AlexanderTechniqueヨガ講座:第31回目
「頭と背中の連続性 その2」9月1日
前回は基本姿勢で、指先を前に向けて両手をマットにつけました。
これは普通の三転倒立で使われる手の置き方です。
それで、滑らかに両足を浮上させてもらうというのがテーマです。
しかし実際にやってみると、なかなかうまく足が持ち上がらないという人が多いかと思います。
理由は頭と背中の連続性「Head-Neck-Back co-ordination」ができていないからです。
「どうすればできるのか?」といったら答えは簡単。
ひたすら練習するしかありません。
自転車に乗るのにも練習したでしょ?
そしてフラフラ運転や転倒したりとかを繰り返しているうちに小脳の学習機能によって、
バランスが体で自然に理解していきます。
小脳のプリキンエ細胞というのが働いて無駄な動きを止めるそうです。
フィギュアスケートの空中3回転ともなると、もっと練習が必要になりますし、
私のような運動音痴だったら、一生かかってもできないでしょう。
でもヨガの逆立ちは万人向けのポーズで、駅前の教室でもごく普通に教えている、
自転車に乗るのと似たようなものです。だから練習していれば誰でもできるんです。
そこで今回は、もう少し足が簡単に上がりやすくするために、手の置き方を変えてみるのです。
1)頭頂をマットにつけて、両腕を伸ばします。そして手の甲をマットに置きます。
2)体を前後にユラユラ動かします。頭がゴロゴロ転がって、目線も床と天井を行き来します。
背中も前後に動いて、両脚はつま先支点に動きます。
3)頭が前に転がって背中がそれに追従して前に行く。これをアレキサンダーテクニックでは
「Head leads,Body follows」と表現します。
4)同時に手の甲でマットを押しつけると両足はフワッと浮かび上がります。
前回の三転倒立の姿勢よりも、ずっと簡単に足は持ち上がりますが、
その分、慣れないバランスで恐怖感がストップかけてしまうかもしれません。
だから足はほんの少し上げては下げるを何度も繰り返すのです。
慣れてしまえば恐怖を克服することができます。
こういうときにアドレナリンが多量分泌されて、筋肉活動はますますエネルギッシュになります。
ここでちょっとアレキサンダーテクニックからの考察です。
私は一昔前「頭に強い圧を加えるのは如何なものか?」と三転倒立を敬遠していましたが、
実際やってみると、頭の刺激がますます背骨を上に向かわせて伸びていくことがわかりました。
実はアレキサンダーテクニックのチェアワークでも、
FMアレキサンダー氏は同様のことをやっていたのです。
直弟子のパトリック・マクドナルド氏が
「FMは生徒の頭をよく押しつけていたよ。このとき押されたら逆に押し返す力が表われて、ますます背中が伸びていくのさ」
と当時のインタヴューで説明しています。
また学者レイモンドダートは熱心なアレキサンダーの学習者で、
自分でアレクサンダーを学習するための手順書(ダート・プロシージャー)を作りました。
この中にも頭での逆立ちがおこなわれています。
●スパイラル呼吸法™とパワーヨガ/クラニオセイクラル/アレクサンダーテクニーク/東京門前仲町レッスン
http://spiralb.com/
070-5594-6328
headneckup★gmail.com(星を@に変えてね)
吉田篤司