遥かな轍(日々雑感)

大根サラダを食いまくってカリカリな体になってみよう(笑。

列島さすらい一人旅~7

2011年11月19日 00時11分05秒 | 日記
一応書いておきますが、10年以上前の話です。ちょっとしたエピソードですが、あまり真に受けないようにw。


えっと、今日はとある女性の友達からのリクエストって事で、本当に久々のこのエントリータイトルで記事を書いてみます。過去に遡って見ると2006年2月が最後になってます。実に5年ぶりです。ま、それはともかく、長距離の大型運転手として経験した数多くのエピソードの中から、今日は一つ、御披露しようと思います。

中国道のマネキン事件


 私が日本の高速道路、所謂、高速自動車国道(首都、名古屋、阪神、都市等の自動車専用道を除く)の中でどれが一番好きか上げるなら、間違いなく、中国自動車道を上げる。理由は子供の頃から親しみがあり、何と言っても走り易いという理由がある。特に深夜は、新見IC~山口IC間(特に広島北JCT~徳地IC間)の異常とも言える?交通量の少なさがその大きな要因でもあるんだけれど、九州への行き帰りは殆ど中国道を使っていた。何故か、山陽道は嫌いではないけどイマイチ好きになれない。その理由として、長大トンネルの多さがある。山陽道は全通してから15年ほどしか経っていない新しい部類に入る高速道路。なので、線形をなるべく良くするために長大トンネルを掘って、それを実現している。それに対し、中国道は、関西と九州をダイレクトで繋ぐ、また、2号線の渋滞緩和という名目でかなり早い時期に全通している。それもあってか、規格が古い為、線形がよくない。でも、実はこれには訳があって、20年程前まで、高速道路にはストライド曲線という考え方があり、それが為に、中国道はある一定の曲率で連続した曲線が続く区間が多い。これは曲線を一定間隔で組み入れる事によってドライバーの眠気を防止するという考え方があったからなんだけど、でも、実際には、重大な事故の原因になるだけと言うことで、現在は表舞台から消えた論理論法でもある。古い高速道路にR300以下の曲線が多いのはその為。また、中国道や中央道は、地形を克服すると言う意味でも、線形に制約があったので、さらに複雑な線形になっている。
 さ、その中国道だけど、私は数え切れない位使っている。最近でこそ、大きな病気をした関係で中距離ドライバーに甘んじては居るけれど、過去に利用してきた回数は相当数に上る。その中で色んな経験をしたし、多くのエピソードを作ってきた。そういった意味でも中国道は大好きな路線だ。今日はそのエピソードの一つを披露しようと思う。
 
