サンデーたかひろ

絵描き・ながさわたかひろの制作実況 “from Machida, Tokyo”

柳家喬太郎に褒められたくて

2012年01月22日 | 美術手帖(BT)

 今週は二度も寄席に行ってしまいました…

しかも同じ寄席、同じプログラム。上野の鈴本演芸場に二度。お金ないのに…バカ!

いや、バカじゃないんだ。

だって「柳家喬太郎に褒められたくて」が完成したんですもん!

ワーイ、パチパチパチパチ。

 

都合、喬太郎さんとは、4回お会いしました。

いや、「お会いした」なんて言えるようなものじゃない、一方的な「出待ち」です。

 

最初は「SWA FINAL」のとき。先週お伝えした通り、本多劇場の楽屋にて。

これは出待ちじゃなく、バックステージパスありの態(!)

…うそ。昇太さんにお願いして。

ところが、あろうことか、このとき撮ったお写真が、ああ~

ちゃんと、ちゃんと撮れてなかったの。

だって、手の震えが止まらなくて。 バカ~

フ~ 仕方ない。その顛末を漫画にして(先週のやつですね)、製版して版画にして、それを持って12月14日(赤穂浪士討ち入りの日!)、よみうりホール「市馬・昇太・喬太郎三人会/忠臣蔵でござる」へ向かいました。

「もう一度、喬太郎さんを撮らせて下さい!」

チャンスは、そう何度ももらえるわけじゃない。冷静になれば分かります。

でもその時は必死だから。分かんない。なんとかなる!そう思う。

そんな思いを汲んでもらえたのかもしれないし、単に“危ない奴”って思われたのかもしれませんが、

何れにせよ「いいですよ」と、快く応じてもらえて。泣いちゃうじゃないですか、やっぱり。

 

で、そんなことを経て、今度はしっかり、描いて、刷って、で、3回目。

先週の月曜日。上野・鈴本演芸場。正月二之席(11~20日)、夜のトリが喬太郎さんです。

この日の演目は「転宅」。

でも高座のあとに声をかけられるかっていうと、難しい。圧倒されちゃって。

それでもね、これまでのやりとりが、臆する自分を押してくれるんです。

いざ、楽屋口へ!

コンコン…

は~い、

最初に応対してくれたのは、二つ目の、さん弥さんでした。

「喬太郎さんにお会いしたいのですが…」

「あ~、どうもありがとうございます」と喬太郎さん、しっかり覚えていていただけてて。嬉しい。

「作品、出来上がりました。見て下さい!」

 

ドキドキでしょ? 「ほう、ほう」と。

でも、この日は「少し預からせていただいてもよろしいですか?」と。

「あ、はい。もちろん構いません。宜しくお願いします…」

「私からご連絡しますから」と。ととと!

 

さぁ、翌日は大変。ケータイ握りしめ、すぐ出れるように。ソワソワしちゃって仕事にならない。

しかし、何時になれど、ケータイ、鳴らず…

フー

そうだよな。喬太郎さんが連絡くれるなんてね、そんな… バカだね、オレは。

枕を濡らした日。

 

翌日も、やっぱり同じか。フー

と、しかし、日も暮れ始めたころ、電話が鳴りました!

 

「ハイ、もしもし」

「柳家喬太郎ですが…」

「アーーーッ!」…

 

翌日、喜び勇み、再び鈴本演芸場へ。

でも、ホクホクしてたわけじゃありません。だって、どんな答えが返ってくるかは分からないんだから。

バクバクです。震えてます。

 

この日は、中入り前の桃月庵白酒さんがお休みで、その代演が林家正蔵さんでした。

「何だ、こぶ平かぁ」って。ところがどうして、これがビックリ!良かった~

演目は「一文笛」。

食わず嫌いは、よろしくないね。人を色眼鏡で見ちゃいけません。反省しなきゃ…

 

さて、トリの喬太郎さん。演目は「小言幸兵衛」。これがまた、もう…参った。

もう話しかけられそうにない。

オレなんかが話かけられる人じゃないんだよ、この人は!身の程をわきまえなきゃ。

で、それでどうするの?帰るの?

いや、でも約束したんだから…って、腹を決めて楽屋口へ向かいました。

もう、口ん中はカラッカラ。声も出ません。

鈴本の楽屋口はトイレに行く途中にあるので、そこに突っ立ってると、他のお客さんから見たら、

「いい年して、弟子入り志願かしら?」ってなもんです。

コンコン…返答なし。

コンコン…返答なし。

突っ立って、だんまり…

 

しばらくして、ガチャ

出てこられたのは、あっ!帰りがけの喬太郎さんです。

その手には、僕の作った手製のカルトンが…

 

(つづく)

 

 

なんて。

随分長くなっちゃった。

つらつら書いていくと、ダラダラ長くなってしまいます。

この先、まだまだダラダラと書き進め、それから今度は話を詰めて、問題なければ「美術手帖」の来月号に載ると思います。今日中にやります。

来月、是非、確かめてみて下さい。載ってなかったりして。ハハハって、いや、笑い事じゃなく、あり得ますから…

今月が昇太さんで、来月が喬太郎さん。

噺家さんが続く、ってホントは良くないんでしょうけど、ここ、繋がってますんでね。

「今、描きたい人」ってことで自由にやらせてもらってます。

ありがたい、ありがたい。

 

 

追記)今日は、来月の立川談春独演会「アナザーワールド11」の発売日。

   なんだかんだやってたら、バッチリ、取り損ねました。。。

   早々に完売した模様。人気ありますね~

   トホホ…

 

 

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2 コメント

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美術手帖 (よこ山)
2012-01-23 00:05:26
2月号見ました。
美術手帖では話がかなりコンパクトにまとまって
いますが、やはりこうした悲喜交々があるんですね。
次号も楽しみにしています。
返信する
Unknown (ながさわ)
2012-01-23 00:28:03
そうなんです。
まとめるのがヘタなんだと思います。要約できないんです。
でも、わりと時間軸って大切なので、本来かかった時間だけ文量も増えていいはずなんです。
その辺、なかなか、うまいこといきません。

次号、なんとかまとまりました。
是非、ご覧下さい!
返信する

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