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クリエイティブが大好きなのに、なぜか商社マンになってしまった私のマニアバース!

芦川いづみ祭り2024!第7弾 『私は泣かない』

2024-06-29 19:09:45 | 芦川いづみ

このシリーズは早くも今年第7弾となったが、今回は1966年の日活モノクロ作品、『私は泣かない』をAmazon Prime Videoで観賞した。和泉雅子と山内賢の主演作品で、お目当ての芦川いづみは残念ながら2番手の配役ではあるが、相変わらずのキレイなお姉さんぶりを発揮した存在感だったので、満足である(笑)。

この頃、和泉雅子 x 山内賢というペアの作品は実に多く撮られていた。吉永小百合 x 浜田光夫と同じくらい、競演作が多かったが、これもその1本。芦川いづみ出演作品としては、引退の2年前ということで、かなり晩年の作品となる。

モノクロ作品というのもあるが、非行に走ってばかりいた女性が、体が不自由な少年と接していく中で自分の生き方を見つけていく物語ということもあり、全体的にかなり暗いトーンだ。しかし、当時“第一回青少年映画賞文部大臣グランプリ受賞作”ということもあり、重要なテーマを取り上げた作品として注目されたらしい。

物語だが、非行少女早苗(和泉雅子)は少年院から弁護士原田(北村和夫)の家へ引き取られたが、格別それを喜んではいない。早苗はさっそく昔の恋人宏を訪ねたが宏は別の女と暮らしていた。母の不貞を知ってから不良仲間に入った早苗の人間不信は一層強まった。原田の家には初めから馴染まなかった。原田の姪佳子や周囲の者の冷たい視線を感じるからである。だから原田の子供で小児マヒの為歩行不能の幸男(市川久伸)が、身障児特有のヒネクレた甘え方をしても早苗は受けつけようとしない。逆に頬をひっぱたいたり、死んだ方が幸せだと言ったりもする。だが、昔の仲間で、今は建設会社の運転手をして元気に働いている三郎(山内賢)に会ってから早苗も変ってきた。三郎の健康な生活と考え方に、早苗は自分が必要としているものを知ったのだ。原田の勧めで洋裁学校にも真面目に通うようになった。幸男が身体障害者施設恵友学園に通うことになった時、早苗は毎日彼を背負って送り迎えをするようになり、施設の先生、弓恵(芦川いづみ)もそんな早苗と幸男を見守っていく。幸男も次第に早苗になついていくが、早苗があまり幸男の歩行訓練に熱心になり過ぎて、幸男が急激な運動で脆弱な身体にさわって高熱を出したりもしたが、とにかく、無事に楽しい日々が過ぎていった。その頃、三郎は九州に仕事で行くことになり、早苗もある想いをこめて見送った。一方、原田は身障児の実子を殺した男を早苗に励まされて弁護することになり熱弁をふるって、事実上の無罪をかち取ったが、その男は子供の墓の前で自殺する。大きなショックを受けた原田や早苗も、ある日、幸男が、一歩、二歩、歩き始めた時、その悲しみも忘れて喜びあった。やがて、早苗は幸男と離れることはつらかったが、自立する職業を身につけるため、裁縫工場に勤めることにした。三郎も手紙で早苗の決心を知って励ましてくれたが、今、早苗は自分がすっかり変ったことを知ったのだった・・・という内容だ。

物語としてはとても良く出来ていて、純粋に観ていてそのドラマ性に引き込まれてしまったし、早苗と少年の関係性が変わって、自分自身も変わっていく展開も実に丁寧に描かれていたので、とても見やすい作品であった。

最後、幸男が自転車の練習をしていた時に転んでしまい、何とかジャングルジムにつかまりながら自分の力で立って歩行するシーンや、最後に幸男との別れに涙する早苗のシーンも実に感動的であった。

和泉雅子は通常可愛い役が多いのだが、この映画では非行少女という役を見事に演じていることにも感心してしまった。また、前回も取り上げた太田雅子(後に梶芽衣子に改名)もチョイ役で登場しているのも楽しい。

そして、芦川いづみだが、障害者施設の先生、弓恵役で登場する。映画全体を通してみた場合に、そんなに登場シーンは多くないのだが、後半は早苗と幸男を助け、いつものようにキレイなお姉さんとして映画の中で圧倒的な存在感を発揮する。やっぱり、芦川いづみはどんな役でもスクリーン映えしてしまうのはさすがである。

結論として、映画としては大変面白い作品であり、勝気な女性を演じる和泉雅子の新たな一面を楽しむ意味ではおススメの作品だ。そしてこの作品も残念ながら、“芦川いづみ主演作”とは言い難いものの、やっぱり彼女の晩年の美しさを堪能できる作品の一つとして、ファンとしてはぜひ観ておくべき1本ではないだろうか。


感動のNewJeans来日公演!~東京ドーム『Bunnies Camp Tokyo 2024』!

