CAFE PACIS

ユルゲンが「カフェで政治が行なわれているんだ」って言う。じゃあ、カフェで平和やるか。

9・11の母親から:ジョージ・W・ブッシュへの公開状

2004-10-27 12:06:47 | ニュース@海外
 米、大統領選挙を目前にして、ブッシュの無策・失策で愛するものを失った母親たちもがんばっています。

 先日おくらばせながら「華氏911」を観て来ました。普通のメディアが伝えない映像が映し出したブッシュとその仲間たちの表情から、彼らの冷血さ、血塗られた本性が伝わってきました。

 この母親からのブッシュへの手紙は、ブッシュの非人間性、ひいてはブッシュ政権の本質を伝えていると思います。 

 あい


Ybanet.com
OP-ED記事

9・11の母親から:ジョージ・W・ブッシュへの公開状
ドナ・マーシュ・オコナー(ニューヨーク州リバプール)、世界貿易センター第2タワー93階にいたバネッサ・ラング・ランガーの母親
2004年10月22日6時43分

ジョン・ケリー上院議員にコピーを送信

 もっとも些細なことが集まって、すべてが腑に落ちるときがあります。本当に細部のことが。いま、私はあなたの時計を見ています。それはただのアクセサリーですが、あなたが身につけているのほかのものとちがい、大変深い意味を持っています。

 今年のハロウィーンがくるころに、私の娘は33になっていたでしょう。娘の子どもが生まれていればもう3歳になっていたはずです。娘のバネッサは29の誕生日を迎える7週間前、妊娠4ヶ月のとき、崩れ落ちる世界貿易センタービルから脱出しようとしていました。でもだめでした。娘の体とおなかにいた小さな子どもは、9月24日瓦礫の中から引き出されました。第4タワーと第5タワーのあいだの通りから10フィートしか離れていない場所でした。最初の飛行機が第1タワーに突っ込んだ5分後、娘はオフィスから電話をかけ、第2タワーにいる自分も他の人たちは「安全」だ、と説明していました。これはあなたに知っていただきたいとても重要な点です。

 あなたがその朝、実際に何をしていたか見てみましょう。夏の休暇中であった8月6日、あなたは大統領が毎日受けるブリーフィングで、バネッサ・ラング・ランガーおよび多くのアメリカ人が危険な状態に置かれているとはっきり述べた説明をうけました。最初の飛行機が第1タワーに突撃したとき、大統領ブリーフィングが述べていたあの事実が頭の中に残っていたなら、なにかピンときたでしょう。でもあなたは何の行動もとらず、テレビもつけず、ペンタゴンにも連絡しません。あなたは、子どもたちをおびえさせないようにと、そこに座っていました。あなたはバネッサの兄弟たちのことも、この事件で確実に直接的被害を受ける小さな子どもたちのことも気にかけていませんでした。バネッサの14歳の弟とは違い、立ち上がって電話をつかみ、必至で連絡をとったり、事態に備えたり、救出をしようとはしませんでした。ただそこに座っていただけでした。2004年大統領選挙を前にした、9・11の3周年にあと2週間という日、自分は米国民を守る、と発言なさいました。つまり、ご自身の発言によれば、あなたの最高司令官としての主要な責任は、テロリストに苦しめたり、攻撃させたりしないことで(手振りを加えておっしゃっていましたが)、引用しますが、「自分が見守るなかで」だと発言なさいました。何の皮肉も込めずに。まったく何も。その言葉が、あなたが哀れにも守れなかった人たちにはどう聞こえるかを感じさせるニュアンスも皆無でした。あなたは、航空会社にも、パイロット訓練校にも、国内最長のビルに住んでいる人、働いている人たちに、一切なんの通告もしておられなかったのです。あなが見守るなかでのこと、見守る時計をつけてのことでした。

 あなたの時計に注意を払いすぎでいるからなのか、私には分からないのです。5分。ブッシュ殿、5分です。あの5分間で、私の息子たちは、親友を失い、愛する姉とその家族がそこにいたはずであった将来を奪われました。娘は、人生で本当に望んでいた唯一のものを失いました。9月13日、あなたは娘の骨が埋まっているあの瓦礫の上にたって、戦争への動きを開始しました。政権に就いたときから計画していた戦争にむけた行動を開始したです。惨事中の惨事をもたらす最もおぞましい人種差別を実行するためにあなたは娘の死を利用し、それを文字通り、娘の骨の上に立っておこなったのです。

