今夜の彼の声は、
直接耳元に聞こえた。
その声が、
とても色っぽくて、
意外に男らしい。
彼からすれば、
私が、彼の名を下の名前で呼び捨てにすることは、
とても生意気だと感じたのは言うまでもない。
そのことで、私は今日、お仕置きを受けないといけなかった。
私が、彼の男の象徴を欲しがっても、焦らされて、
そして今度は、
もうやめてと必死に頼んでも、やめてもらえない。
そんなことを
耳元で聞かされて歩いていたら、
身体はもう、その時点で反応してしまって、
まっすぐ歩けない。
私の中のMが、
とても心地よくなってくる。
俺を感じさせるには、どうすればいいと思う?
その問いかけに、バカな女は、バカの一つ覚えのような答えしか思いつかなかった。
教えてあげようか。
それはね、
きみが気持ちよくなることだよ。
その姿を見て、俺は興奮する。
自分が気持ちよくならなくても、いいんだよ。
意外だった。
私は、彼の前で、気持ちよくなりさえすれば、
それだけで、彼をも満足させられるのだ。
そしたら、
自分の世界に入って、
恥じらうことも忘れて、
ただ、快楽だけを求めてやる。
だからなのか、
夜、寝る前、体が熱って仕方がない。
今夜は夫がいるというのに、
この状況はどうすることもできない。
だったら、
これからすることを
彼に見てもらおう。