2024-06-28 22:39:45 | 音楽

ついに6/27 (木)、NewJeansの来日公演、K POP最速の東京ドーム公演となった『Bunnies Camp Tokyo 2024』に参戦した!待ちに待ったこの公演に参加出来たのは本当に感動的で、昨年のBlackpinkの東京ドーム公演に匹敵する素晴らしい盛り上がりであった!

今回嬉しかったのは、足の骨折で暫く休養を余儀なくされていたへインがドーム公演で復帰したこと。ダンスが中心の曲では4人でパフォーマンスするものもあったが、へインが揃い、5人でのパフォーマンス曲も多く、ファンには感動的なへインの復帰舞台となった。それにしても、NewJeansの日本での人気ぶりは特に凄いということを、今回のドーム公演で改めて痛感。公演前からテレビ主演が目白押しで、盛り上がりも最高潮の中での公演となったが、若い客層を中心に当日会場での熱気は凄いものがあった。

今回、6/26(水)、6/27 (木)の2日間で10万人に近いファンを集めたわけだが、NewJeansの集客力と人気をまざまざと見せつけられたライブとなった。まずはクールなDJパフォーマンスで幕を開け、そして僕の大好きな曲で、彼女たちを代表する『Attention』でライブがスタート!後半は最新の日本デビューシングル『Supernatural』や、大ヒット曲の『ETA』、『Ditto』などでは大いに盛り上がりを見せた最高のライブであった。

今回披露されたのは下記24曲。NewJeansもまだデビューから2年にも満たないので、持ち歌はそう多くないのだが、今回恐らく殆どの曲を披露したのではないか(歌わなかったのは、コカ・コーラCM曲の『Zero』だけかもしれない)。

 

6/27 (木)公演セトリ

Opening DJコーナー

  • Attention
  • Cookie
  • Hold it Down (ハニ、ダニエル)
  • Heel Dance (ヘリンのダンスパフォーマンス)
  • Hype Boy
  • Hurt
  • New Jeans
  • Super Shy
  • Get Up
  • Cool With You
  • 踊り子 (Vaundyの曲をミンジがカバー)
  • Butterflies (With U) (ダニエルの自作曲)
  • 青い珊瑚礁 (松田聖子の曲をハニがカバー)
  • Bad Friend (リナ・サワヤマとへインのデュエット)
  • Comme Des Garcons (Like The Boys)(ゲスト: リナ・サワヤマ)
  • XS (リナ・サワヤマ)
  • Bubble Gum
  • Right Now
  • ETA
  • How Sweet
  • Supernatural
  • OMG
  • Ditto

アンコール

  • ASAP

途中のMCなどは韓国語も交えてだったので、正直何を言っているかわからない部分もあったが、それでも日本語や英語織り交ぜながらNewJeansらしい初々しさも満載のライブとなった。

今回、NewJeansのヒット曲以外では、リナ・サワヤマがゲストとして登場し、3曲を披露。へインがリナを好きらしく、一緒に『Bad Friends』をデュエットした。前日はYOASOBIがゲストだったらしい。また、メンバーがそれぞれソロでカバー曲を歌うコーナーも設けられたが、この中でハニがなんと松田聖子の『青い珊瑚礁』を歌ったのには感動!可愛い衣装で聖子ちゃんを歌うショートボブになったハニは最高に可愛く、まさに鼻血もの!僕の心も完全に鷲掴みにされてしまった(笑)。会場も異様な盛り上がりとなったが、公演後にネットでも話題沸騰!どうやらこの選曲はプロデューサーのミン・ヒジンによるものだったらしく、“天才すぎる”と多くの声がネットでも挙がっていた。

