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【ただの備忘録】なんか整備工場のブログみたい。

2016年02月18日 21時49分03秒 | れっつDIY
 最近ねー、うちの工場で扱ってる商品用の中古車の整備したんですけど、そのときにおかしなことに気がつきまして。

 ヘッドライトスイッチをオンにすると、ハイビームにしてなくてもハイビームのインジケーターが点燈するのです。で、代わりにと言っちゃなんですが、ロービームが点燈しません。
 ハイビームのときはハイビームが普通に点燈します。

 まとめると、
 1.スモールランプのみ点燈時は影響なし
 2.ロービーム点燈時、ヘッドライト点燈せず、ハイビームインジケーターが点燈。スモールランプは問題無く点燈。
 3.ハイビーム点燈時は影響なし。

 車種はS230G。ダイハツのアトレーです。



 これはダイハツ販売店から頂戴したもので、サムネと同じ配線図ですが、ヘッドライト球までの電路を着色してあります。
 青い線はD1とD2、つまりヘッドライト点燈時のみ動作するものです。

 
 このスイッチの見方ですが、縦列のOFFと1、2はそれぞれ電源オフ、スモールライトスイッチオン、ヘッドライトスイッチオンを示すものです。
 その右側の列のHF、HL、HUはそれぞれパッシング、ロービーム、ハイビームの作動状態を表しており、OFFと1、2それぞれでどういう動作をさせられるかを表しています。
 横列はHMがハイビーム、HSがロービーム、EDはアース端子を表しています。
 その隣のD1とD2はヘッドライトリレーに電源供給を行う配線のスイッチ動作を表しており、D1とDが接続されている場合のみヘッドライトが点燈します。
 例えばOFFの場合、HFはパッシングなのでD1とD2が接続され、HMとEDが接続されているのでパッシングが動作します。ロービームとハイビームはD1とD2がつながっていないので点燈しません。
 1も同じですが、2ではみっつすべての動作モードでD1とD2が接続されているのがわかると思います。ロービームとハイビームの切り替え、およびパッシング動作が可能だということです。


 さて、それを踏まえたうえでもう一度こちらの画像をご覧ください。
 青は前述した通りヘッドライトをオン、もしくはパッシング操作時のヘッドライトリレーへの電源供給です。
 D1から入力された電流がD2に流出してヘッドライトリレーを動作させ、下向きの三角、アースに流れているのがわかると思います。
 するとピンクの線、メイク型のリレーを通ってヒューズブロックに入った電流がボックス内で左右それぞれ独立したヒューズを通過し、左右のヘッドライトに同時に流れています。
 ここで重要なのは、ヘッドライトスイッチの動作モードにかかわらず、ロー・ハイ両方のフィラメントに電圧がかかっているということです。

 というわけで、いろいろ調べてみました。
 まず第一……ヒューズ切れ。この段階ではまだ配線図をいただいていなかったので、ロービームとハイビームでヒューズが違うこともあるのかもしれないと思って、とにかくヒューズを引っこ抜いてみました。
 しかし左右とも異常無し。というか配線図を確認してわかりましたが、ハイビームとロービームの区別が無いためハイビームがつく時点でヒューズの問題は無し。

 その二……フィラメント切れ。左右いっぺんに切れてる可能性は薄いのですが、一応確認。可能性が薄いだけで、片方切れたのをほっといてもう一方も切れた可能性は否定出来ませんし。
 見た目には問題無さそうに見えます。
 次項で詳述しますが、次項のテストでロービーム側のフィラメントが点燈したため球切れは否定ネガティヴ

