嵐の月曜日

They call it "Stomy Monday"...but Tuesday's just as...

ポンペイの輝き

2006-05-27 02:50:01 | 展覧会/イベント

久々に有休が取れたので、渋谷のbunkamura musiamで開かれている、『ポンペイの輝き ~古代ローマ都市最後の日~』の展示を観てきました。
どうも平日に休めると展覧会に行きたくなります(混んでないから)。

説明するまでもないですが、ポンペイ西暦79年8月24日のヴェスビオ山噴火で街ごと高熱のガスと火山灰に襲われて滅びたローマ帝国の商業都市です。
一瞬にして街区が埋まってしまったために、貴重な遺跡がそのまま遺されて当時の生活の様子を知ることができるわけです。
なくなられた方には悲劇ですが、人類にとっては遺産となりました。

火山灰が堆積したため、埋もれた犠牲者の型取りということもできて、今際の姿が再現されていました。
2000年前から苦悶の格好をし続けていたような感じで少々心苦しいですが。
さすがに火山で埋まってしまったらお金持ちでもどーしようもないですね。
諸行無常です。

様々な調度品や彫像、壁画などが展示のメイン。
どれも保存状態がとてもよく、2000年前のものとは思えません。
アクセサリなど装飾の見事さもさることながら、そこから想起される生活の豊かさには圧倒されます。
以前、実際にポンペイに行ったことがあるのですが、ローマ帝国時代の都市生活文化には驚嘆すべきものがありますね。

当時のローマ帝国中央部には、ヨーロッパ、アジア、アフリカの各地から海路・陸路で産物が集められ、交易所や両替所、行政府が各都市にあり、様々な人種・民族の商人や兵士が行き交っていました。
街には闘技場、大浴場、演劇場があり、通りにはカフェ、酒場、食事処、様々な商店が立ち並び、生活を支えるインフラとして上下水道はもちろん、噴水、水飲み場が整備され、躍動感ある石造、壁画、細密画が街に溢れていました。
そんな街を、人々はこぞって流行のアクセサリを身に付けて闊歩していたわけです。

一面では現代と遜色ない程の生活が営まれていたといっていいでしょう。
発展段階説など非常にナンセンスに思えます。
無論、科学技術などは現代と比べようもないですが、科学に支えられている現代社会が、人類全てに真の豊かさを行き届かせているかといえばそんなこともないわけで…。

ローマ帝国がタダでそんな繁栄を手にした訳ではもちろんなく、周辺諸国を侵略し、服属させた辺境が中心を支えていました。
又、そうした豊かさが現代と同じような社会腐敗を産み出し、やがては帝国は内部崩壊を起こして滅びます。
しかし、同時代の日本がまだまだ歴史の曙の霧中にあったことを思えば、やはりこれはすごいことです。
歴史にifはありませんが、もしもローマ帝国期に蒸気電気による内燃機関が発明されていたならば、おそらく人類の歴史は全く違ったものになっていたことでしょう。

遺物を眺めながら、かつての都市の情景を夢想するのは本当に楽しい時間でした。
遥か昔にも同じように人々の生活の営みがあり、祈りがあったと想うと、それはとても素敵だなぁと想うのです。

古いもの好き…みたいでいささか年寄りっぽいですが。
まあ、2000年の歴史を前にすればおじいちゃんも赤ん坊も全然大差ないですからね。



最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (梅千代)
2006-05-27 21:58:28
この展覧会面白そうだね。

俺も歴史好きだから遺物を眺めながら、

かつての都市の情景を夢想するは楽しい。

返信する
Unknown (acco)
2006-05-28 16:03:53
サイト見てみました。

人がね、骨でね、重なり合った感じででね…びっくりしたわぁw

あれも2000年前のなの?凄いね~

一瞬に埋まってしまったからまんまなのね。



歴史ってドッキっとさせられちゃうわ。
返信する
Unknown ()
2006-05-28 16:23:21
>梅千代

でしょ!?

見てて飽きないです。

ロマンですね。



>ACCO

あの人骨群は、避難しようとして乗り込んだ船の船室でガスに襲われ、窒息してしまった人々だそうです。

苦しそう…。
返信する
Unknown ()
2006-05-28 23:24:07
ポンペイ大好き~。4年ほど前にポンペイを訪れてガツンとハートを持っていかれました。

ポンペイの地図やら「ポンペイ最後の日」(小説)などを常備しております。





すでに彼の地には売春婦もいたとか。



ヒトの知にただただ感嘆するのみでした。

返信する
いきたいな。 ()
2006-06-01 01:17:23
姐さんお久しぶりです!

ポンペイ、いいですよね。

私もまた行ってみたいと秘かに思っちょります。



確かに、娼館の遺構もありました。

なかなか趣き深い建物でした。

「売春婦」というのは最も古い職業のひとつという話もありますね。

真実かどうかわかりませんが…
返信する