CAFE PACIS

ユルゲンが「カフェで政治が行なわれているんだ」って言う。じゃあ、カフェで平和やるか。

ニューオーリンズの病院からの報告その2 「水がない。病気。誰かに助けを求めてくれ」

2005-09-02 14:36:25 | ニュース@海外
ニューオーリンズのテナント記念病院で、入院患者などと共に逃げ場を失い、救援活動にあたっているビル・クイグリー教授からの報告の続きです。

その前に。

あるMLで「あえて厳しい言い方をするならば、米国民に対しては同情はするけれども全てはあなた方が選んだ政権のしてきたことのツケであると言わざるを得ません。実際は不正選挙で政権を強奪したのだとしても。」という意見がありました。「厳しい」言い方?憤慨しています。不正選挙がまかり通るようなアメリカだからこそ国民が苦悩しているという理解の完全なる欠如。

もうひとつ。日経の9月1日夕刊の「ウォール街ラウンドアップ」の記事。

「大型ハリケーン『カトリーナ』をめぐるメリルリンチのリポートが話題をさらった。結論は『ハリケーンの実質国内総生産への影響は差し引きプラス』。経済的な被害は大きいが、いずれ復興需要をうみだすからだという。事実、この日は復興関連銘柄への買いが相場を押し上げた。キャタピラーが3%高、住宅建設大手KBホームが5%高といった具合で売上高も膨らんだ。」

確かにGDP的に見ればそうかもしれません、が、この大惨事を目の前に、なお関心は投機である人たちが大勢いる現実は本当に悲しい。

一方、今日の「しんぶん赤旗」(9月2日)は、自公政権が5つの測候所廃止を計画していると報道。アメリカであろうが日本であろうがイラクであろうがアフリカであろうが国民の命をまもる政治を目指したいものです。

(なお、前回の「国家警備隊」は「州兵」と訳す、との指摘がありました。ありがとうございます。)

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Democracy Now! 2005年9月1日報道

「・・・Democracy Now!では、水曜一日中クイグリー教授と連絡を取ろうと試みましたがだめでした。教授と水曜夕方文書連絡をした彼の同僚が私たちに伝えたところ、教授からのメッセージには「水がない、病気、熱源なし、誰かに助けを求めてくれ」とありました。この同僚の女性が赤十字に援助の電話をかけたところ、赤十字は自分たちは救助できない、沿岸警備隊に連絡を取るように、と言ったそうです。彼女は沿岸警備隊に数時間連絡を試みましたがつながりませんでした。」

 以下、Democracy Now!が火曜日に連絡を取ったときの教授の報告の後半。

 「ビル・クイグリー:いま病院には1300人がいて、うち数百人が患者、数百が患者の家族、数百がスタッフです。スタッフの乳幼児も一緒です。ニューオーリンズがハリケーンに見舞われたとき、スタッフに働いてもらうには、家族も一緒に来てもらうしかありません。ですから子どもたち赤ん坊、親などをいれて全部で1300人ぐらいいます。

 この時点で、病院の外の水位は5フィート(約8ートル)で、病院のメインの階段吹き抜けの電力が切れました。病院全体で電力が下がっています。空調もなく建物が密閉されていて、風を入れるのに窓やドアを開けることが出来ないため非常に暑いです。上の階は水圧が下がっているので水洗便所などが使えません。電力が切れている部分と、水圧がない部分とがあります。水位は上昇していて、これ以上高くなると電力が全部切れるでしょうから、そうなると内部の通信機能を失います。

 病院には、私の妻が働いているガン病棟、骨髄病棟があります。私はボランティアで来ましたが、今日移植手術をした患者がいますし、さまざまな種類のガン患者、化学療法を受けている患者もいます。点滴、輸血といった医療は集中的に電気を使うものなので、みんなかなり神経質になっています。ハリケーンの暴風雨で病院の窓がいくつか吹き飛んだので、その部分を閉鎖したのですが、今朝は事態が好転するだろうとほんとに思っていたのに、今日になってみると水位が上がり始め、電気が切れ始め、一日以上病院のほとんどが予備の電源でしのいでいます。食糧も不足しています。水もあまりありません。が、いま現在一部の人を避難させています。この間10時間避難活動をしています。これまで100人ぐらい避難させました。ですからあと1200人残っています。

エイミー・グッドマン:今日生まれた早産児がいるといっていましたが、そのほかにも幼児がいますね。彼らはどうなっていますか?

クイグリー:幼児はいくつかのグループがいます。スタッフや患者の家族の一員のこども。非常に小さい病気の乳児がいましたがヘリコプターで非難しました。が、赤ん坊だけで母親や家族なしでの避難でした。

 ひとり早産児が産まれました。病院は赤ん坊を保育器に入れて、エレベーターが止まっているので8階の階段を屋上まで上り、ヘリコプターにのせました。何人かの赤ん坊も一緒でしたが、早産児の母親は残されました。母親たちを乗せる余裕がないのです。赤ん坊でいっぱいのヘリコプターがバートンルージュまで行って、そこからどこに向かったのか病院側は把握していません。これからどうするかちゃんとした計画がないのです。

 簡易ベッドに縛り付けられている患者もいます。どういうことかというと、エレベーターが動かないので、壁に穴を開けて、簡易ベッドの患者を穴から運び足して、小型トラックに載せています。ベッドに一度あたり二人を縛って、トラックの後ろに看護士を乗せて、屋上駐車場まで8階分移動させています。そこから2,3人づつヘリコプターに乗せています。それでもまだ重病人が残っています。ヒューストンのMDアンダーソン病院に移動させる必要がある患者が残っているのに、救助の人たちは、今の時点で、どうやれば移動させられるかまったくわからない、と言っています。」

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