少しばかり、眠ったみたい。
起きたらもう、犬の散歩に行ってる時間。
雨の音は、彼と繋がった時とおなじように聞こえてきて、
もう、やめとこう。
そんな気にさせた。
行ける時に行けばいい。
早朝から、理想の話をした。
ここは、理想の場所よね!
違うよ。理想ではない。
現実とは違うただの居心地の良い場所。
俺の理想は、偉大すぎて、遠くに置いてあるんだよ。彼は、そんなことを言う。
そこは、毎日見れる場所で、
棚の上。
電車や飛行機の棚に置いておくと忘れるから、
神棚の上。
あなたは、
きっと、ずっと悩んできたんだね。
そしたら、
今も、悩んでるよ。
悩みはみんなあるでしょう?って。
私にだってあるよ。
よく考えてみたら、全部悩み事。
こんな関係だって、なんで?
愛しあえない関係って、なんで?
なんで?
なんで?
人生振り返ったら、
悩み事ばかりだった。
笑えてきた。
彼は、全て把握していたかのように、
ほらね。そう言った。
昔から脳は、それを乗り越える術をちゃんと知っているんだよ。
確かに。悩み事は、世の常だもんね。
白々と、世が開けてきた。
彼が、現実の世界へ戻る時刻。
最後に、優しく抱いてくれた。
でも、いつもより力強い。
頭の髪の生え際をホールドされて、
子宮が壊れそうになるのを感じた時、
天極に昇り詰めた。
逝けたね。
彼は、いつも、私の様子が手に取るようにわかる。
私だけ気持ち良くなってごめんなさい。
そう言ったら、
それで良いんだよ。って笑ってくれた。
刺激よりも、役に立ったと思うだけで幸せ感じるんだよ。
私は、甘えられた。
幸せな気持ちで満たされた。
同時に、彼は、現実の世界へ戻って行ったのを感じた。
なぜなら、
優しいのね。の文字は、いつまでも、既読にならなかったから。