私と彼の秘密 今思うこと

彼とのLINEは、いつか消した方がいい。
それは、残された人のために…



20年前の記憶。

2023-06-12 08:41:00 | 日記

雨がザーザーと降っている。

 

私は、車の中で、娘が乗ってくるのを待っていた。

 

今朝は、まだ朝ごはんを食べてない。

 

代わりに、クッキーを摘んだ。

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと、看護師さんがやって来て、言った。

 

朝から、何も食べてないでしょう。

 

甘いものを食べたら、しっかり目が覚めるよ。

 

そう言って、2枚のクッキーをくれた。

 

20年前のあの日。

 

私は、手術台の上に乗って、呼吸器をつけられ、

 

3回ほど息をしたら、

 

眩しかったライトの光が遠のいて、

 

そして目が覚めたら、部屋のベッドの上だった。

 

あの子は、

 

私の子宮から、

 

かき出されたんだ。

 

あの日、

 

私の生理用ショーツは、いつも使ってる物だった。

 

お産の時のように、新しいものを買う気になれなかった。

 

 

 そんなことまで全て、忘れずに覚えている。


思い出さないだけで、ちゃんと覚えている。











いま、なぜ、あの子が会いに来たんだろう。

 

 

 

 

 




助手席のドアが開いた。

 

雨の音が、私の耳に戻って来た。

 

娘が言った。

 

お母さん、44分発に乗れるかな?

 

時刻は、38分。

 

大丈夫!

 

私はそう言って、アクセルを踏んだ。

 

 

 

 

 

 

 



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