僕は元々NewJeansのメンバーの中で、ヘリンとへインが好きだった。特にクールでツンデレな猫目のヘリンは最高に美しい!メンバー最年少のヘインもオーラがあり、素晴らしくキレイな顔をしているのだ。もちろん、この2人は最高に可愛く、僕の中ではやっぱり不動の2トップなのだが、今回生ライブ観戦で、ハニ、ダニエル、ミンジそれぞれの魅力も新たに思い知った(笑)。ハニはどこか天然な感じで、明るい性格がとても可愛く、今回髪型をショートボブにしたら、より一層可愛くなったので、『青い珊瑚礁』を熱唱したことも含め、すっかりハニの虜になってしまった人も多いのではないだろうか。またダニエルはメンバーの中で一番ルックスが西洋人に近く、圧倒的な美人というのは元々知っていたのだが、今回は逆にとてもキュートなアジア人的なエッセンスをその表情やコメントから感じ取ることが出来て、生の彼女はとても好感が持てた。そしてミンジもメンバーの中では一番“韓国人らしい美人”と言えるルックスが魅力で、Blackpinkで言えばジスのイメージに近い。ミンジはVaundyの『踊り子』をカバーしたが、これが女学生の衣装で何ともキュートだったのが印象的であった。

ライブ参戦準備として、今回NewJeansオリジナルライトスティックを購入したことを前回取り上げたが、会場ではBluetoothのコンサートモードにより、会場全てのライトスティックが自動制御されたのだが、曲によってカラフルにドーム全体がシンクロして行くライトは圧巻の演出であった!

今回の東京ドーム公演で、NewJeansメンバー個々の魅力を改めて再確認し、メンバー全員のことが益々好きになってしまった。彼女たちの歌は80-90年代のR&Bを取り入れていることから、おじさんにも懐かしく、若い子には新鮮に映る絶妙な楽曲が最大の魅力。ガーリーな他のK POPとは一線を画しているこの要素が大きい。まさに飽きの来ない普遍的な音楽性が最大の武器であり、魅力なのだ。そして更に彼女たちそれぞれの可愛らしさと個の魅力を痛感。まさに今が旬のNewJeansだが、日本中にNewJeans旋風が吹き荒れたここ1週間であった。そして今回無事大盛況の中で初の東京ドーム公演を完走したNewJeansに心から“お疲れ様!“と言いたい。今後ニューアルバムのリリースや、これからの益々の活躍、そしてぜひまた次回の来日公演を楽しみにしたい!


ちょっと残念だった、プリンスのドキュメンタリー映画

2024-06-26 07:40:40 | マイケル・ジャクソン&プリンス

新宿のミニシアター、シネマカリテで現在上映中の映画、『Prince Beautiful Strange』を先日観賞した。これは、2021年に全米で公開された『Mr. Nelson on the North Side』というタイトルのドキュメンタリーが、ついに日本でも公開されるということで話題となっており、僕もプリンスファンとして観に行くことにした。プリンスは残念ながら2016年の4月21日に57歳という若さで亡くなってしまったが、プリンスはマイケル・ジャクソンに次ぎ、僕の好きで尊敬する偉大なミュージシャンであり、80年代から彼のアルバムは殆ど聴いてきたので、今回この作品も楽しみにしていた。

しかし、僕だけではないと思うが、正直ちょっと期待していたドキュメンタリーではなかった。もちろん、プリンスに関する新たな発見もあり、それはそれで貴重な作品ではあったのだが、なぜ期待外れだったのかを一言で言えば、“肝心なプリンス本人映像、そして彼の音楽が殆ど映画に出てこない(?)”からである。

この映画はプリンスが生まれ育ったミネアポリスを舞台に始まる。当時の黒人に対する偏見や、多くの黒人が自由を求めて北に移住したことで、ミネアポリスにも大きな黒人の生活圏が産まれたが、そこには全米でも特に過酷な人種差別があった。そして住民の99%が白人という環境下で、プリンスは多感な青春時代を過ごしたのである。公民権運動の渦中、ジェームス・ブラウン等の黒人ミュージシャンも時折訪れた、地元のブラックコミュニティ“ザ・ウェイ”での音楽的な原体験、恩師や家族が語る幼少期のエピソードなどが紹介され、チャカ・カーン、チャックⅮ、ビリー・ギボンズなど、プリンスを敬愛するミュージシャンの貴重なエピソードも多数収録されたドキュメンタリーとなっている。孤高の天才プリンスが如何にして誕生したのか、そして突然の悲劇まで、プリンスを愛する全てのファンに贈る作品という触れ込みで、プリンス関係者へのインタビューなどはそれなりに貴重。そして後半、彼がミネアポリスに創り上げたスタジオ、“ペイズリーパーク”にて、一般のファンなどに開放されたイベントなども開催され、プリンス本人もファンと触れ合っていたことなど、結構知らなかった驚きのエピソードなどもあったので、この点で収穫のある作品ではある。しかし・・・出てくるのはプリンスの画像やイラストばかりで、肝心なプリンスの映像はほぼ無いし、彼の生い立ちを追う中で、そもそも彼のヒット曲が全くかからないのには正直落胆してしまった。

