私と彼の秘密 今思うこと

彼とのLINEは、いつか消した方がいい。
それは、残された人のために…



妄想

2022-08-22 09:42:00 | 日記

この日曜日の夜は、

彼の家族は外泊。

私の夫も、夜勤。

私達は、一晩中会える。





車を走らせよう。

私は、そちらの方向へ。

あなたは、こちらの方向へ。

どのあたりで会えるかな?

でも、私は、そんなに遠くまで運転したことがないの。

だから、だいぶこっち寄りでお願いします。


私達は、どんな顔して会うのかな?

2人で美味しいもの食べよ。

ニンニクの効いたやつ。

2人で臭くなりたいの。

慣れないビールもおつきあいするね。


その後は、宿を探そう。

田舎の国道沿いの存在を忘れられたようなラブホしか、空室がない。

私は、あなたとなら、どこだって構わない。

抱き合える時間は限られている。

日の出前には、お別れしないといけないから。


どうか、このまま時間が止まりますように。




彼は、日曜日の家族の外泊を

あまり早く言って期待させると、そうじゃなくなった時に落胆させると悪いから。
と、

そう言って、直前に教えてくれた。

彼は、やはり、紳士だ。

私も、夫が夜勤だとわかった時は、神様からお許しをもらえたような気持ちになって、

手放しで喜んだ。




それなのに、

金曜日の夜、

親戚から電話があった。

夫はすぐに、日曜日の仕事を休む連絡を入れた。

私は、喪服を確認した。





そのまま週末を迎えて、彼との連絡は途絶えたまま、

今朝、知った。

彼の方でも、祖母の危篤と、ご臨終。

それと同時に、お母さんの入院…。







私達が会うことは、

偶然にも、

お互いの身内の不幸によって、叶わないものとなった。

数日前に、誰がこんな事態を予測できただろう。


やっぱり、お互い、後ろめたさがある限り、ご先祖様も、これ以上の関係をよく思われてないのかもしれない。




いいえ、これは、妄想。


私達は、会う約束など、みじんもしていない。

妄想することは、

誰にも邪魔されないし、誰にも迷惑をかけない。そして、

誰も、悲しませない。

私の唯一、彼に対して許されること。



単に、会える時が、今ではなかったということ。







私は、彼から連絡をもらった後、

どれだけ大変なのかを考えた。

おそらく、仕切る方になる場合もあるだろうから。

私のことなんて、頭の片隅にも有ってはならないし、

有るわけが無い。



どうか、無事に告別式が終わりますように。

お母様の具合が、1日でも早く良くなりますように。




そう願いながら、

私はしばらく、ここで待とうと考えていた。








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