足元も広いです。

ホント、ゆったりしています。
シート間隔は118cmだそうです。
これは、さくら観光のSAKURA Express プレミアム(2×1)のシート間隔110cmを上回っています。
110cmだって、ものすごく広いのに、まさかそれを上回るとは。

今回、私は通路側席でした。
座席に座った時の足元は、こんな感じ。↓

身長175cmの私でも、かなり余裕があります。
少し前に乗ったJRバスの青春エコドリーム号と比べると、雲泥の差ですね。
同じ4列シートなのに、ここまで差があるなんて・・・

しかも、たったの5,500円。
ほんと、高速バスの進化には驚かされます。
ただ、ここまで足元が広いのには、理由がありました。
座席シートをリクライニングさせたときのことです。
通常の座席なら背もたれが後ろに倒れますが、このシートはバックシェル構造になっているため、
シートが前にスライドしていきました。
つまり、そのぶん、足元の間隔が狭まります。
そうすると、広すぎるように思えた足元が、ちょうど良い広さになりました。
足の裏が、ぴったりフットレスト(足置き)に届くようになるんです。
なるほどね。
VIPライナーは、きっとこのバックシェル構造のシートを使いたくて、縦8列にしたんですね。
納得。
非常に上手い造りです。
身長が175cm以下の方だったら、このシートはとても良いと思います。
ですが、180cmを超えている方にとっては、シートが前にスライドするぶん、少し狭いかもしれません。
実は、私の席の通路を挟んで反対側に身長180~185cmくらいの男性が座っていたのですが、
その方は、ちょっと足元が窮屈そうにしていました。
それから電動シートですが、、、、、これは評価が分かれるような気がしますね。
電動なので、リクライニングしたり戻したり、というのは非常にやりやすいのですが、
その際にブーンという音がします。
このため、深夜にサービスエリアに停まった時、乗客たちが一斉にリクライニングを元に戻そうとして、
あちらこちらからブーンという音がします。
特に、窓際席の方は通路側席の人がリクライニングを戻さないと、通路に出られませんから。
1~2台ならともかく、何台も同時にブーンという音がすると結構うるさいんですよね。
そのせいで、目が覚めてしまう乗客が結構いたように見えました。
個人的には、電動ではなく手動の方が良かったような気がします。
また、座席周りは細かい点も、きちんと気遣いがされています。
・全席に腰ピロー(腰まくら)標準装備。
・前方遮光カーテン有り
・カーテンの布地は厚く、遮光性が非常に高い。
というだけでなく、窓際席にはハンガーまであったりします。

また、当然、VIPライナーお得意のプライバシー・カーテンもあります。
グランシアのシートは、4列シートとしては比較的シート幅が広い部類に入りますし、
さらにこのカーテンが並んだ片側2席の間にあるので、隣の席に座る人のことはあまり気になりません。
そして、グランシアのもう1つの特徴が、テレビモニター。
テレビを見たり、ゲームをしたりすることができます。

画質はキレイです。
ただ、このモニターにはいくつか問題があるように思います。
まず、根本的な問題として、夜行便で乗客にテレビを見せたり、ゲームをさせて良いのか?という点です。
いくらイヤホンを使うとは言え、消灯後にテレビ/ゲームを利用する乗客がいたら、非常に迷惑です。
私が乗車したときも、途中で目を覚ましてから眠れなくなったのか、深夜の真っ暗な中でテレビを
見始めた乗客がいました。
音は聞こえませんでしたが、テレビ画面の光がまぶしくて目が覚めてしまい、大変困りました。
何のためにカーテンで外からの光を遮断しているのか、分からなくなってしまいます。
昼行便ならテレビを見たりゲームをしたりするのは有りでしょうが、夜行便の消灯後は、
強制的にモニターを利用できないようにして欲しいです。
2つめの問題は、テレビのチャンネルが事実上2chしかなかったことです。
このテレビで準備されているチャンネル数はそもそも4つと少なく、それ自体ヘンな感じなのですが、
そのうち3つは全て同じチャンネルでした。
どのチャンネルも、とある民放のAKB48の番組ばかり。
理由は分かりませんが、ちょっとショボすぎます。
また、イヤホンを自分で持ってくるか車内で買う(100円)/レンタルするというのも、ちょっとね。
ふつうテレビ用のイヤホンを常時持っている人なんていませんし、高速バスに乗るときのために、
わざわざイヤホンを準備する人も、ほとんどいないでしょう。
(グランシアの常連客は別にして)
だからと言って、バスに乗り込んで、みんなが席について落ち着いたところで、
「イヤホンの購入かレンタルが必要な方はお申し出ください」
と言われても・・・。
静まり返っている中で
「はーい、必要でーす

