CAFE PACIS

ユルゲンが「カフェで政治が行なわれているんだ」って言う。じゃあ、カフェで平和やるか。

「『大量破壊兵器』は口実で、目的ははなからフセインの打倒」 何をいまさら?か。

2005-05-26 22:41:29 | ニュース@海外
 もう一ヶ月も前の5月1日、ロンドンのサンデー・タイムズ紙は、「ブレアははじめからイラク戦争を計画していた」と報道。この記事は、ブレア首相はじめごくごく一部の人間が、2002年7月23日にもった極秘の会議の議事録に基づく、すっぱぬき。
記事

 同紙によると、議事録の趣旨は――①ブレアは、2002年4月テキサスでブッシュに会った時点ですでに、米の「イラク政権交代」計画を支持する約束をしていた。②この時点ですでにブレアたちは、戦争は「避けられないとみていた」、③この時点で、英法務長官はすでに戦争の合法性に深刻な疑問を警告していた――というもの。

 さて、この趣旨を聞くかぎりでは、別に真新しいところはない感じもしてしまうほど、この戦争の真の目的は周知の事となっている観もある今日この頃ですが、この議事録のすごいところは、2002年に米英首脳が実際に交わした言葉そのものに基づくものであって、英閣僚自身の言葉で、アメリカはすでにイラクに戦争をすると決めていたと報告しており、「この政策にそって諜報と事実が作り上げられていた」と記している、ところ。そんなことを書いた議事録が明るみにでたのは初めて。なのに、なんかマスコミはあんまり書いていない。

 なぜか、日を追うごとに、戦争のそもそもの口実をあばくこと、「ウソにまみれた戦争」を追及することを、「何をいまさら」とか、「古い話題」と受け取っていないか。

 イギリスはさておいて(議事録記事によれば、サダムを追い詰めてあとから口実つくれ(ストロー外相)とか生生しいし、ブレアはいまだ白を切りまくっているが)、当のアメリカ、つっこみがあまりにも弱い。

 たとえば連邦議会。たしかに下院では、ジョン・コンヤーズ議員プラス88人が、ブッシュ大統領にこのイギリス閣議議事録について質問状を出している。質問事項は4つで、「この議事録は正確か?」「戦争を正当化するため、国連査察団がフセインに最終通告をだすような状況を作ったか?」「いつブレアとイラク侵略で合意したか?」など。
質問状

 民主党が、(04大統領選のとき)方針として、もうこの点には突っ込まないことに決めたことを見れば、奮闘しているとは思いますが、あのブッシュ政権がこの手の質問にまじめに答えるとは、議員自身も思ってはいないしょう。議会レベルの調査委員会を設置し、民主党がロンドンに議員調査団を派遣するぐらいでないと、らちは明かない。

 それからマスコミ。この議事録を米主流マスコミが取り上げたのは、サンデー・タイムズ記事からなんと17日後、シカゴ・トリビューンが最初。ニューヨーク・タイムズがやっと書いたのが5月20日で、それも肝心なところ、イラクをめぐる諜報が不正に操作された、という点は飛ばしている。
Fairness & Accuracy In Reporting

 同じことは、日本の国会とマスコミにもいえる。コンヤーズ議員は上記の質問状で、「3.(戦争に協力する)同盟国のリクルートを含め、戦争を開始する議会承認を得る前に、どのような申し合わせがなされたか? 大統領もしくは政権の誰かが、議会承認以前に、侵略に対するイギリスの約束をとりつけたか?」との質問もしている。

 日本のマスコミ・国会議員も、小泉政権にこれぐらいのつっこみができるような仕事をして欲しい。すでに10万人のイラク人が死んでいる、この「でっちあげ」戦争・占領に参加している国のそれとして、その責任・義務は当然あるでしょう。

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2 コメント

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Unknown (あきよ)
2005-05-30 16:21:26
みんな、起こってしまったことに対して、今さら何を暴いても無駄、みたいな敗北主義に陥っているのかなあ…。



それとも、そんなこたー百も承知で、やっぱりパワーの米英には歯向かえない、って思うのかなあ…。



どっちにしても、はじめっから、戦争を計画すると決めて、そのために「ウソの事実」を作り上げて行きながら、白を切る政権党には、ゼッタイ投票しません!!
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TUPで読める (あい)
2005-06-02 10:17:41
 Translators United for Peace (TUP)のブログで、問題文書が読めます!

http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/542
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