 率直に申し上げましょう。私は、あなたの過失はあの日の失策に始まったことではないと見ています。それを証明するのは難しいので、いまそう言うことは賢明ではないかもしれません。しかし、いくつかの基本的原則にそって犯罪解明をおこなうプラグマティストの一人として、言わせていただきます。犯罪がおこなわれたとき、私たちは、その動機を探ること、誰が犯罪で最も利益を得るかを調べることで容疑者を見つけようとします。こん回のケースでは、誰がそれに当たるでしょう。あなたです。あなた、あなたのハリバートンのお友達、そしてあなたのサウジアラビアのお友達です。あなたはこの疑問に何ら答えていません。この間おこったすべてのことを見るなら、自分が現在そして将来にわたり得ることになった、金・権力の両方における利益について説明する状況があまりにも整いすぎていると思われませんか。

 9月11日私はカナダにいました。知らせを聞いたときは街にいて、人生でもっとも美しい時期となる最後の瞬間を楽しんでいました。そのとき携帯電話がなって、そのあとは、一秒ごとにパニックと恐怖と冷静さが混ざった心境でいました。なぜなら、こんなことは起こりえない、いますぐ娘をこの目で見て抱きしめたい気持ちで狂いそうだったからです。あなたならどうなさいましたか。あなたの本能はどう働いたでしょう。ひとりの親として。こう訊くのは、2回目の大統領候補者討論のとき、ケリー上院議員があなたのことを「良い父親だ」と言ったからです。そうでしょうか。ご自身の娘さんをふくめ米国民はより安全でしょうか。あの朝、私がどうしたかったかお教えしましょう。私はニューヨークへ飛び、人力のなしうる限り一秒でも早く母国の地へ足をつけたかったのです。空港へ行き、帰りたかったのです。しかし、そのような選択肢は私にはございませんでした。私と夫にとって、閉鎖前になんとか国境を超え米国にもどるのが精一杯でした。あの朝、どの米国民も領空飛行を禁止され、あの朝、そして次の日々も、飛行禁止状態に置かれました。しかし、ビン・ラディン一族は例外でした。彼らは、サウジアラビアへと飛びました。FBI、CIAの手が届く前に。最悪なのは、その本当の理由についてあなたが一切説明しなかったことです。悲しいことに、私は永久に理解できないでしょう。絶対にできません。それでも、当事そしていまもあなたには説明する責任があります。あなたの時計が大統領選挙にむかってまだ動いているあいだにです。

 いま、全米で票の操作がなされているとのウワサがひろまっています。はっきりいうと、この操作で利益を得ているのは共和党だ、というウワサです。国民の安全についてあれこれ並べ立てる代わりに、この不正行為をやめさせることで、すこしは指導力を発揮してみてはどうでしょう。この国で、選挙権が守られることを要求しなさい。なぜなら選挙権なくして、私たちの安全は守られないからです。この点では意見が一致しませんか。

 2000年の選挙の後、フロリダ州での投票をめぐり広範に及ぶ問題が浮上しました。アフリカ系アメリカ人選挙区の投票についてもあなたは何も手を打たれませんでした。対応ゼロです。あなたの弟がフロリダ州をブッシュ勝利州としてプレゼントしたというウワサを否定することさえしませんでした。(それがたとえウワサであったにせよ)アフリカ系アメリカ人の怒りに応える行為は一切しませんでした。この悲痛で、歴然たる人種差別は、一般市民が日常においてなす行為の規範ではなく、米国と世界のすべての国民をまもらなくてはならない政府の構造そのものの規範によりもたらされたのです。なぜあなたはフロリダへおもむき、こうした国民の権利を守ろうとなさらなかったのですか。少なくとも、もう二度とこのようなことは起こさせないと謝罪し、保証しなかったのですか。あなたにとってアメリカとは何なのでしょう。2001年8月、国連が人種差別に関する会議を開いたとき、あなたの国務長官コリン・パウエル氏は出席を希望しました。しかし、あなたはそれを許可しませんでした。その理由は、アメリカに人種差別は存在しない、というものでした。そろそろ問題の傾向が見えてきませんか。どのケースでも、この国の問題はあなたが起こし悪化させ、そのあとあなたはその問題を隠蔽しようとする、というパターンです。パウエルに会議出席を許可しないなど、どうしたらできるのですか。それが一人の人間に対する態度でしょうか。〔訳注:パウエルはアフリカ系アメリカ人〕

