CAFE PACIS

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「カトリーナ」で囚人はどこへ?

2005-09-14 23:39:11 | ニュース@海外
ハリケーンの被害を受け、ニューオーリンズでは、ダウンタウンにあるグレイハウンド・バス〔長距離バス会社〕と列車の駅に仮刑務所が設置された。

Democracy Now! 2005年9月13日

 近くにあったオーリンズ務所は「カトリーナ」で冠水したからである。この刑務所はじめニューオーリンズ各地の刑務所にいた囚人たちはどうなったのか。ルイジアナ州は昨日、囚人の現状確認のため人身保護令状を発行した。

 設置された仮刑務所では、アンゴラ刑務所の刑務所長バール・ケイン氏とニューヨークからニューオーリンズ入りしている護衛官が管理に当たっている。

エイミー・グッドマン:「ハリケーン上陸以来、一人の女性が精力的に動いています。ルイジアナ州アレクサンドリアの弁護士フィリス・マンさん。マン弁護士は昨日、ハリケーン後推定500名の女性囚人が男性用刑務所に収容されているアンゴラ刑務所を訪問しました。フィリスさん、アンゴラ刑務所で何が起こったのですか?」

フィリス・マン:「私を入れて3人の女性弁護士で、現在、アンゴラにあるルイジアナ州刑務所内の男性用重警備刑務所に仮収容されている499人の女性のうち199人から話を聞きました。この刑務所に女性が収容されたことは過去ないことです。

 この女性たちは、オーリンズ郡の刑務所にいたのですが冠水したためここに連れてこられた人たちです。一人ジャマイカ出身の49歳の方がいましたが、ビザが切れ超過滞在のため8月16日に逮捕されていた人です。強制送還される前にハリケーンが来たので、もうこれで1ヶ月ほど刑務所にいます。彼女は、進んでジャマイカに帰ると言っていました。今日聞いたところでは、喜んで帰るだけでなく、こんな体験は二度とごめんでアメリカに戻ってくる気はないとも言っていました。逮捕後はコンセッタと呼ばれている、オーリンズ郡の女性刑務所に収容されていて、そこが浸水しはじめたそうです。

 他の女性たちといっしょに最初は上の階に移動させられ、そこの階も冠水したので避難させられ、ボートで移動しました。多くの人が胸まで来ている水のなかを何時間も歩いたそうです。その中から何人かはボートに乗せられ、コーズウェイ橋まで連れて行かれ、そこでバスを待ち、そこからアンゴラに来ましたが、いまそこの寮に女性が100人収容されています。

 この人たちは、オーリンズで数日水も食べ物もなしで過ごし、最後には刑務所で水が止まってからはゴミ箱に洪水の水を入れて利用しました。飲むなと言われたそうですが、汚染されていたかもしれません。この女性たちは先ほど話したジャマイカの女性と似たり寄ったりの境遇の人、私やあなたもそうなっていたかもしれない人たちです。

 罰則金不払いのためそこにいた女性とも話しました。不払いで8月16日に逮捕され、いま重警備刑務所に入れられています。いつ彼女たちを出してあげられる見当はついていません。フェリーの横で寝ていたため逮捕された女性もいました。保釈金は600ドルで、8月3日以来拘束されています。ですが、オーリンズ郡で逮捕された人たちの記録がオーリンズ郡保安官〔裁判令状執行権、警察権を持つ〕が管理しているため、この記録が復元されるまでは、出してあげることができません。」

グッドマン:「オーリンズ刑務所にいた男性の囚人たちはどうなりました?」

マン:「先週、オーリンズ郡からラピード郡の刑務所に移された200人に話を聞きました。具体的に言うと、そのうち2人からほとんど信じがたい事を聞きいたのですが、彼らは連邦政府に抑留されている人たち、つまり連邦法上起訴されて、地方の刑務所に拘束されている人たちです。最初はオーリンズ郡にある「旧郡刑務所(Old Parish Prison)」に入れられていました。

