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ブログタイトルを変更しましたが特に意味はありません。

“インデアンカレー” MARUNOUCHI-TOKYO 2008-07-01

2008年07月03日 04時54分11秒 | CURRY-専門店・喫茶店・チェーン系



GX100

東京駅地下街を散策するのがたまらなく大好きなんだけど、自分にとってのホームはあくまでも八重洲側。
幼少の頃、何度か母親と大丸で買い物をして、最後に大丸レストランフロアででメシを喰った記憶があり(大衆食堂グリーンビューという階上食堂で蟹玉定食を食べたときの感動は今も忘れねえ)、原体験的に八重洲地下街の空気や匂い、仕立屋や薬屋、中華料理屋、文具店に喫煙具店(!)など八百万の商店が建ち並ぶ凡百の通路の趣きなどが躯に焼き付いちまってる。

そんな幼少期の刷り込みが未だ色褪せない八重洲地下街に対して、丸ノ内側の地下街ってのはやたらと未来的。常に変化し続けるビジネス街の地下だからか、時間の燻蒸というものをまったく感じさせず、つるつると小綺麗なミニマルデザイン風の地下通路が縦横無尽に広がっている。ゆえに俺のような非エグゼティブな人間にとっては、どこか居心地の悪さを感じてしまう、ある種の結界のような空間でもあったりする。

そんなアウェー感強い丸ノ内側の地下街の一角に、実は老舗のカレー屋がある。もちろんこの地で歴史を紡いだということではなく、関西で60年以上の歴史を持つ老舗カレー店がここ丸ノ内の地下街の一角、「TOKIA」に進出してきたのだ。それが知る人ぞ知る「インデアンカレー」。“インディアン”ではなく“インデアン”という店名に老舗を感じる。

このカレーが凄ぇ。何が凄いのかって言えば、「舌の錯覚を利用したウマ味の演出」という高度なワザをカマしてくれる点。その意味は喰ってみれば分かる。まず一口目が強烈に甘い。塩と砂糖を入れ間違えたかのようなヤバい甘さだ。で、4~5回咀嚼して嚥下しようと思った頃に強烈な辛さが襲ってくる。この辛さ、小学生だったら顔をしかめて咽せ返るレベル。普通のカレー屋だったら間違いなく裏メニューでしか出せない辛さだ。そんな甘さと辛さの時間差に「なんだこれは」と首を傾げているうち、やがてそれらが混じりはじめ二重奏となる。ここからが美味い。なんというか「喉がお呼び」といった本能に直接訴えかけてくる旨さでスプーンを口に運ぶピッチが自然と早くなる。そうやって「止まらない、止められない」といった状態のなか、カレーを食い終えることになる。

甘味→辛味の変化というのはカレーの基本だってことは分かるけど、ここのはその2つが両極端。その最大振幅の大きさがベロを麻痺へと誘い、どんなメカニズムなのかは分からないがそれが旨さへと昇華している。いやぁ、なかなかに面白いカレーだ。願わくば、この店、八重洲側にも出来て欲しい。どう考えてもあの空間にこそマッチする店だと思うんだぜ。

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