 その三……配線不良。後述しますが、この車両はAdとGlの端子番号3から電流が流入し、各コネクターの1もしくは2から流出して、スイッチの接続によって電流が流れます。なので、3の端子だけを電球の該当する端子に接続し、1もしくは2の端子にボディと接続した雑線を接触させれば、電路が成立して電球は点燈するはずです。
 結果はハイビーム、ロービームとも点燈。
 またダイハツから頂戴した配線図を見て気づきましたが、ハイビームが点燈する時点で3の端子までは電流が来ているため、そこまでの配線に異常はありません。
 またロー、ハイとも点燈したため球切れも完全に否定されます。
 以上の結果から、ヘッドライト球よりもスイッチ寄りのどこかの問題であると考えられます。

 その四……スイッチ不良。
 ステアリングホイールとステアリングコラムのカバーを取りはずしてコンビネーションスイッチを剥き出しにし、スイッチ裏側の端子をチョメチョメしてみる。
 具体的にはヘッドライトスイッチ位置を2にした状態でHLとHU、HF動作時のHM、HS端子とED端子の間の電気抵抗を計測、導通があるかどうかをチェックしてみます。
 導通とはテスターの検針を接触させた二ヶ所の間が電気的に接続されているかどうかで、導通が無い、つまり電気抵抗が無限大(デジタル式の場合は1と表示されるかもしれません……ただし数字の1ではなく無限大を表すインフィニティのIではないかと思われます)であれば電気は流れません。
 一本の配線の両端にテスターを当てて電気抵抗を測ったときに導通が無ければ、その配線の内部で断線が起こっています。
 この場合はスイッチの試験なので、たとえばHSとEDの端子にテスターの検針を当てた状態でヘッドライトスイッチを2、ロービームモードに操作したときに電気抵抗がゼロもしくはそれに近い状態にならなければ、両端子間の接続が不良、つまりスイッチ交換が必要であるという診断が出ます。
 D1とD2はハイビームが点燈してる時点で問題無いので無視です。
 結論から言うと、HSとEDの間には導通がきちんとありました。つまりスイッチの不良ではありません。また、ハイビームが点燈してる時点でEDからアース間も問題はありません。
 

 その五……配線不良その二。
 気になったのがオレンジで囲った部分、ハイビームインジケーターが点燈したことなんですよ。
 

 これはつまり、ロービーム時の実際の電気の流れがこうなっていることを示唆しているんです。


 すなわちロービーム側のアース配線とハイビームインジケーターの分岐点からHS端子までの間の配線の断線もしくは接続不良、配線不良による電気抵抗の増加です。

 それを踏まえてロービームをオンにした状態でAd端子の1と手近なボディアースの間の電気抵抗を測ってみると、十八オームありました。普通であればゼロに近いはずです。
 そこで今度は、運転席足元のパネルをはずすことで楽に触れる様になるヒューズブロックを取りはずし、裏側のJA端子1とDs端子の4、つまりHS端子までの間の電気抵抗を計測してみます。
 これも異常に電気抵抗が高かったです。


 つまり、こんな感じです。ロービームの場合はHS端子から流入した電流がEDからアースに流れ、ロービームが点燈します。ハイビーム側にも電圧はかかっていますが、スイッチが接続されていないため点燈しません。


 ハイビームに切り替えると、HSとED間が遮断され、行き場の無くなったロービーム側の電流はハイビームインジケーター側に流れてインジケーターを点燈させます。
 ロービームの場合は本来、アース線側のほうが電気抵抗が低いために電流がそちらに流れますが、JAの1とDsの4の間の配線が腐って電気抵抗がインジケーターより高くなり、インジケーター側に電流が逃げていたんです。

 なので、JAの1とDsの4の間の配線を作り直しました。といってもオートバックスに行ってもコネクターに組み込めるタイプの圧着端子が売ってなかったので、本来の配線をはずして両端の端子部分だけをいくらか余長を残して切り離し、新たに用意したアース線と縒り合せる様にして接続し、テープで絶縁してから再度コネクターに接続しました。
 そうしたら、ヘッドライトが正常に点燈する様になりました。
 
 オチ? いいや、自分が整理して記録しとくためだけの記事だから、無いよそんなもん。
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