 子どもは成長過程で反抗するものです。親をりっぱだと感じたかと思えば頑固に抵抗したりします。一人前の親なら、子どもの反抗的態度そのものにも愛情を感じとります。親は、その愛情を、まさに一番尊敬されている部分で対応することで示すものです。思春期のバネッサもそうでした。とくに最も愛情表現が深かったときがそうです。これが親子の関係というものなのでしょう。子どもが大人になれば、こうしたエピソードは家族団らん時の愉快な思い出話となり、子どもは、自分がしてもらったように、子どもに触れ、教え、学ぶことを知るのです。バネッサとこうした親子関係を全うすることはできませんでした。彼女が意識的に、自分が育ててもらったように次の世代を育てる日々はもうないからです。でも、それに近いところまでいたことも覚えています。ある日バネッサは、「お母さんはクリスマスのお祝いがすごく上手よね」といい、「それに、人種差別はいけないと教えてくれた。人種差別はそこらじゅうにあって、白人は気づいていないのよ。」といっていました。

 これだけでは伝えられませんが、娘を失う前に彼女の口からこの言葉が聞けたことがどれだけ重要かお分かりでしょうか。さもなければ、私は、あまりにも若くして死んだ一人の女性の親として十分任務を果たしたのか、一生知ることはできなかったからです。バネッサや息子たちを育ててきた方法はまだいろいろありますが、あなたがとった行動の実例を挙げ、私の説明、反論をしたいと思います。

 あなたは、ジェイムズ・バード氏の娘さんと直接会ったことがあります(ジェイムズ・バード氏は、3人の白人男性により、ほとんど首が千切れるほどの暴行を受けた人物です。トラックに縛り付けられ、テキサスの路上を引きずられました。もちろん覚えておいででしょう。)彼女が、泣きながらヘイト・クライム〔憎悪犯罪、人種的見地からおこる犯罪〕阻止法成立のために署名して欲しいと懇願したとき、あなたは拒否しました。モーリ・アイビンズによる報道によれば、鼻を拭くちり紙さえ差し出さなかったそうです。この点で、あなたは、政府がもつ非常に敵対的な機能を体現しました。有色人種や、他党側の人たちの選挙権が否定されても、かまわない、という態度です。

 その一方で、あなたは自分のこうした性格、人種差別根絶を願う多数の国民の願いに背く態度を、オサマ・ビン・ラディンはサダム・フセインの化身だ、またはその反対だ、と見せかけることに使いました。別々の人間が実は同一人物だ、という主張です。つまり、二人ともアラブ人じゃないか、というわけです。あなたは地球を所有しておいでなのですか。アフガニスタンがどこにあるかご存知ですか。イラクは?守るはずだった人々に自分がしたことを調べるために、戦争が始まってからイラクに行きましたか?面白い話があります(おそらく神からの警告でしょう)。バネッサがはじめて就職したとき、地図つきの年間手帳をくれました。この地図は真ん中にアフガニスタンがあって、この小さな国の右にはこれより大きいイランがあり、その右には小さな国イラクが、アフガニスタンより小さく(地理上も、比喩上も)イラクが描いてありました。イラクの下には大きくサウジアラビアがありました。この国はご存知でしょう。なぜって、テロ根絶のために団結した9・11の遺族、サウジ家に対し裁判を起こしている遺族は、あなたの政権からなんの助けも受けていないからです。ゼロです。言っておきますが、フランス、スペイン、ドイツを含む有志連合というのがあって、9・11を、その真の犯罪者とつなげようと努力している9・11遺族に助けを申しでています。サウジ家とあのテロリストとのあいだには関係があります。あなたのおかげでいまやイラクはテロリストの楽園となり、その数も資金も増殖しています。あとどれだけの時間がおありですか。お時計は何時ですか?私、時間をとりすぎでしょうか。

 今年のバネッサの誕生日には、あなたは何をお召しになっているのでしょう。軍最高司令官の衣装、それともバンダール皇太子それともディック・チェイニーの歩兵の格好?それとも、三角帽つきの白いシーツをかぶっておいでになるか。シャツの袖をまくり上げた、心のうちを率直にかたるテキサスのカウボーイの振りをし、時計を指しながら、アメリカを守るのだと笑顔で宣言するのでしょうか。それとも、信仰深いクリスチャンの格好でしょうか。共和党員の格好でしょうか。自分でもわかっておられると思いますが、あなたは共和党員ではありません。あなたは共和党員の恥です。確かなのは、私は、その日あなたが軍最高司令官の格好などしていることのないよう最善を尽くす、ということです。ここで書いた以上に、その服装はあなたには似合いません。私はアメリカ人であることを誇りに思っており、ご自身を愛国的に描こうと務めているあなたに嫌悪感を覚えております。アメリカがこれほどまで慈しんでいた良識のすべてをあなたは踏みにじっています。