 10年ほど前、私は15tのユニック車に乗っていた。その頃は西日本に行く事が多く、あの日も、出発時間が遅くなって、福岡に向かって中国道を走っていた。ちょうど今頃の時期だ。私は長距離ドライバーのささやかな楽しみとして、900MHzの無線をトラックに積んで、とある無線クラブに所属し、他の長距離ドライバーとの交流を楽しんでいた。あの日、同じクラブの仲間も出発が遅くなり、神戸三田ICと吉川JCTの間にある赤松PAでドッキングしてランデブーしながら九州を目指す事にした。私を含め大型3台、4t2台の都合5台のキャラバン。それぞれの目的地は福岡、大分、熊本…。一番遠い4tは鹿児島。赤松でコーヒーブレイクをして5台が一斉に出発、九州を目指す。時間は午後10時。途中で寝る時間はない。めい一杯の運行。でも、無線で色んな話をしながらの航海は楽しいひと時だった。それぞれの武勇伝や身の上話、女の話…。話題が佳境に入る頃、丁度、赤松を出発して2時間弱。津山を過ぎた頃、上り線を九州から上って来た関東向けの大型3台がブレイクイン。差し向いとなった。上り3局、下り5局でのスカイ線(無線交信)が始まった。その時だった。上りの一番機が津山北BSを通過した時、バス停の待合所に何かを見付けた。時間はすでに日付変更線を越えていて0時過ぎ。そんな時間に、高速バスは運行していない。なのに、上りの津山北BSの待合所に女が座っていたと言うのだ。二番機、そしてしんがりの三番機も待合所の中に女性が座っているのを確認。津山ICを過ぎた辺りを走行中だった我々にそれを告げた。
「いま、バス停に女の子がおったぞ!」
「こんな時間になんばしよっとかねー」
「バスを待っとるんじゃなかと?」
深夜の0時過ぎに?。高速のバス停でバスを待つ猛者の女性!。そんな訳ないだろうと思いつつ、何かの見間違えだと思いつつ、しかし…
「なんか、可愛い子やった風に見えたがねー」
と、言う上り2番機の一言で下りチームの全員の腹は決まっていたw。
「こんな時間にバスがある筈がない」
「ひょっとしたらヒッチハイクかも!」
等と言いながら、上りの大型3台とスライド。ファイナルを打つ。回線を1/2にして、そのまま津山北BSにまっしぐらの下りチーム。やがて、津山北BS前に建っている、赤い照明が不気味なマンションが下り線に向かって左側に見えてきた。先頭を走っていた私はおもむろにウインカーを左に出す。後続4台もそれに続く。そして津山北BSに大型3台と4t2台が停まる。全員すぐに運転席から降りて、反対側の上り線のバス停を凝視。確かに、待合室に誰か居る。それも本当に女だ!。
「こんな時間に何しよるんかねー;」
「ヒッチハイクちゃうんかー」
「あれ?なんかあれ、裸に見えるけど!?」
「えーーーー。こんな時間に高速のバス停で裸になる女ぁーーー!???」
「そんなアホなーーー!!」
早速、全員で中央分離帯の植え込みを乗り越えて、上り線を走って渡る。本当に危険極まりない話だけど、中国道だから出来る荒技。(絶対真似はしないでね。ココだけの話だから)。
植え込みとガードレールを乗り越え上り線を渡って、待合室を目指す途中で…
「ありゃ?確かに裸じゃねー!」
「え!?マジか!!」
「なんかおかしいな!」
「あれ?人形!???」
「え!???なんで???」
恐る恐る待合室に近づいて行く途中で、女性の様子がおかしい事に気付く5人。確かに裸で座ってる。書くのも恥ずかしいが胸も丸見え(苦笑。これは明らかにおかしい。全然、こっちの気配を感じ取ってる様子もない。段々冷めて行く希望!?。そのまま、えいやっっと、待合室に掛け込んでみると、その女性は…。裸で座っていた女性は…。なんと、やっぱり

タダのマネキンでした(笑。


しかも、金髪で昔のデパートとかの婦人服売り場に立っているような、青い目をした古ぼけたマネキン。裸だったけど何にも感じないw。
いや、しかし、深夜に何故、高速のバス停に座っていたのか、深まる謎。見れば見るほど恐ろしくなってきて、佐賀のヤツが大きな声で「うおー!!」っと叫んだのをきっかけに、みんな「さむいぼ」を全身に出しつつ一目散に逃げて、また中央分離帯を乗り越えて、反対側で待つ相棒達へ逃げ込むようにして乗り込んで、おしまい(笑。

しかし、何だったんだろうなと、今でも不思議に思う、津山北BSのお化けマネキン。あの場所で昔、女性がバス停から本線上を走ってきた大型トラックに飛び込んで自殺、その自縛霊だったとか、色んな噂が飛び交ったけど、その日きり見かけた事がないのがまた、妙に恐ろしいw。あれから10年以上経つけれど、いまだに事実は判らない・・・・・・・。

ドロドロドロ・・・ひゅーーーーーー。


日本の経済を陰で支えている、プロドライバーさん。深夜に女の子を見かけたからと言ってむやみにトラックを路肩に停めて見に行ったり声を掛けたりしないようにネ…。

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