 増水してきたので上の階へ移動させられ、最後には看守に体育館に連れていかれ、カギをかけられました。その後看守は戻ってこなかった。刑務所には、移動させられず独房に入ったままだった人もいました。どんどん水があがってきたのに一日半食べ物も水もなしにジムに入れられたままで、看守もいない状態。

 水が胸まで来たとき、体育館の窓を割って、文字通り泳いで刑務所を脱出しましたが、独房にいた人たちは逃げられませんでした。話を聞いた人たちは、その人たちは確実に溺れ死んだと言っていました。

 脱出した人たちは看守を一人見つけて出頭しました。オーリンズからハント矯正施設にバスで移され、そこで毛布を与えられ、要するにもう一日、二日丘の上で寝た。そこからまたバスでラピード郡に連れてこられました。

 繰り返しますが、問題のひとつは、オーリンズ郡保安官局の記録が復元されるまで、解決の見通しがないということです。それまで、オーリンズ郡の各刑務所に誰が収容されていたかさえ分からない。何人が脱出できなかったのかも分かりません。

グッドマン:「インタビューした人たちは、何の罪で起訴されていたのですか?」

マン:「先ほどの男性2人は、連邦法違反と言っていました。薬物法です。ですが、オーリンズ郡刑務所で上階へ移動させられた人全員が重罪で起訴されていたわけではありません。多くの人たちが、今日話をした女性同様、ほんの軽い容疑で逮捕された人たちです。公共での酒気帯び、マリファナ入れぐらいにしか大したものじゃない麻薬道具の所持などでの逮捕です。不法侵入で起訴された人もいましたし、保釈金支払いを待っている人や、法廷出頭をしないためだった人、薬物使用での裁判に出なかったためだったり、単に注目を得るか何かのために7日刑務所にいたという人もいました。こうなった今、否が応でも注目されていますよ。

グッドマン:「彼らはこれからどうなりますか?」

マン:「最終的には、何とか解決します。州全体に犯罪被告人弁護士がいるので、各施設に足を運びます。分かっている限りではルイジアナ州には35施設があって、オーリンズ郡の刑務所からは全部で8500人余が避難しました。私たちは、文字通りそこに行って一人一人彼らと会って、逮捕された日、容疑、起訴の有無、裁判の予定、軽犯罪か重犯罪かなどき聞きださなくてはなりません。

 オーリンズ郡保安官刑法部門のコンピューターは、金曜にオーリンズ郡から回収されており、情報管理スタッフが最大限のデータ回復に努めています。そのあとは復元されたデータと、私たちの聞き取り情報を一つひとつ照らし合わせて、今後しかるべき対応をとります。半数はそもそも刑務所にいるべき人たちではありません。判決にしたがったので釈放されるべきだった人たちです。しかしそれが分かるまでは刑務所生活です。

グッドマン:「判決を下されてさえいない人もいるということですか?」

マン:「彼らの多くがそうです。起訴すらされていません。アメリカ全国民がそうですが、彼らは逮捕されても有罪が立証されるまで推定無罪の人たちで、裁判を受け機会すら得ていない人たちです。」

グッドマン:「彼らが家族と連絡を取る方法はありますか?」

マン:「ハント矯正施設を通したホットラインがあるのでそこから連絡をとれます。225-342-5935または342-3998にかけてください。ハリケーン被害をうけたセント・バーナード、オーリンズ、ジェファソン、プラックマン郡の刑務所にいた家族がいる人はここに電話して、自分たちの場所と連絡先のメッセージを残してください。ハント矯正施設から、家族がどこに収容されているか確認もできます。やっと避難先のリストが完成したので、仮収容先が分かるはずです。」

グッドマン:「ありがとうございます。ルイジアナ州アレクサンドリア弁護士のフィリス・マンさんでした。現在、8000人ほどとみられている囚人の居場所、避難させられたのか、生存しているのかといった状況を把握するための人身保護令状が出されています。」

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