 本当に神を信じておいでですか?本当に?心から?そう訊くのは、至らない親として、人間として、国民として、私は神に助けをもとめ、不義の許しを乞うているからです。そして、私が神からいただいた言葉はこうです。

 あの男に私の名をかたらせてはならない。それを許せば、子どもたちの成長を見届けられない責任はあなた負うのだ。あなた自身だ。


原文:http://www.yubanet.com/artman/publish/article_14579.shtml

Feeling the Draft

2004-10-26 05:16:51 | ニュース@海外
ポール・クルーグマンの社説、原文アクセスできない人がいるとのことでしたので、貼り付けました。

あい


October 19, 2004
OP-ED COLUMNIST
Feeling the Draft
By PAUL KRUGMAN

Those who are worrying about a revived draft are in the same position as those who worried about a return to budget deficits four years ago, when President Bush began pushing through his program of tax cuts. Back then he insisted that he wouldn't drive the budget into deficit - but those who looked at the facts strongly suspected otherwise. Now he insists that he won't revive the draft. But the facts suggest that he will.

There were two reasons some of us never believed Mr. Bush's budget promises. First, his claims that his tax cuts were affordable rested on patently unrealistic budget projections. Second, his broader policy goals, including the partial privatization of Social Security - which is clearly on his agenda for a second term - would involve large costs that were not included even in those unrealistic projections. This led to the justified suspicion that his election-year promises notwithstanding, Mr. Bush would preside over a return to budget deficits.

It's exactly the same when it comes to the draft. Mr. Bush's claim that we don't need any expansion in our military is patently unrealistic; it ignores the severe stress our Army is already under. And the experience in Iraq shows that pursuing his broader foreign policy doctrine - the "Bush doctrine" of pre-emptive war - would require much larger military forces than we now have.

This leads to the justified suspicion that after the election, Mr. Bush will seek a large expansion in our military, quite possibly through a return of the draft.

Mr. Bush's assurances that this won't happen are based on a denial of reality. Last week, the Republican National Committee sent an angry, threatening letter to Rock the Vote, an organization that has been using the draft issue to mobilize young voters. "This urban myth regarding a draft has been thoroughly debunked," the letter declared, and quoted Mr. Bush: "We don't need the draft. Look, the all-volunteer Army is working."

In fact, the all-volunteer Army is under severe stress. A study commissioned by Donald Rumsfeld arrived at the same conclusion as every independent study: the U.S. has "inadequate total numbers" of troops to sustain operations at the current pace. In Iraq, the lack of sufficient soldiers to protect supply convoys, let alone pacify the country, is the root cause of incidents like the case of the reservists who refused to go on what they described as a "suicide mission."

Commanders in Iraq have asked for more troops (ignore the administration's denials) - but there are no more troops to send. The manpower shortage is so severe that training units like the famous Black Horse Regiment, which specializes in teaching other units the ways of battle, are being sent into combat. As the military expert Phillip Carter says, "This is like eating your seed corn."

Anyway, do we even have an all-volunteer Army at this point? Thousands of reservists and National Guard members are no longer serving voluntarily: they have been kept in the military past their agreed terms of enlistment by "stop loss" orders.

The administration's strategy of denial in the face of these realities was illustrated by a revealing moment during the second presidential debate. After Senator John Kerry described the stop-loss policy as a "backdoor draft," Charles Gibson, the moderator, tried to get a follow-up response from President Bush: "And with reservists being held on duty --"

At that point Mr. Bush cut Mr. Gibson off and changed the subject from the plight of the reservists to the honor of our Polish allies, ending what he obviously viewed as a dangerous line of questioning.

And during the third debate, Mr. Bush tried to minimize the issue, saying that the reservists being sent to Iraq "didn't view their service as a backdoor draft. They viewed their service as an opportunity to serve their country." In that case, why are they being forced, rather than asked, to continue that service?

The reality is that the Iraq war, which was intended to demonstrate the feasibility of the Bush doctrine, has pushed the U.S. military beyond its limits. Yet there is no sign that Mr. Bush has been chastened. By all accounts, in a second term the architects of that doctrine, like Paul Wolfowitz, would be promoted, not replaced. The only way this makes sense is if Mr. Bush is prepared to seek a much larger Army - and that means reviving the draft.


