日曜日の午後はトミンで練習走行する予定だったのだけれど、予定変更。お友達2人と一緒に東海地方から東京に遊びに来た大学時代の友人と、自分を入れて男4人で出かけることになりました。前日の夜遅くまで飲んでいたので、出かけたのはお昼前。
で、向かったのはオタクの聖地、秋葉原(笑)。言っておきますが、自分が提案して案内したのではなくて、友人の希望ですからね(苦笑)。
秋葉原駅の階段を下りながら、友人A氏が「今日から歩行者天国再開やし、その開始時間の13時頃に着くからちょうどええな」なんて言ったので、自分は「そか、取材とかいっぱい来てるんとちゃう?インタビューとか受けて、『お仕事は何ですか?』って訊かれて、『精神科医です』とか言ったらメチャおもろいな」なんてことを言いながら、駅の改札を出て、中央通りへ。
到着したのは歩行者天国開始10分前で、通りの脇には開始時間を待つ人垣が出来ていました。事件後初の歩行者天国ということもあり、通りの終わりには警備の白バイが停まってたりして、少し緊張感があります。人垣に行く手を塞がれたような格好になり、みんなで足を止めた所で、4人の端にいた自分が声をかけられました。
「あのー、○○新聞なんですけど、ちょっとお話聴かせていただいてもよろしいでしょうか?」
キターーー!!ほんとに取材に当たっちゃいました(笑)。しかも、めっちゃ大手の新聞社。
「いま、歩行者天国の再開をお待ちになってらっしゃるんですか?」
うーん、待ってるのかな、これ?自分はただついて来ただけなので、待っているのか足が止まっただけなのかよくわからん。で、ここに来ようと言い出した友人A氏に、「どうなの?」と水を向けました。その後は、A氏がすべて記者さんに対応。
A氏「そうなんです、待ってるんですよ」
記者「そうですか、今日はどうしてこちらに来られたんですか?」
A氏「それは、ここが僕の心のふるさとだからです」(!)
そーら、始めやがったか(苦笑)。よくもそんなデタラメをいけしゃあしゃあと(笑)。
A氏はもともと東海地方出身で、東京近辺に住んだことなど一度もありませんから、秋葉原はたまに関東方面を通りがかる時に何度か立ち寄ったことがある程度に過ぎないはず。元来無類のイタズラ好きな彼ですが、休日出勤のお姉さん、かわいそうに格好の餌食にされてしまいました(苦笑)。
記者「いつ頃から秋葉原に?」
A氏「そうですね、僕は90年代から来てますね」
記者「えーっ、そんな前から?すごいですね」
A氏「あの当時は、こんな街じゃなくて。随分変わってしまいましたね・・・」
開始時間を待つ人垣の中で、感慨深く語り出すA氏。お姉さん、めっちゃ真剣に、一言一句も漏らさない勢いでメモ帳にエンピツを走らせています。なんだかもう気の毒で気の毒で、とても脇で聴いてられないので(苦笑)、A氏と記者さんは放っておいて、自分は後ろにいたB氏、C氏と雑談してました(お姉さんの真剣な姿勢に、A氏も途中から段々マジメに話し始めたようではありますが...)。話が終わりかけた頃、記者さんが「ありがとうございました。何人か声をおかけしたんですが、こんなにお話ししてくださった方は、今日初めてです」と感謝の言葉を。うう、こんないい人なのに...。
記者「最後にお仕事を訊かせていただいていいですか?」
A氏「精神科医です」(笑)
ちなみに、この部分はネタでもなんでもなくて、A氏は本当に精神科医なんです。ただ、精神科医を生業とする彼が、こういうイタズラで記者さんをイジって遊ぶのは如何なものかと(苦笑)。
記者さんがこのBlogを目にするようなことはまずないだろうけれど、こうした街角インタビューでの情報の信頼性はこの程度なんだろうな、というお話でもありますね。あのインタビュー、果たして記事で採用されたかどうか?都内にお住まいの方、もし宜しければ月曜日の都内版をご確認くださいませ。序盤のデタラメを見抜いてカットし、マトモに話し始めてからの部分をうまく抽出できているかどうかが、彼女の腕の見せ所になりますかね。それとも、注文通りの「おいしいネタ」として、「心のふるさと」を採用してたりして。
