あっぱれ日本車 / されど日本車

世界に誇る日本のクルマの素晴らしさを感じて欲しーな

日本車の文化ってそもそも何? その10

2012-12-05 | クルマ
日本人の国際化が国産メーカーを悩ませる!?

「学生が気軽にヨーロッパ旅行に行く時代になってクルマが売れない」とか言われていますが、その言葉の本当の意味は別の所にあるのかなと思っています。旅行でお金がないからクルマを買わない人ももちろんいますが、それとは別にヨーロッパのクルマに対する考え方を吸収して帰ってくると、「日本のセダン」なんてとても「前近代的」で見向きもしなくなるのでは?日本で見かけるベンツAクラス・BクラスやBMW1シリーズに乗る人はおそらくヨーロッパ旅行が趣味で、彼らの信条では「日本のセダンなんて非文明国の乗り物だ」なんじゃないでしょうか。イギリスではBMWは一般的に1かZ4が多いとか。3はカーマニア向けで、5以上はそれなりの階級の人の乗り物で、東洋人が乗ってると嘲笑される?らしい。5シリーズに匹敵するクラスは特別なものだから、このクラスの日本車がヨーロッパで評価されるのはちょっと難しそうですね。そんなイギリス市場にドンピシャに受け入れられてる日本車がホンダのシビックだそうです。日本のシビック乗りはヨーロピアンな感性が豊かな人が多いのでは。簡単にいうとヨーロッパではハッチバックが主流で各社ともに充実の装備のモデルが売れ筋みたいです。プジョー208やフォードフォーカスなどもよく見るようになってきたが、これらもヨーロッパで評価されているクルマ。VWのゴルフ乗りも含めこういったクルマを選ぶ人は「これくらいしか乗れるクルマがない!(ほかのはポリシーが許さないから・・・)」って思い詰めて乗っているかもしれません。つまり日本人がヨーロッパへ行けば行くほど、クラウンやカローラ、プリウスまで売れなくなる仕組みになってる!?格安航空はマイカー利用には影響しないと思われていますが、実はトヨタにとっては天敵なのかもしれません。

「Europeanize」されたユーザーマインドに国産車の方向性まで変えられてしまってるのか?と思われるクルマも目立つようになりました。なんか無意識のうちにそれらを評価してしまっていることもあるので、よく考えなきゃいけないと思います。またヨーロッパ志向と日本志向でクルマに対する考え方は違うのだという前提なしには「評価できない」というのはなんとなくわかります。しかしそこで日本における「ハッチバックへの低評価」とヨーロッパにおける「大排気量セダンの蔑視」というまったく混じり合わない自動車観をつなげて議論しても無意味ですね。結局日本車とドイツ車の立ち位置はジャズとクラシック音楽くらい違うものだと思います。どちらかの熱心な支持者はもう一方を「ダサい」と感じてしまうことが多い。中には「ベートーベンはジャズだ!」みたいなものもあるかもしれませんが・・・。ファンの方には失礼ですがヨーロッパを10年前の日産ローレルで走るのも、日本を10年前のルノーメガーヌで走るのも、どちらも殺風景だと思います。しかし現行のゴルフ6やBMW3は日本の街並に溶け込んでませんか?果たしてアクアやフーガHVはヨーロッパに同じように溶け込めているでしょうか?ドイツ車のほうが広く受け入れられているのかなという印象です。しかしアクアやフーガHVもまた世界的な水準で見ても技術的には最高峰に位置するクルマです。デザインだって素晴らしいですよ。ゴルフ7はアクアの低い車高のスタイルを完全にパクリましたからね。フーガも国内外のフルサイズセダンを一歩出し抜く質感に加え、トヨタの同サイズHVを上回る燃費性能です。ゴルフ7は、「クラシック音楽」の技術的に優れた部分をさりげなくパクって世紀の傑作といわれたMiles Davisの「kind of blue」といったとこでしょうか。マイルスより技術的に優れたクラシックの音楽家はたくさんいるのですが、マイルスの存在感を超えることは容易ではないように、日本車は日本車のファンにしかわからない魅力があるけど、全体的な印象がドイツ車よりも弱いのかな。

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