「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

お水取

2006年03月14日 | みやびの世界
 今晩は修二会の最終日。この日はいつものお松明と異なり、10本のお松明が短い間隔で一度に上堂して回廊に並びます。14日間続いた行法のクライマックスです。

 二月堂で響き渡る籠の僧の達陀(だったん)の沓音。打ち振られる松明の火の粉を浴びながら、人々の歓声の中で、不思議な感動に包まれて夜の闇の中に立ち続けていた遠い日の思い出があります。

 松明からこぼれ墜ちた、先端の焼け焦げた杉の小枝を拾って帰りました。

 すでに死の宣告を受け容れていた友への土産にするためでした。真言の寺に生まれた彼女はことのほか喜んでくれました。お彼岸が過ぎて桜の花の散るころ、旅立ってゆきました。



 いつもコメントをくださる香HAILLさんが、お友達の写真愛好家が撮影された画像ということで、配信してくださいました。お許しを得てUPしました。
 このような位置からの撮影は、どんなにかご苦労がおありのことと思います。
      ありがとうございました。 (マウス・ONで画像は静止します。


東大寺二月堂修二会

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      二月堂遠景                  最終日に上堂した松明                 振り回されるお松明
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お籠の練行衆とお松明に奉仕する童子