それもその筈、実はこの映画はプリンスの資産管理を行うプリンスエステイトから公認されたドキュメンタリーではない為で、映像や音楽の使用許可が下りなかった為なのである。内容的にプリンスの不利になるような話しは一切出てこないので、なぜ許可されなかったのかが謎だが、この関係から、プリンスのドキュメンタリーと謳うにはちょっと残念な作品となってしまったのは否めない。

そして、なぜこうなってしまったのか改めて映画を観終わって考えてみたのだが、僕が思うには、この映画の日本における“プロモーションの仕方”に大きな問題があるという結論に至った。ドキュメンタリーの原題である『Mr. Nelson on the North Side』は、まさに本来の映画内容を的確に表している映画タイトルである。この点に違和感はない。しかし、日本公開されるにあたって邦題として『Prince Beautiful Strange』としたことに大きな問題があると思った。これではまるでプリンスの映像・音楽もたくさん交えたドキュメンタリーなのかとファンは勘違いしてしまうし、宣伝映像に登場するプリンスの映像や、このタイトルも合わせてかなり“ミスリーディングで誤解を与える”宣伝の仕方である。ある意味日本ならではの宣伝マジックの妙とも言えるが、この結果、期待していた内容とは大きく違ってしまったと感じたのは、恐らく僕だけではない筈である。

まあ、気を取り直して『Mr. Nelson on the North Side』としては、プリンスのドキュメンタリーとして一定の評価をしたいと思うが、『Prince Beautiful Strange』としては、プリンスファンとして期待していた内容からかなりギャップのある、ちょっと残念な作品となってしまった。


大ブレイク中の若手女優、河合優実!

2024-06-25 07:38:44 | TVドラマ

若手女優の河合優実が今大ブレイクしている。ドラマ『不適切にもほどがある』で演じた純子役の強烈なインパクトがまだ記憶に新しいが、今公開中の初主演映画『あんのこと』にも大きな注目が集まっている。まさに大ブレイク中で最旬の女優である。

僕が初めて河合優実を認識したのは、昨年テレビで流れていた新興企業ファンデリー冷凍食品宅配サービス『旬をすぐに』の15秒CMだった。中森明菜の「スローモーション」が流れ、カメラ目線でたたずむ河合優実。彼女の声とテロップが、編集なしのワンカット映像に重なる。「これから私が食べるもの。私の舌へ、私の胃袋へ、だいじな私のだいじな何かになっていけ。いってらっしゃい、私の中へ」。この女優、いったい誰!?と思わず心の中で叫んでしまったが、中森明菜の歌とも相まって、どこかノスタルジックな魅力もあり、そのノスタルジーにも一役買っていたのが、河合優実のどこか懐かしいルックスだった。一瞬でその魅力にハマってしまったが、“旬”がテーマのCMに登場した“旬”な若手女優に驚いたのが最初の出会いであった。

映画の番宣という意味合いが強いだろうが、最近バラエティ番組に出ることも増えている。先日も『ボクらの時代』にも登場し、同年代の俳優仲間とのトークを繰り広げていた。また、『だれかtoなかい』にも、ゆりあんレトリーバーと一緒に登場し、これまたかなり貴重で面白いトークを展開。ドラマや映画で見る彼女とはまたちょっと違う、素顔の河合優実を垣間見たようで、とても面白かった。

