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ツアーバスと路線高速バスの本当の違い (4)考えなくていい路線高速バス

2011-06-25 11:04:31 | 日記
さて、路線高速バス編です。

路線高速バスの良いところと言えば、ほとんど何も考えなくてもいい、という点じゃないでしょうか。

ほとんどの夜行便はトイレ付きの3列シートで(4列シートもありますが、東京⇔大阪間が中心です)、
運転手も2名交代。
バスターミナル/待合室も、地方都市だろうと一応は大抵あって(古いところも多いけど)、
発車時刻も毎日決まった定期運行です。

また、きっぷ(チケット)はインターネットでも買えるけど、どちらかと言うと
誰でも買えるように窓口に軸足を置いた販売方法になっています。

路線が多く、様々な行き先の便があるけれど、行き先が同じであればバリエーションは
多くないので、そもそも選ばなくていいです。

また、キャンセル料は、乗車当日であっても数百円以内に収まります。

つまり、JRや私鉄系が提供しているだけあって、電車もしくは路線バスの
延長線上に路線高速バスはあるので、誰でもサービスをイメージしやすく、
そこから逸脱していることは少ないです。
JRだろうと、京王だろうと、近鉄だろうと、サービス内容は一定以上のレベルにあり、
どこでもあまり変わりません。
それが、安心感につながっているのだと思います。
また、JRや西武、阪急等といったブランド名に信頼を寄せている方も、かなり多いでしょう。

その結果、行き先さえ決まっていれば、ほとんど何も考えずに乗る便を決めることができます。
とてもラクです。

ここまでだと、路線高速バスの方がツアーバスよりも断然良さそうに見えますよね。
ですが、そうとは言い切れません。

同じ料金なら、たいてい路線高速バスよりもツアーバスの方が快適な上、サービスが充実している
からです。

東京⇔大阪間の平日(月~木)の料金で考えるなら、3,500~7,000円の価格帯の高速バスは、
まず間違いなくそうだと言っていいでしょう。

平日(月~木)8,000円以上のハイグレード便になると、路線高速バスとツアーバスの差は縮まって
いきますが、それでも、どちらかと言うとツアーバスの方が快適。

同じ価格帯で快適さやサービス充実度で甲乙つけがたいのは、平日(月~木)10,000円前後
の最高級グレードのみだと思います。
(JRバスのプレミアムドリーム号の『プレミアムシート1階席』
 ⇔WILLER EXPRESSの『ビジネスクラスComfort』)

つまり、同じ料金を支払ってツアーバスより路線高速バスを使うのであれば、
何も考えなくていい、という安心感と引き換えになるのは
快適さとサービスの充実度
ということになります。

東京⇔大阪間で考えた場合、例えば、JRバスのプレミアムドリーム号の『スーパーシート2階席』は、
通常8,800円です。
このシートは、JRバスの全シートの中で、プレミアムシート1階席の次に高級なシートだと
思います。
ですが、このスーパーシートが快適かと言われると、それほど快適だとは言えません。

2010年から新しいスーパーシートが投入され、シート自体の質感はアップしましたし、
2列+1列を採用することで座席幅も約52cmとかなり広くなりました。

しかし、一方、2階席の縦列を9列→11列に増やしたため、足元は狭くなってしまいました。
痛恨です。
乗ってみれば分かりますが、それなりに足元が苦しく、眠りにくいです。
また、縦が11列もあるため、ゆりかご式を採用しているとは言えリクライニング角度が
135度しかありません。

さらに、一般的な2階建てバスと同じように天井が低く、圧迫感もあります。

同じ8,800円を払うのであれば、WILLER EXPRESSの『ビジネスクラス(2列+1列の2列側席)』の方が、
確実に快適です。

後ろにトイレがあるとは言え、縦列はたった6列
このため、シート間隔は130cmと非常に広いです。
先日、足元が広いと書いた『SAKURA Express プレミアム(2×1)』でさえ110cmですから。

シート幅も、2cmほどJRのスーパーシートに譲りますが、それでも約50cm(肘掛けを入れると64cm)。
十分な広さです。

また、シートタイプはJRのスーパーシートと同じゆりかご式です。
そして、リクライニング角度は142度。
スーパーシートよりも角度が深いです。
たった7度しか違わないように思えますが、深夜高速バスのシートでは、リクライニングの角度が
140度を超えるかどうかが、快適さに大きく関わるポイントです。
この点でも、WILLERのビジネスクラスの方が上です。

