40時間耐久勤務が終わりましたよ。
僕らのギョーカイじゃ、当直ってのは
日勤→そのまま夜勤→そのまま次の日の日勤→当然そのまま残業→やっと帰れる
って状況なのは、自分の身近な方にはご理解頂いているのだけれど、今月はこんな勤務がこれで3回。4/26は丸1日休みだったけど、今日のためにあえて何もせず休んでおいたのは正解だったなと思っているところです。今日はほんとは祝日で、当直があけたら帰れるはずだったのに、オンコール(呼び出し当番)だったために当直の先生から何度か呼ばれてしまい、結局こんな時間(22時)まで職場にカンヅメになる羽目に。休みだったのに...と思うと疲労感倍増ですが、まあ、そうはいっても通常の日勤よりは忙しくなかったので、もともと平日だったと思えば大したことはないのだけれど。
さて、皆様にお願い。
ご存じない方のために、病院の救急外来はあくまで「救急」外来なのであって、「夜間外来」ではないってことを教えてあげて下さい。医者は普通に1日仕事をしてから一晩中当直業務にあたり、そのまま翌日も普通に働きます。いってみれば、3交代勤務の4勤務帯以上、職場に缶詰になるわけです。「夜勤前は休みなので仮眠を取って出勤し、夜勤明けには帰ってお休み」という普通の仕事の常識がまったく通用しない世界です。これは今働いている病院だけではなく、日本全国ほぼ同じ状況だと思いますし、残念ながらこの状況が改善される見込みはまったくありません。
30代くらいまでは、当直あけでも辛いながらもなんとか頑張れたのですが(体はボロボロでも気持ちくらいはなんとか前向きっつーか)、40代にもなってくると、当直翌日の外来、手術がかなり厳しいと感じるようになりました。体力的にきつい中で手術に臨むのは、正直なところ担当患者さんに申し訳ないと感じます。もちろん、疲れているからといって手抜きすることは決してありませんが(むしろ、疲れているからこそ手抜きにならないように気を引き締めるところもあったり)、自分では頑張っているつもりでも、客観的に観れば能力が低下している可能性は否定できません。同じ腕ならば、充分休息した医者と、徹夜明けの医者がいれば、手術してもらうなら体力十分の医者を選びたいと普通は思いますよね。
そういう状況で、夜中に
「1週間前から痛かったんだけど」
(じゃ、なぜ昼間の外来に来ない?なぜ1週間放っておいたのにあと8時間が待てない?)
「明日は休日だから病院お休みでしょ」(夜は何曜日だって休み!)
「明日は仕事があるから」(オレだって明日仕事じゃ!)
「昼間に来るよりすいてるんだよね」(ふざけんな!)
とかいうのは、正直勘弁してもらいたいわけです。
それと、「交通事故だから」と夜中に救急車を呼んで、スタスタ歩いてくる人も勘弁して欲しい。ひどい人になると「追突されて車が少し揺れたけど、全然どこもぶつけてないし、痛くもなんともない。でも、事故だから念のため、ね」とか平気で言います。
午前1時とかにこれをやられると、とても営業スマイルは浮かべてられません。最近は自分も多少図々しくなったのか、こういう人にはひとこと言わせてもらう
ようにしています。
交通事故だからといって、必ずしも事故直後に診察を受ける必要はありません。軽いむち打ち程度の人は、次の日で全然問題ないんです。「直後」に受診しないと保険が下りない、なんてこともありませんから。保険については、少なくとも翌日なら大丈夫。なにしろ、事故日と初診日が違う診断書なんて今まで山ほど書いてますからね。それでも心配なら、まず保険会社の事故対応24時間電話サービスに連絡して相談するといいでしょう。
事故であっても、軽傷なら救急車も呼ぶ必要はありません。救急車でなくてもちゃんと診察しますし、救急車で来た人でも、ひと目みて「たいしたことない」とわかる人は、普通に順番通りキッチリ待ってもらった上で診察します。救急車から元気に降りてきた人より、つらいのに自力で頑張って病院に来て、じっと待ってる人を優先します。
もちろん!「苦しい」とか、「ひどくおなかが痛い」とか、「たった今ケガした」とか、そういう人は、ためらわずに病院にいらしていただきたい。我慢したお陰で手遅れに、なんてことになってはいけません。そうした方に出来るだけ早く手当をさせてもらうために、僕らは頑張って当直しています。
久しぶりに、ちょっとグチでした(笑)。基本、楽しくないことはBlogには書かないようにしているのだけれど、これは言ってもいいかと思ったので。
さあ、明日に備えて帰ろ帰ろ。