戦乱のイラクがおもちゃ会社に19万ドル払うわけ

2004-10-25 12:33:34 | ニュース@海外
 国際政治は、国をも食い物にする、まさにヤクザの世界。

 そんなところへ、新潟での震災、西日本での台風被害。そして国連によると、いま北部ウガンダでは、史上最大の人的被害が進行中とのこと。そしてもちろん被爆60周年にむけた核兵器廃絶の運動。はたまた直接生活にかかってくるさまざまな行政改悪、そしてそして、改憲阻止の運動。自分がいま何をしたらいいのか、考えながら進むしかないですか。

 これからは、そうでない正義と法に基づく国際秩序づくりにむけた動きにも注目していきたいです。

あい


戦乱のイラクがおもちゃ会社に19万ドル払うわけ
(Why is war-torn Iraq giving $190,000 to Toys R Us?)
ナオミ・クライン

いまだ、フセインが犯した罪のつけを払わせられているイラク国民

2004年10月16日
ガーディアン

 来週、イラクの侵略と占領のさかさまの道徳性の正体が明らかになる。10月21日、イラクは戦争賠償金として、世界でもっとも富める国ぐにと企業に2億ドルを支払うのだ。

 お金の流れが逆に見えるなら、その理由は、まさにその通りだから。イラク国民には、彼らがフセイン時代に被った犯罪に対する賠償金など一切支払われていない。すくなくとも50万の命を奪った残忍な経済制裁がもたらした被害、このたびコフィ・アナン国連事務総長が「違法」と呼んだ米国主導の侵略がもたらした被害の賠償金もしかりである。それどころか、彼らは、いまだ元独裁者が犯した罪を賠償させられているのである。

 イラク国家が抱える125億ドルという債務も膨大ながら、それとは別に、イラクはこれまで、1990年のフセインによるクウェート侵略と占領から生じた賠償として188億ドルを支払ってきた。これ自体は驚くことではない。1991年湾岸戦争の停戦条件として、フセインはクウェート侵略がもたらした損害を賠償することに合意していたからである。これをめぐり、50以上の国が賠償請求をしており、そのほとんどはクウェートに支払われている。ここで驚くのは、フセインが打倒されたいまも、支払いが続いているということである。

 4月のフセイン政権転覆以来、イラクは、国連賠償委員会(UNCC)に18億ドルを支払っている。UNCCは、ジュネーブに本部を置き、請求の査定と賠償金の分配をおこなっている、外見上の裁定機関である。その18億ドルのうち、3700万ドルがイギリス、3280万ドルが米国へ分配された。その通り。この18ヶ月で、イラクの占領者たちは、自分たちが占領している絶望的状態に置かれている人々から、賠償金として6980万ドルを集金しているのだ。さらに詳細を見ると、その支払い先がひどい。UNCCウェブサイトの統計によれば、賠償金の大部分、78%、が多国籍企業なのである。 

 これは長い間、マスコミの目を逃れておこなわれてきた。もちろん、UNCCに対する請求には正当なものも多くある。フセイン軍に愛するものを殺され、手足、財産を奪われたクウェート人にも賠償金は支払われている。しかし、それをはるかに超える額が大企業に渡っているのだ。石油産業だけとっても、UNCCが支払った湾岸戦争賠償金のうち215億ドルが彼らの手に渡っている。2000年12月までUNCCの責任者であった外交官ジャン-クロード・エーメ氏は、公の場で、支払いのやり方に疑問を投げかけた。「私が知る限り、企業が損失した資産と利益の回収に国連が関与したのは、これが初めてである」。これは、1997年ウォールストリート・ジャーナル紙のインタビューに対する回答である。エーメ氏は続けて、思索して「これが正しいのかどうか、ときに疑問に思う」と述べている。

 しかし、果たして、UNCCによる大企業へのお恵みは加速しただけであった。さて、誰がイラクの「賠償」を受け取っているか、少し企業名を挙げてみよう。ハリバートン(1800万ドル)、ベクテル(700万ドル)、モービル(230万ドル)、シェル(160万ドル)、ネスレ(260万ドル)、ペプシ(380万ドル)、フィリップモリス(130万ドル)、シェラトン(1100万ドル)、ケンタッキー・フライドチキン(32万1千ドル)、トイザラス(18万9449ドル)。圧倒的なケースにおいて、これらの企業の請求理由は、クウェートにある資産がフセイン軍の被害を受けたからではない。理由は、自分たちが単に「利益を失った」からであり、アメリカン・エキスプレスにいたっては、クウェート侵略と占領により「取り引きが減った」ためであった。この間、最大の賠償金を得ている企業のひとつにテキサコがあるが、この会社は1999年には5億500万ドルを得ている。UNCCのスポークスマンによれば、賠償金はまだ12%しか支払われていない。つまり、フセイン後のイラクの財源から、まだ数億ドルが搾り出されなくてはならない、ということである。

