「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

よく似た漢字 その二

2005年08月17日 | ああ!日本語
 ひところ昔出た本をそっくりに製版造本することがはやりました。いわゆる「フッコク版」です。文部省発行の、「尋常小学 修身書」など、驚いて手にした記憶があります。このフッコクをどう書くかです。

 国語辞書でもこれが統一されていないのをご存知でしょうか。 「復刻」「複  刻」「覆刻」の三種類があります
  岩波国語辞典   覆刻      広辞苑 覆刻・復刻
  旺文社漢和辞典  複刻    小学館日本国語大辞典 覆刻、復刻
  大修館漢和辞典  複刻    YAHOO辞書  復刻・覆刻 

 手許にある辞書だけでも以上のとおりです。つまり、国語辞典の系統では復刻、漢和辞典の系統では複刻、(私のパソコンでは変換の選択肢の中に複刻はありません)「ふく」の意味をどう捉えるかで異なるのでしょうが、よく似た内容の複製、複写などの語が、復製、復写とは書かないので、私は複刻としたいのですが・・・・・・・・・・

粉・紛も、 大学紛争 粉飾決算 紛らわしい限りです。
音が同じ上に、老眼には文字の形が見定めがたいほど似通っています。一字、一字の字の持つ意味の違いはよく判っているのですが、フンソウ、フンショク、と熟語となると迷うのではないでしょうか。

慢 漫  綱 網  効 郊  裁 栽 そして日常よく工事現場などで目にする除と徐の間違いがあります。踏み切りの立て札に[危い!除行]とあるのを見たことがあります。 テロの疑いを持たれないように、危険視されるものは荷物の中から除いて置いて行け ということかもしれません。ついでに危いは危ないですよね。

こんな文句はどうでしょう「高慢、怠慢、我慢に自慢は慢性で、水は漫々、漫画に漫才、とりとめもなく注意散漫、漫然と・・・・・・」限りがありません。