とは手を挙げにくいです。
私が乗車した日、手を挙げたのはたった1人でした。
せっかくVIPラウンジという待合室があるのだから、グランシアの乗客を受付けた際に声をかけて、
購入かレンタルか不要かを尋ねた方がいいと思います。
購入かレンタルの場合は、その場でイヤホンを渡せば、よりスマートです。
また、インターネットで予約をする際にも、Web上で明示的に
「イヤホンを持ってきてね」的な表示をする等の工夫も必要な気がします。
テレビモニター自体はおもしろい試みです。
消灯前であれば、ぜひ使いたいですね。
このグランシアに乗ってみて思ったのは、VIPライナーの商品企画をなさっている方たちは、
乗客がリクライニングをする際、自分の後ろの席の人に
「シートを倒していいですか?」
と声掛けするシーンに、めちゃくちゃこだわっていますよね。
この声掛けは一般的なマナーではありますけど、意外とこれをしない乗客も多くて、
不快な思いをすることが多い気がします。
また逆に、人に気を遣ってしまう乗客の中には、この声掛けがしづらくて(特に4列スタンダード等の
狭いシートの場合)、リクライニングを利用できない方もいらっしゃるようです。
たぶん、VIPライナーの商品企画の誰かが、そういう辛い体験をしたことがあるのでしょう。
「気兼ねなくリクライニングできる高速バスにするぞ!」
という強い意志を感じます。
それが、グランシアのシートのバックシェル構造であったり、その他のバスの車内放送で
「さぁ、みんなで一斉に座席シートを倒しましょう」
という感じのメッセージを流すことにつながっているんじゃないでしょうか。
さて、この意欲的でチャレンジングな最新型バスに再乗するかどうか、を考えてみます。
料金は、おおよそ以下のようになっています(2011年8月現在)。
月曜日~木曜日 :4,700円前後
土曜日・日曜日 :5,500円前後
金曜日や繁忙期 :6,600円前後
なかなか上手い料金設定です。
月曜日~木曜日の場合、4列スタンダードが約4,000円、3列シートが約5,500~6,000円が相場ですからね。
コストパフォーマンスを考えたら、月曜日~木曜日なら乗りたいです。
ただ、土日や金曜/繁忙期は、ちょっと割高感がありますね。
それだったら、500円~1,000円追加して、さくら観光の『SAKURA Express プレミアム(2×1)』に
乗った方がいいような気がします。
グランシアの4列シートは確かに足元は広くて良いのですが、やっぱり4列シートなので、
3列シートと比べるとシート幅が狭いんですよね。
特に、2列+1列タイプの『SAKURA Express プレミアム(2×1)』と比べると、
横のゆったり感に大きな差があります。
ですから、どうせ6,600円出すのなら、もう少し出して、さらに快適性の高いバスに乗りたい、
というのが素直な感想です。
携帯電話用のコンセントもあるしね。
ただ、旅の散策ツアーズの2列+1列シート型バスの2列側席に座るのなら、結構いい勝負じゃないでしょうか?
旅の散策ツアーズのシートは、シート幅がグランシアより広いものの、レッグレストや
シート自体の完成度、腰ピローやプライバシーカーテンがある点等、細部の煮詰め方では
グランシアの方が優れていると思います。
また、安全性でも差があります。
グランシアは乗務員2名制ですが、旅の散策ツアーズの東京⇔大阪間は乗務員が1名です。
確かに、旅の散策のバスは、SAで休憩を長めに取るなどして安全運転に配慮していますが、
やっぱり2名制の方が安心です。
そう考えると、グランシアはかなり良い線いっていると思います。
VIPラウンジ/スタンドにあるパウダールームやフィッティングルームも無料で使えるので、
女性にはうれしいでしょうし。
そう言えば、私の場合は、朝7時過ぎに大阪VIPスタンドで降りたのですが、
男性用フィッティングルームには2名の先客がいました。
ひげを剃ったり、スーツに着替えたりしてました。
やっぱり、出張する人には、こういうラウンジやスタンドって大事ですよね。
■追記
VIPライナーは、この2011年秋に自社最高級バスの「ロイヤルブルー」を超える「グランシアファースト」という
新しいバスを投入しようと準備しているようです。
横3列(2列+1列)×縦7列、トイレ無し。
どれだけ広いんだ!
ものすごくチャレンジングです。
明らかに、JRバスのプレミアムシート(1F)やWILLER EXPRESSのビジネスクラスComfortを意識しています。
やるなぁ、VIPライナー。
ほんと、いまの高速バスっておもしろいです。
(今までは鉄道ばかりでした)
シートの様子が写真と共に紹介されていてとても助かりました。
乗り心地も良さそうですね。
これで安心して予約ができます!
旅慣れていない私のような人は、こういうサイトで決断の手助けをしてもらっています。
これからもお手伝い&助言?をお願いします。
ありがとうございました。