 イラク国民が占領者たちに賠償金を支払ってきたという事実は、これらの国が実際イラクで費やしている援助金のお粗末さを見ると、いっそう衝撃的である。米国民の税金から184億ドルがイラク復興に充てられているが、ワシントンポスト紙の推定によると、水、衛生、保健、道路、橋梁、治安をすべて足した部門に、たったの2900万ドルしか使われていない。さらに、(最新の数値が出ている)7月、米国防総省によると、けがを負ったり、占領の直接的影響として家族や財産を失ったイラク人に対する賠償には、たったの400億ドしか充てられていない。これは、占領開始以来イラクから賠償として米国が徴収してきた額のほんの一部にすぎない。

 何年にも渡り、UNCCが多国籍企業と石油に富んだ首長国への不正資金提供として利用されているとの訴えがなされてきた。対イラク制裁の結果、大企業ができずにいた資金回収を、UNCCが裏からやってあげている、というものである。フセイン時代、このような懸念は、明確な理由から、あまり注目されなかった。

 しかし、フセインなき後、裏金資金が復活したのである。ジュネーブに送られる金は、一ドルたりともイラクの人道支援や復興には使われない。さらに、フセイン後のイラクが、賠償金支払いを強要されていなかったなら、さる9月29日に承認された国際通貨基金(IMF)から4億3700億ドル緊急借款をする事態も回避できていたであろう。

 現在、イラクの債務免除をとの要求が声高に主張されている。しかし、さらなる苦境に陥り、IMFからの借り入れと、それに伴う条件・制限すべてを受け入れることを余儀なくされているのがイラクの現実である。一方UNCCは、賠償請求の審査と支払いを続けており、先月だけでも、あらたに、総額3億770万ドルの支払いがおこなわれた。

 さいわい、このおぞましい大企業補助金制度をやめさせる簡単な方法が存在する。この賠償計画を設定した国連安保理687決議によれば、イラクからの支払いは、「イラク国民の要請、イラクの支払能力、イラク経済のニーズ」を考慮しなくてはならないのだ。この3つの条件のひとつでも真に考慮されるなら、安保理は、明日にでも支払いに終止符を打つ表決ができる。

 まさにこれが、ロンドンに本部を置く債務救済団体ジュビリー・イラクが要求していることで、同団体によれば、賠償金は、イラク、クウェートに関わらず、サダム・フセインの被害者が受け取るべきものなのだ。フセインの最大の被害者であったイラクの国民自身が、賠償金を支払う側に立たされるべきではない。代わりに、賠償金は、近隣諸国と自国民に対する戦争用の兵器に使われていることを承知でフセインに数十億ドルをも貸し付けた政府の責任であるべきなのだ。「力ではなく正義により国際関係が成り立っているのなら、クウェートへの支払いは、フセインに貸し出しをおこなった者たちがしているはずであり、それを超える額がイラク国民に支払われているはずだ」と、ジュビリー・イラクのジャスティン・アレクサンダー氏は語っている。

 しかし、進行しているのはまったく逆の事態である。賠償金はイラクへではなく、イラクから流出している。いまこそこの流れを変えるときである。

原文:http://www.guardian.co.uk/comment/story/0,,1328664,00.html

徴兵制の足音:ポール・クルーグマン

2004-10-24 02:31:21 | ニュース@海外
 ブッシュなら徴兵制、ケリーなら同盟国の軍事協力拡大。大統領選挙まであと1週間。投票制度の非民主性もさることながら、投票日が平日なのはどうしてでしょうね。あい


徴兵制の足音(Feeling the Draft)
ポール・クルーグマン
ニューヨークタイムズ社説

2004年10月19日

 徴兵制の復活を心配しているとしたら、その心配は、4年前、赤字財政への逆戻りを懸念と同じぐらい妥当である。4年前といえば、ブッシュ大統領が減税計画の断行を着手しはじめていたときで、その際彼は、赤字への逆行などないと断言していた。現実を認識していた人たちは、このプランでは赤字必至と見ていたにも関わらずである。さて、いま大統領は、徴兵の復活などありえないと言っている。しかし、現実を見れば、徴兵制の復活は確実である。

 我々が、ブッシュ氏の予算案を買わなかった理由はふたつあった。その一。減税計画の根拠は、非現実的な予算見積もりに基づいていた。その二。社会保障サービスの一部民営化も含め(再選されれば実行される)、大統領のより広い政策目標を実現するには、この非現実的見積もりでさえ計算に入っていない莫大な財政を必要とするから。それで、彼の選挙戦公約は、当然ながら信じられなかったのである。ブッシュ氏は、赤字財政大統領となる、と我々は見ていた。

