開業してかれこれ15年近くになる。最初は英語塾だったのに、今ではすっかり技術翻訳者。文芸書の翻訳などしていないので、「翻訳家」と名乗ることはない。インターネット接続環境さえあれば、どこでも仕事ができる。だから、私は田舎に引っ越して来ることができた。
その経緯を考えると、決して「田舎で起業」したわけではないのだが、昨今の「田舎暮らし」ブームもあり、「田舎で翻訳」というと、ある意味、現在のトレンドにうまく乗っているように聞こえる。
田舎には、農業や漁業など、都市部とは異なるビジネスチャンスが眠っていると思う。私自身、田舎で暮らしていると、色々とアイデアが浮かぶのだが、何しろ、朝から晩まで技術文書の翻訳に追われている身なので、行動が伴わない。
田舎暮らし(とはいっても、私の住んでいる所は住宅地として売り出された区画なので、自宅の周りは比較的新しい住宅に囲まれていて、いわゆる「田舎」の風景ではない)なのに、書店では田舎暮らしをテーマにした書物をよく手に取る。つい最近書店で買った本がこれ。
田舎で起業! (平凡社新書) 価格:¥ 756(税込) 発売日:2004-02-19 |
すでに起業しているのだが、パラパラとめくったら、内容がおもしろそうだった。全国の田舎で成功した事業の事例について書かれているし、成功の要因、田舎で起業するときの注意点など、なかなか鋭い視線が興味深い。
これから、故郷、田舎で何か始めたいという人は、行動を起こす前に読んでみると参考になるだろう。ひょっとしたら、思いとどまるかもしれないし、あるいは、背中を押されることになるかもしれない。