サンデーたかひろ

絵描き・ながさわたかひろの制作実況 “from Machida, Tokyo”

野村克也に褒められたか?

2008年06月01日 | 野村克也
さて、行ってきました。
ところは八重洲ブックセンター。すでに、長蛇…でもない列が出来ています。
が、前回の教訓もあります。サイン会の終了間際に最後尾に付くことにしましょう。
まずは沙知代夫人の処女小説「老疼の雫」を購入。
これは、脱税容疑で逮捕された東京拘置所内で執筆されたものらしいです。
永山則夫「無知の涙」ってとこかな。内包する重さは違うけどね。
帯には「私の人生に空白は許されない!」とあります。
写真は、仙台七夕まつりのものだと思いますが、ここらのチョイス、大好きです。
(永山則夫の出身は青森、仙台七夕に対する青森ねぶた、東北三大夏祭り繋がり。楽天が仙台、もしくは宮城ではなく「東北」と括った、その偽善に懸けたものでしょう)
一緒にノムさんの新刊本も並べられていましたが、僕のまだ読んでいない本が一冊増えてました。
ノムさんが今年に入って上梓した本、これで三冊か。
この人、いつ書いてるのだろう。恐るべき72歳です。

…間もなく沙知代夫人登場、報道陣の囲み取材が始まりました。ノムさんは…
居た!いたいた!我が身、一瞬にして引き締まります。
シーズンオフだった前回は何だか気の抜けたオッサンに見えなくもなかった(だからそういう絵になってる)のですが、流石にシーズン中は違いますね。生気が漲っている。コワい。一場の気持ちがよく分かる。目つきが怖い。僕等は皆この人の前において、カエルだ。
しかし、今日の主役はあくまでも沙知代夫人。
サイン会が始まると己は黒子に徹し、夫人のサインの横に「Saちー」印のシール貼りをしておられました。嘆かわしい…

しばらくそれを見ていると、これからどのようにして作品を渡そうか、イメージ出来るようになります。
ノムさんは基本的にシールを貼るだけ。暇そうだ。でもそれを苦にもしていないご様子。
ご自身が仰るように、ジっとしてるのが一番の健康法なのでしょう。おそらく思考停止状態。
時折、話しかけてくるオジさんにも「へへっ」と答えるだけです。
あとは、剥がしたシールを右手親指につけて、サイン本が廻ってくるのを待つのみ。目の前に本が置かれると貼る。それだけ。

さて、用意された整理券の配布が終了したようです。
僕も列の最後尾に並びます。
この日は僕一人で参戦するつもりだったのですが、JR国分寺の駅改札を通るときにある男に呼び止められ、振り返るとぺ ヨンジュン。否、よく見ると後輩の○ムラタカシ君(無職)でした。
「いい仕事あるよ!」
何のことかは伝えぬままにふたり連れ立ち、東京へ向かいました。
カメラ係です。宜しく!
下準備はしておくにこしたことはない。順番待ちの間、二人でイメージトレーニングを繰り返します。
こうきたら、どうする?
こうしたら、どうなる?


さぁ、いよいよ…



まずは、夫人にお伺いを立てなくてはなりません。
「前回ここで行われたサイン会で、監督の写真を撮らせていただいた者です。
 その時お約束した版画作品が出来上がりました。持ってきたので見ていただけますか?」 

沙知代夫人 「あら、ご苦労様。見せてよ」
    僕 「はい(ゴソゴソゴソ…)、これです」
沙知代夫人 「!(ノムさんに作品を渡して)ほらアナタ、見て!」

わが作品が、ノムさんの元へ
ノムさん、まだ眠りから覚めず…
僕「その絵、受け取って下さい」

さて問題はこれから…
「じつはもう1枚ありまして、こっちにはノムさんのコメントをいただきたいんです。そのために描きました。宜しくお願いします」

ノムさん目覚める!
 頭抱え…「びぇ~っ!いきなり言われても書けないよ」

ノムさん 「ここにサインしてあるんじゃないの?」
   僕 「いえ、それは以前書いてもらったものを刷っているのであって、
      いや、サインではなくコメントが欲しいのであって…」
ノムさん 「困ったなぁ」

(ごめんなさい。そうだ、本来こんなお願いの仕方はルール違反なんだ。それは分かってる。しかし…)

隣のオバさん(誰?)
     「お兄さん、名前だけにしてもらいなさい」
   僕 「そ、そうですね。スミマセン…」

嗚呼、がしかし、おもむろに筆を走らせ始めるノムさん!


 隣オバ 「あら~、お兄さん、宝物よコレ」
   僕 「はい、そうですよね」
 隣オバ 「何て書いてあるのか聞かなくていいの?」(うるせえなぁ見りゃわかるよ!)
   僕 「達筆ですよね。でもしっかり読めます」

ノムさん 「…好きな言葉だ」
   僕 「ありがとうございます!楽天、応援してます!僕もこの言葉を背にして頑張ります!」

サッチー 「粘ったかいがあったじゃないの」
   僕 「ハイ!ありがとうございました!」

2年越しのノム作品、完成しました。


『考え方が変われば行動が変わる
 行動が変われば習慣が変わる
 習慣が変われば人格が変わる
 人格が変われば運命が変わる』

これは「野村ノート」に書かれてある言葉ですよね。本来ならこの後 『運命が変われば人生が変わる』と結ばれる。
「野村ノート」はノムさんが楽天監督就任時に上梓された一冊で、全楽天ファン並びに選手必読の書、バイブルである。
一番いい言葉をいただけたと思います。

思えば2005年12月2日、ノムさんの監督就任記者会見が行われ、今後目指す野球の方向性が打ち出された。
僕はその翌日から意識的にノムさんの言葉を自分のフィールドに置き換えるようにし、自分の作品自体を変えていったのである。
3年計画。ノムさんが3年で闘えるチームにすると言ったから、3年計画。これは嘘ではなく今、現実味を帯び始めている。
ヤクルト時代もそうだったし、残念ながら阪神では例の脱税疑惑で志半ばとなったものの、トンデモ野球を充分に楽しませてもらった。
そして今年の楽天には、そのカタチが今、見え始めています。
僕もこの3年間は対外的に発表する場を持たないと決めて、自分の中でしか動きようのない絵を描くことで精進してきました。
でも、もうそろそろいいだろう。動き出しても良さそうだ。もうお金も無くなっちゃったし。そろそろ稼がなきゃな。



沙知代夫人のサインには「生涯現役」と書かれていました。これって、ノムさんの言葉だったようにも思うが…
二人三脚、一心同体ってことかな。
帰り際、ノムさんの囲み取材が始まったので、沙知代夫人と少しお話することができました。
前回同様、沙知代夫人に救われました。
ノムさんの影にこの人あり。恐るべし、勝利の女神!
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1 コメント

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Unknown (sam)
2020-02-17 08:48:37
ノムさん⚾️
サッチー
貴重なお話出来て良かったですね。
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