ちょっと乱暴な意見かもしれませんが、ゴルフは「一瞬開いた日本の傷口から、瞬く間に入り込んで」市民権を得てしまったクルマだと思います。2000年頃、Cセグハッチバックは日本では明らかにニッチ市場でした。トヨタのクルマづくりは、ミニバンとコンパクトの中間の位置付けで、その文脈でのデザイン・エンジン・足回りの設定でしかなかった。ゴルフよりカローラのほうがたくさん売れていたこともあり、積極的に動くタイミングを失ったまま、次の10年で勝負が決まってしまった。
さらに皮肉なのは、カローラランクス/アレックスで創りつつあった日本版「ホットハッチ」市場でゴルフが「ごっつあんゴール」を決めた形になっていることだ。初代オーリスになったとき、190馬力の「Zエアロ」がなくなってしまい、代わりのブレイドがミニバン用の2.4Lの中国製エンジン搭載で170馬力もしくは3.5LのNAで280馬力の乗り出しで400万円近いモデルで、相当なへそ曲がりしか買わない「珍車」が登場してしまった。珍車とはいっても価格と性能を比べればゴルフより優れているのだが、輸入車に対して「同スペックで低価格」じゃなく「同価格で高スペック」で対抗してしまったのが誤算。「トヨタの小型車にしか見えない」クルマと「VWのマークが付いて、Cセグハッチの伝統で熟成されたデザインを持つ」輸入車ならどっちが売れるか明らかだ。もしZエアロをゴルフのベースグレードより明らかに安い200万円で売り続けていたら、日本のCセグの状況は変わっていたのではないか。
それでもトヨタは同じ10年でプリウスをメガヒットさせているので、全然気にしてないんだろ~な、というのがもどかしいですね。マツダやスバルもCセグハッチではそこそこ結果を出していますが、トヨタやVWとは規模が違うのでなんとも・・・。ゴルフが広めたトーションビームを使い続けたトヨタと先にサスを変えてきたゴルフ、ブレイドはダブルウィッシュボーンでオーリスはトーションビームのまま2グレード化。ヨーロッパのオーリスはダブルウィッシュボーンってのが日本のファン離れを加速させる「背信行為」かもしれません。そして2012年になってオーリスFMCで「走りを徹底的に強化!(=2004年からのゴルフこそが正しい)」と宣言してしまったところにも「緊張感」を感じません。これでは、ゴルフやジュリエッタを上回るブランドイメージは難しいかな?
それでも、日本にはアクセラとインプレッサとギャランフォルティスがある!はずなんですが、なんでゴルフがいいのかな?VWのデザインの作り込みはどこか荒い感じがして自分は所有欲が湧かないです。ジュリエッタは質感の高さがなんとなくわかりますが、かっこいいかどうかは別の問題ですね。日本車にはフラッグシップと同等の作り込みをmade in Japanでお願いしたいです。メキシコ車や南アフリカ車よりやっぱり日本車に乗りたいですよね?
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