それどころか、JRバスのスーパーシートより『SAKURA Express プレミアム(2×1)』の1列席の方が
快適なんじゃないかと感じます。
SAKURA Express プレミアムは、2列+1列の2列側か1列側かを座席指定ができます。
プライバシーカーテンがあって、個室っぽい雰囲気を堪能できる1列席は、座席指定料を含めても
平日(月~木)で6,500円。
快適な上に、JRのスーパーシートより2,300円も安いのです。

JRバスだって早割を使えば安くなるよ、とおっしゃる方もいらっしゃるでしょうが、
それはツアーバスも同じです。
早く予約すれば、1,000円以上安くなることもよくあります。
早割は、路線高速バスの専売特許ではないのです。


また、路線高速バスは、トラブルが少ないし、万一トラブルがあった場合の対応がいい、
というイメージがあるようですが、本当でしょうか?

私は、JRバスでトラブルにあったことがありますし、そのときのJRバスの対応は誉められたものではなかったです。
まるで公務員か役人のように、その場しのぎで責任を回避しようとしました。
さすが、元国鉄。
そんな経験は、ツアーバスではありません。

もちろんツアーバス業者は千差万別ですから、ヘンな業者を選んでしまうと
やっかいなことになりかねない、というのは、きっとそうだと思います。
海外旅行の際、ヘンな旅行代理店を選んでしまった場合と同じように。

ですから、ツアーバスに乗るときに、安さにばかり注目して業者を選ぶのは賛成しません。

ただ、路線高速バスならトラブルが少ない、ツアーバスは多い、ということは
一概には言えないと思います。


それでは、路線高速バスは、どういうときに使えば良いのでしょうか?
私は、以下の4つの条件が揃ったときは、ツアーバスより路線高速バスを使う方がいいと思います。
(夜行便の場合。昼行便は除きます。)

(1)寝心地や快適さを犠牲にしてでも、バスにトイレが付いていることを優先したい。
(2)WILLER EXPRESSやVIPライナーは苦手で、でもバスターミナル/待合室があった方がいい。
(3)乗車日が金曜日。
(4)乗車日の数週間前に予約できる。

上記の4つのうちのどれかが当てはまらないなら、ツアーバスの旅行会社の中から選ぶ方がオススメですが、
この条件が揃うなら(結構、揃うケースもあると思います)、路線高速バスがいいでしょう。

ちょっと補足します。

(3)と(4)は料金の話です。
ツアーバスの料金は、曜日によって変動が激しく、1週間の中で金曜日はかなり高いことが多いです。
一方、路線高速バスの料金も曜日によって変動がありますが、ツアーバスほどではありません。
つまり、路線高速バスとツアーバスの価格差が一番縮まるのが金曜日ということになります。
また、路線高速バスでは、早割は乗車日に関係なく適用されることが多いです。
ですから、金曜日に早割を使えば、同等のシートグレードでも、ツアーバスよりも安くなるケースがあります。

逆に、トイレ付であっても乗車日が金曜日以外なら、ツアーバスの方がいいです。

ですから、往復で高速バスを使う場合は、行きはツアーバスで帰りは路線高速バス、といった形で
組み合わせて利用するのも良いかもしれません。


以上、4回に渡ってツアーバスと路線高速バスの違いを書いてきましたが、
やはり会社や便によって特徴がかなり異なる、というのが実態です。

こんな記事を書いておいて言うのも何ですが、ツアーバスvs路線高速バスという比較ではなく、
WILLER EXPRESS vs JRバスvs さくら観光 vs 京王バス vs VIPライナー、のような比較の仕方を
するのが、一番良いような気がします。


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2 コメント

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価格が安いということは… (てる)
2012-05-04 15:52:37
確かに安いです。
じゃあその差は?
JRの方が高いのは運転手に正規社員雇用と安全教育など運行に付随することにもお金をかけているからですよ。国が安全のために考え決めた運送法の適用がないわけですから。
何もないのに安いってのは何かあると考えるべきです。

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価格が安いということは… (てる)
2012-05-04 15:52:41
確かに安いです。
じゃあその差は?
JRの方が高いのは運転手に正規社員雇用と安全教育など運行に付随することにもお金をかけているからですよ。国が安全のために考え決めた運送法の適用がないわけですから。
何もないのに安いってのは何かあると考えるべきです。

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