サンデーたかひろ

絵描き・ながさわたかひろの制作実況 “from Machida, Tokyo”

シュヴァンクマイエルに褒められたくて その2

2007年09月23日 | Jan Svankmajer
ヤン・シュヴァンクマイエル氏にお会いした時、僕はこう言いました。
「アナタを『鏡の国のアリス』の世界観に結びつけた作品を描きます」
参考資料として持参したのは『ちてしゃん』です。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/8d/036a801f9454ddea23ff29d1349207f3.jpg

その時、Mr.はどこか怪訝な顔をしておられるように見えました。
それは、自分とドゥシャン・カーライ氏、お二人の姿をアリスの連作という形で結びつけようとする、僕の姿勢に対するものだったろうか?
それとも、チェコとスロバキアを一緒くたに捉える無知で短絡的な極東の小僧に向けられたものであったのか?
ん?
そうではなく、単にテメエの絵を気に入らなかっただけだろってか? (うん、それは言うなよ)
…考え過ぎ。要はその時の僕自身が何か引け目を感じてたってこと。
きっとそうだ。
アリス世界にこだわりすぎると、やがてその視点は否が応でも原作者ルイス・キャロルへ向かうもので、
じゃぁ、そこに描かれたカーライ氏って何なの?って、描き進める程にその意図が希薄になっていく、みたいなね。
「ちてしゃん」の後、そんな反省から描き始めたのが『カーライに褒められたくて』で、
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/99/99734b37812d083ec50cdc570bda3e46.jpg
一枚じゃ終われなくなっちゃったんだ。

Mr.シュヴァンクマイエルにお見せした「ちてしゃん」は確か3rdステート(完成前のもの)だったし、そりゃ引け目も感じるわな。うん。

でね、今回はドジソン卿のアリス、そのキャラクターから離れて、Mr.シュヴァンクマイエルの作品世界から感じとるアリス像を追おうとするわけです。

『鏡の国のヤン』

1stステート


似てねぇよって、君は言うかい?
そう、そうねぇ…
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