 徴兵制もまったく同じ話だ。軍隊拡大など必要ないという主張は、明らかに非現実的な議論である。彼は、現在軍隊がおかれているすさまじいストレスを無視している。イラクで起こっていることを見れば、ブッシュ大統領の―先制攻撃―外交ドクトリンを推し進めるには、いまよりはるかに大きな軍隊が必要になることが分かる。

 ということで、選挙が終われば、再選ブッシュが軍の大規模拡大を進め、徴兵制を復活させる可能性はかなり高い、と勘ぐるのは妥当であろう。

 ブッシュ大統領は、徴兵制はなしと約束しているが、それは現実を無視した発言である。先週、共和党全国委員会が、Rock the Voteに血気立った脅迫状を送りつけた。Rock the Voteは、徴兵制問題を取り上げて青年層の投票を動員している団体である。脅迫状は「徴兵制をめぐる都市部での神話は完全に喝破されている」とし、ブッシュ大統領の発言を引用した。曰く「徴兵制は必要ない。いいですか、志願に基づく軍隊で十分足りているでしょう。」

 現実はその反対で、志願制の軍隊はすさまじい状況に置かれている。他の調査同様、ドナルド・ラムズフェルドが任命した委員会自体が同じ結論を出している。――米国の兵力は「全体において不十分」であり、現在のペースでの作戦を続けることはできない――。イラクでは、兵力不足により護衛に手が回らず、イラクの戦乱を収めることなど望むべくもない状態であって、これが、予備兵をして「自殺行為」と言わしめている任務拒否の根源になっているのである。

 この間イラクにいる米司令官たちは、兵力増強を要請しているが(ブッシュ政権はこの事実を否定しているが、それは無視してよい)、これ以上イラクに派兵できる人間はいない現状なのである。このマンパワー不足は深刻で、ブラックホース連隊(Black Horse Regiment)といった、他部隊への戦闘方法伝授を専門とすることで知られている部隊ですら、戦場に送り込まれている状況なのである。軍事専門家のフィリップ・カーター氏によれば、「これは、命の糧となる収穫物の種を食べてしまっているようなものである」。

 とにかく、現時点で、この国に志願制の軍隊が存在していること自体があやしい。数千人規模の予備兵と国家警備隊が置かれている地位も、すでに志願にもとづいていない。彼らは、「指し止め命令」により、契約期限が過ぎても従軍を強要されているのである。

 こうした現実を前にブッシュ政権が展開してきた否定戦術は、2回目の大統領候補者ディベートの際、暴露された。ジョン・ケリー上院議員が、損失増大を防ぐための政策を「裏口徴兵」になぞらえたのを受け、司会のチャールズ・ギブソン氏が、ブッシュ大統領に質問を振り、「予備兵が(契約期間が過ぎても)兵役に就かされているなかで、、、」といったそのとき、

 ブッシュ大統領は発言をさえぎり、予備兵の窮状問題から、ポーランド軍の戦争協力に敬意を払っていることに話題を変え、明らかに危険と見た質問の流れを断ち切った。

 さらに3回目の討論でブッシュ大統領は、この問題を最小限におさえるよう心がけていて、イラクに送られている予備兵は「自分たちの軍務を裏口徴兵とは思っていない。国に奉仕するチャンスだと見ている」と発言した。しかしそうであれば、なぜ予備兵たちは、任務継続を要請されているのでなく強制されているのであろうか。

 ブッシュ・ドクトリンの実行可能性を証明する意図で始められたイラク戦争により、米軍は限界を超えるところまで押しやられているのが現実である。それでも、大統領がそれに懲りている様子はまったくない。誰もが、ブッシュ第2時政権が成立すれば、ポール・ウォルフウィッツといったブッシュ・ドクトリンの立案者たちが、退任ではなく昇進する、と見ている。だとすれば、ブッシュ大統領が軍隊規模拡大をねらう準備をしていると見るのが道理であろう。つまり、徴兵制の復活である。

原文は:http://www.nytimes.com/2004/10/19/opinion/19krugman.html?oref=login

Quaker was Arrested at Anti-War Protest

2004-10-22 11:49:53 | 平和運動
89歳のクウェーカー教徒、イラク戦争に抗議して逮捕。

投票もできず、戦争にハンタイもできず。これがアメリカの民主主義!?

みずき
 ひさびさのお天気!

Deptford Woman, 89, Heads to Jail
Quaker was Arrested at Anti-War Protest

PHILADELPHIA -- Lillian Willoughby, a Deptford Quaker who will turn 90 in January, went to jail Wednesday to protest the war in Iraq.

