松沢顕治の家まち探しメモ

「よい日本の家」はどこにあるのだろうか。その姿をはやく現してくれ。

青森市「ゆうぎり」で田酒を飲む

2014年09月23日 08時18分30秒 | 日記
3年前の10月、青森県弘前市をたずねた。弘前駅から図書館まで歩いた。名棟梁・堀江佐吉のつくった建物があちらこちらにのこっており、感動が連続する。美しい町だ。

秩父宮様に関する資料をみせてほしいと図書館にはあらかじめお願いしてあった。用意されていた資料には付箋が貼られ、便宜がはかられていた。これには感激した。古い資料を読んでいると、昭和10年から11年師走までの1年数ヶ月、宮様がここでどのように過ごし何を観たのか、弘前の人びとがどのように接していたのか伝わってきて、胸が熱くなった。いずれ弘前の秩父宮様や町なみについてはふれることもあるだろう。

長い時間資料を読み、図書館をあとにした。弘前駅から青森駅にむかう。ホテルでシャワーを浴びたあとに、青森市の大学で教えるT先生が迎えにきた。うまい店に行こうといわれたので、二つ返事でこたえた。駅近くの路地に「ゆうぎり」(017-722-3972)はあった。知らなければ、入らない店構えだ。

座敷の奥に座った。まずビールで乾杯。お、でてきた。アンコウのとも和え。ううむ、茨城で食ったどぶ汁みたいだ。アンコウは小魚、イカ、タコ、ナマコ何でものみ込んでしまう深海のブラックボックスだ。味が深い。つづいてウニ、舌の上にのせると、じわーっと甘みがしみてくる。うまいものは甘いのだ。アワビ。ああ、このコリコリ感、たまらん。出雲大社のご神体は巨大なアワビだとラフカディオ・ハーンが書いていた。日本人は昔からこのアワビを珍重がり、憧れていた。そのDNAは山育ちの私にも脈々と継がれている。T先生も黙々とたべている。いつの間にか、ビールは日本酒にかわる。「田酒」だという。いまや青森市の造り酒屋は1社になつてしまつたらしいが、気を吐いている。ああ、うまいものを気兼ねなく飲み食べられることのなんと幸せなことか。アンコウのように出てきたものを胃にのみ込んでひとまず落ち着いたところで、T先生と話しはじめた。
画像はYahoo!ロコより転載

最新の画像もっと見る

コメントを投稿