とはいえ、あの真剣な取材態度が、「冗談半分のコメントを出す一般市民から、本音の部分を引き出すための取材テクニック」として計算された「演技」なのだとしたら、若い割にかなりしたたかな記者さんなのかもしれません。A氏の「心のふるさと」発言を、本気で受け止めたかのように自分達を騙していたのであれば、すっかり騙されたのはお姉さんではなくて、長めのインタビューに途中からマジメにコメントしていた友人A氏ってことになります。そう思えば、2人の「心理戦」をもう少し眺めていても面白かったのかも。見逃して残念。
取材を終えて、大通りに歩き出します。空が高い。写真には写っていませんが、青い空には取材のヘリも飛んでます。今頃みんなトミン走ってるかなあ。でも、眠いし寒いから今日はいいや(苦笑)。
友人A氏の目的地は3カ所。レンタルショーケースのある「ラジオ会館」、ほめまくり&皿割りカフェバー「ほめほめ☆さらさら」と、連邦軍制服などコスプレグッズ販売の
全画面表示「コスパ秋葉原」。ラジオ会館って、そんな店だったっけ?自分が持っているラジオ会館のイメージは、電気部品が雑多に並んでいる店だったんだけど。
で、行きましたよ、ラジオ会館。写真撮影は禁止されているので画像ではご紹介できませんが、30cm角くらいの透明プラスチック製のケースにフィギュアやらプラモデル(今はこういう言い方しないのかな?)やらがギッシリ詰まっていて、それが所狭しと並べられています。それぞれのケースが個人の出品ブースってわけで、ケースに納められたフィギュア等は商品として値札がついており、売れたら売り上げが出品者に入る仕組みなんだそうな。よくもまあ、こんな商売思いつくよなー。他の地方では絶対に成り立たない商業モデルだろうな、コレ。かなりエロいフィギュアもこれまた普通に並べられていましたが、自分のそういう趣味を公開するって神経が自分にはなかなか理解しがたく感じました。一方、そんなフィギュアに混じって、何であえてここに並べるのかわからん、「普通の」リラックマのぬいぐるみがケース内に収められていたりもします。
あと、会館内の普通のお店に、武将のメタルフィギュアや、なぜか仏像とかも並んでいました。
戦国武将ブームはわかるけど、「なぜ仏像?」と思ったら、B氏によると「『歴女』が買うんじゃないですかね」と。うーん、なるほど。そのB氏から「おや?」と言う声が。
これはもう誰が買うのかさっぱり分からん。定価でほとんど10万円です。赤い彗星も、とうとう如来様と同列に崇められるようになったんでしょうか?(苦笑)
続いて、「ほめほめ☆さらさら」へ向かいます。その途中の路上では、猫耳をつけたメイドさんが至る所にいて、アニメ声で客引きしてます。見上げると、こんな感じでメイドさんが愛想振りまいてたり。スピーカーから大音量で呼び込みの宣伝メッセージが(「萌え萌え、きゅん!」とか...)流されてると思ったら、ビルのテラスでメイドさん達がパフォーマンス。
ちなみに、向かって左で両手を挙げているのは人形です。人形じゃなくて、等身大フィギュアとでも言うのかな?もう、10年前とはまったく別の街ですね。
自分も10年前くらいには、旧式化したPowerMacの延命を図るべくCPUカードやハードディスクなどのパーツを買いに行ったこともあるけれど、声をかけてくるのは怪しいコピーソフトを売りつけようとする、日本語の不自由そうな外国人ばかりだったもんですけどね。街角の至る所から「お帰りなさいませ、ご主人様ぁ!」とかの大合唱が聞こえてくるので、だんだん頭がグラグラしてきました(苦笑)。最近、水木しげるさんの著作を読んだばかりなので(「総員玉砕せよ!」その他)、「兵隊さん達はこんな日本を作るために、命を抛って戦ったんだろうか」という思いと、「いやいや、そのおかげでどんな表現をしても受け入れられる、平和で寛容な社会が出来たんだから、良かったんじゃないか」という思いが交錯しています(いまだ結論出ず)。