Shortly before noon, Willoughby rose from her wheelchair, gave her husband of 64 years, George, a hug and a kiss, and disappeared into the federal detention center at Seventh and Arch streets here.

続き↓
http://www.commondreams.org/headlines04/1021-04.htm

日本語はこちら
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2004/10/89.html

04米大統領選 ネットに広がる簡易HP 東京新聞より

2004-10-22 10:09:49 | ニュース@海外
04米大統領選 ネットに広がる簡易HP
候補者情報メディアしのぐ

 ゴール直前。十一月二日の投票日まで二週間を切った米大統領選で、米インターネット社会に広がる簡易ホームページ「ブログ」の存在が、勝敗の行方を揺さぶっている。ブログが発信源となって、大手メディアも拾い切れない雑多な候補者情報が瞬時にネット上を駆けめぐる。それが有権者の政治参加を促し、当日の投票行動をも左右しかねない変革が起きつつある。 (ワシントン・豊田洋一)

■影響力

 「ブログ」とは、ウェブログ(インターネットの記録)の略語。情報発信が簡単にできることから、米国では個人が運用するニュースサイトとして多用されている。

 最もアクセス数が多い政治サイト「Daily Kos」は、一日当たり三十六万八千件近くのアクセスがあり、地方の有力紙をしのぐ“読者”がいる。米フロリダ州マイアミ大のマイケル・フルームキン法学部教授は「ジャーナリストがブログから引用するなど、主流のジャーナリズムに影響を与えている」と指摘する。

 九月三十日の第一回テレビ討論会で、ブッシュ大統領の背中に長方形の「膨らみ」を発見。無線受信機を通して陣営参謀からの助言をひそかに受けていたのではないか-。米紙ワシントン・ポストとニューヨーク・タイムズは十月九日付で、こんなうわさが流れていると報じたが、これはブログでの指摘が情報源だった。

 米テレビ三大ネットの一つ、CBSは九月上旬、ブッシュ大統領の州兵当時の上官が一九七三年に「ブッシュ氏の成績評価を甘くするよう上層部から指示された」と記したタイプライター打ちのメモを紹介した。

 しかし、放送直後からタイプライターの活字をめぐり「当時は存在しなかった字体」とする指摘がブログに掲載され、ブログ上でメモの信ぴょう性をめぐる論争に発展。結局、CBSはメモが偽物だったことを認め、看板キャスター、ダン・ラザー氏が「判断を誤った」と、謝罪する事態に追い込まれた。

 ブログは前回二〇〇〇年の大統領選時、ほとんど影響力を持っていなかった。それが今回、七月のボストンでの民主党大会で、ブログに情報を提供している「ブロガー」にも記者証と専用の記者席が与えられるなど、無視できない存在になってきた。

■落とし穴

 しかし、落とし穴がないわけではない。

 「うその情報が、影響力のあるブログに転載されて、多くの人がそれを信じてしまう事態があり得る。匿名で攻撃的表現が多く掲載されれば、それを容認する社会的雰囲気が生まれる懸念もある」

 フルームキン教授は警告する。

 個人が運用するブログは、既成メディアのように編集者ら複数の目によるチェックを受けない。虚偽情報や中傷的表現であっても、そのまま発信されてしまう。

 ただ、ブログには、アクセスした読者が意見や感想を書き込める「双方向」機能がある。もし、虚偽情報や中傷的表現が掲載されても、多くの読者によって正すことができる、というのがブロガー側の言い分だ。

 論争を膨らませながらも、ブログがこれほどまでに普及し、影響力を持った背景には、ソフトウエアの改良など、インターネット技術の進化がある。ブログの変革は、米有権者の政治参加の形を大きく変えたが、この新たな“情報戦”が実際の大統領選の投票にどんな影響を及ぼすか。全米が注目している。

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ブログが世界をすこししかかえるかもしれないねー
せいじ
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20041022/mng_____kakushin000.shtml

FBIが20の反戦サイトを閉鎖

2004-10-21 23:28:14 | ニュース@海外
こあいよー!

。。。早く試してみたくて投稿してみました。みなさまあとに続いて~。
ミズキ


FBI Shuts Down 20 Antiwar Web Sites: An Unprecedented Act of Internet Censorship
by wsws Tuesday, Oct. 12, 2004 at 10:50 PM

The US government move to shut down nearly two dozen antiwar, anti-globalization web sites on October 7 is an unprecedented exercise of police power against political dissent on the Internet. The World Socialist Web Site denounces the attack on the Indymedia sites and demands a halt to all such attempts at suppressing political criticism of the US government.

続き↓
http://sf.indymedia.org/news/2004/10/1704087.php