河合優実はかなり独特で、とても魅力的な雰囲気と顔立ちをしていると思う。まずはその細い顔の骨格から、どこか山口百恵の若い頃を思い起こさせるクールさがあり、70年代に流行った雰囲気を纏っていて、どこか古風で懐かしさを感じざるを得ない。そして少し眠そうでアンニュイな目もクールな印象があって素敵だ。また彼女最大の特徴は、その分厚い下唇!これは細い顔の輪郭とのアンバランスさから、厚い唇が妙に色っぽく映るのだ。これは彼女の大いなるトレードマークとなる。

いまどきの若い女優さんとは一線を画した魅力を放つ河合優実。また一人インパクトのある、そして演技力と“雰囲気力”のある良い女優が登場したのは間違いない。これからも河合優実の活躍を楽しみにしたいが、まずは映画『あんのこと』をチェックしなければ・・・。


ジョン・コルトレーン、2枚の傑作アルバム!

2024-06-24 21:37:26 | 音楽

王道ではあるが、最近モダンジャズにハマり出して以来、マイルス・デイヴィスとジョン・コルトレーンのアルバムを良く聴いている。そして先日また2枚のジョン・コルトレーンアルバムをレコードで購入した。共にジョン・コルトレーンが当時契していたインパルス・レコードからリリースされたアルバムで、音質も素晴らしい。

1)『Live at the Village Vanguard』

1枚は1961年にジョン・コルトレーンがニューヨークのジャズクラブ、『Village Vanguard』で演奏したものを録音した、『Live at the Village Vanguard』である。先日紹介したビル・エヴァンスの名盤、『Waltz for Debby』は1962年にVillage Vanguardで録音されたアルバムであったが、このアルバムはその1年前に同じ場所で録音されたものである。なぜだかわからないが、Village Vanguardで録音されたライブアルバムには名盤が多く、このアルバムもまたジャズライブの名盤として、『Rolling Stones』誌が選んだオールタイム・ライヴアルバム50の15位にランクされているくらい有名な1枚である。やっぱりライブの臨場感が素晴らしい。たった3曲しか入っていないアルバムなのだが、聴き終わった後その濃い密度に圧倒されてしまう何とも素晴らしい3曲で、爆発力のあるコルトレーンの即興演奏が実に芸術的で美しい。メンバーは当時コルトレーンとクインテットを組んでいたマッコイ・タイナー、レジー・ワークマン、エルヴィン・ジョーンズ。そしてこれにエリック・ドルフィーが数曲に参加。まさに最強のメンバーで録音したアルバムである。

(収録曲)

  • Spiritual
  • Softly As In a Morning Sunrise
  • Chasin’ the Trane

 

2) 『John Coltrane & Johnny Hartman』

こちらは1963年に発表したアルバム。ジョン・コルトレーンのサックスに、ジョニー・ハートマンが歌うジャズボーカルという組み合わせのアルバムである。僕は正直ジャズボーカルアルバムはあまり好みではない。あくまでもインストで楽器の演奏だけをひたすら聴いていたい方である。しかし、このアルバムは、コルトレーンのサックスの音色が何とも甘い~。そしてハートマンの歌声がまた果てしなく甘い。虫歯になるくらい甘いのだ。この糖分多めで甘々な組み合わせは恐らく後にも先にもないくらいの傑作ジャズボーカルアルバムに仕上がっていて、比較的甘い作品が多いコルトレーンのアルバムの中でも、『Ballads』と並ぶ人気アルバムらしい。確かに、演奏もボーカルとの掛け合いがメインでもあって、変な独創的なサックス演奏に入り込み過ぎることもなく、ただひたすら美しいサックスとボーカルの競演が堪能出来るアルバムなのである。全6曲が収録されているが、ボーカルアルバムなので各曲も4-5分と、比較的普通のロックやポップスの曲時間にも近く、普通に聴きやすい。他にはコルトレーンのクインテットメンバーでもあるマッコイ・タイナーがピアノ、エルヴィン・ジョーンズがドラム、ジミー・ギャリソンがベースを担当している。シンプルな構成だが、これが実に上質なジャズボーカルアルバムとして仕上がっている。

(収録曲)

  • They Say It’s Wonderful
  • Dedicated to You
  • My One and Only Love
  • Lush Life
  • You Are Too Beautiful
  • Autumn Serenade

ジョン・コルトレーンと言えば先日紹介した『至上の愛(Love Supreme)』がジャズ史上に輝く名盤として有名だが、他にも実に素晴らしいコルトレーンアルバムが多い。次回は『Ballads』もぜひ購入したい。