さて、さんざ探して「ほめほめ☆さらさら」までたどり着いたけど、どーにも気が進まない。この店、とにかくお客さんを褒めちぎっていい気分にさせる一方、陶器を投げつけて叩き壊すことでストレス解消をはかるコーナーがあるという、かなり変わった店です。その意味では、分かりやすい店名。
友人A氏とC氏は中に入って行ったけど、入り口のドアに「おほめ料500円」とか書いてあって(テーブルチャージのことらしい)、彼らが入って半開きになったドアから「いらっしゃいませ、あ・な・た様のような方をお待ちしておりましたぁ~ん」とか聞こえて来たから、もうダメ。申し訳ない、悪いけど俺無理だわ(苦笑)。ここの敷居をまたいだ瞬間、何かを失いそうな気がする(笑)。
A氏、C氏を店の中に残し、自分とB氏はすぐ近くのヤマギワに。B氏は家具が趣味ということで、フロアに着いたら「あ、Zanottaのコートハンガーだ!これ、欲しかったんですよ」「SEDUSの椅子ですね。これのヘッドレストがついてるのが良いんですよ。自分も持ってます」「Fritz Hansenですね。なかなかこのデザインが特徴的なんですよ」「これもFritz Hansen。こちらは合板を曲げた手すりのデザインが面白いですよね」とか、商品をパッと見ただけでメーカーの名前をどんどん言い当て、個々の商品の解説をつけて行く。これにはもうビックリ。お仕事はまったく家具関連ではないので、単なる趣味だというのに、なんでそんなに詳しいの?聞いてるこちらは、もうアゴ外れまくり(笑)。
さて、並んだ家具類は文句なくカッコいいのばかりだったけど、ウチがとてもその家具と調和するような部屋ではないのが問題ですな(笑)。さらに問題なのは、価格。椅子1脚で20万円、テーブル50万円ってタグが普通についてました。カッコいいのはよくわかるけど、なかなかココまでは出せないなあ。でも、買う買わないはさておき、優れた工業デザインって、見てるだけでも気持ちいいですね。美術館巡りをしている気分です。ただ、この不景気だけに高級家具市場は苦境にあるらしく、「ヤマギワさんも大阪店、名古屋店は閉店になったんですよねー」とB氏より。それにしてもよく知ってるなあ(笑)。家具を見るのも楽しかったけど、人それぞれ色んな趣味があるんだなあと思って、それもまた楽しかったです。
「ほめほめ☆さらさら」でお昼ご飯を食べているはずのA氏・C氏は放っといて、自分とB氏はラーメン屋さんに移動。秋葉原に来たらやっぱりここでしょう。
お昼時を外したというのに、今回も長い行列です。
意外だったのは、これ。
大きな寸胴鍋でスープが搬入されていました。本店だけに、スープはお店で作っているものと思いこんでいたのですが、別のところで仕込んでいるみたいですね。確かに、あの狭い厨房では、あれだけの行列のお客さんを捌きながら仕込みをするなんて無理ですよね。
頼んだのは、九州じゃんがら全部のせ。
もう何年ぶりだか忘れたけど、相変わらずウマイ。替え玉もして、お腹いっぱいになりました。
3カ所目の目的地であるコスパですが、じゃんがらを食べている間にA氏・C氏2人で回って来たらしく、自分とB氏は見てないです。
それにしても、アニメ関連の店が激増しているだけじゃなくて、個人出品のエロいフィギュアが当たり前のようにずらーっと並んでいたり、「ご主人様ぁ」とアニメ声で勧誘してくるメイド喫茶が至るところにあったりと、もはや秋葉原は電気街というより、むしろ歌舞伎町とコンセプトを異にする、新しいタイプの風俗店街としての性格をも持ちつつあるような気がします(お金を払って、直接的に気分良くしてもらう「接客サービスを買う」という意味で)。もちろん、客層や提供されるサービスはまったく違いますけれども、街行く人々を眺めるにつけ、訪れる人々のまず90%以上が男性と見えたところからも、極めて特殊な街だなあと思いました。
友人A氏は大学時代からの旧知の仲ですが、B氏・C氏とは今回初めて一緒にお出かけしたのだけれど、お話ししていてとても面白かったですね。秋葉原はともかく、またお目にかかれる機会を楽しみにしています。それにしても、こんなよく晴れた日曜日、アラフォー独身男子4人で何をやってたんだか(苦笑)。