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ブログタイトルを変更しましたが特に意味はありません。

“NEPALICO” SHIBUYA-TOKYO

2012年03月17日 00時45分54秒 | CURRY-ネパール系






とてつもなく美味しいネパールカレーと出会った。
場所は渋谷・南平台。閑静な住宅街の中にあるこぢんまりとした『NEPALICO』というお店がそのカレーとの出会いの場。巷に氾濫する日本ナイズドされたネパール料理店とは一線を画す、ネパールの国民食「ダルバード」を主軸としたメニューが特徴の店だ。ナンなどというものはメニューに記載されておらず、小麦粉系の主食が食べたければ、チャパティかプーリ(ネパール風揚げパン)を頼むしかない。プーリといえば幕張の本場志向のネパール料理店『ジャイネパール』で食べたサグプーリは実に美味かった。

もちろん頼むのはダルバートで決まりだが、肉なしのベジタリアンメニューと肉ありのノンベジメニューの2つがあり、どちらにすべきかしばし逡巡。ベジタリアンメニューは、ダルカレー/タルカリ/アチャール2種/ライス。ノンベジはダルカレー/チキンカレー/タルカリ/アチャール/ライスがその内訳。わりかし腹が減っていたので、ボリュームもありそうなノンベジを頼むことにした。ちなみにライスは大盛り無料とのこと。同行メンバーのうち、女性を除く男3人すべてがそれに乗って大盛りをオーダーした。



待つことしばし。愛しきダルバートがやってきた。
そこにいるほぼ全員が感嘆の声を上げる。なぜならば器が素敵だったのとカレーの彩りが鮮やかだったから。器(タールとカトリ)はよくあるステンレス製ではなく深い輝きを放つ真鍮製。タール、カトリ共に手に取るとずっしりと来る重厚感がある。カレーはスープ状のダルカレーと惜しげもなく大量の肉が入ったボリューミーなチキンカレー、肉じゃがを思わせるタルカリと、三者三様個性が際立っており品の良い賑々しさが楽しい。ターリー中央のアチャールだが、自分の中のイメージにある漬物風のそれではなく、チャツネのようなペースト状である。これで味にアクセントをつけていくのだという。

店員さんがダルバートの食べ方を手短に指南してくれる。カレーは別々に食べるのではなく、ライスの上に3種類全部をかけ、混ぜ混ぜして食べるとのこと。ダルバートを愛する身としてはもはや手馴れた食べ方だ。俺の場合は一気にかけてしまうのではなく、スプーンで各カレーを適量救ってライスにかけ、アチャールなどを加えて手短にミキシング、というスタイル。『ナイルレストラン』でも同様の混ぜ方で食うことにしている。

そうやって適度に混ぜあわせてパクリ。
――おお、美味ぇ!
クリーミーでマイルドなタルカリ、シャープなスパイス感と肉々しいチキンカレー、サラッとしたダールカレーの3つが渾然一体となりつつも、それぞれの味・風味がしっかりと立っているのが素晴らしい。“旨みの3重奏”とでも評すべき味だ。これに辛さと酸味の効いたアチャールを垂らしていくと良いアクセントが生まれる。「絶品」と言い切って差し支えない味だと思う。ライスが長粒米でないのが少しだけ残念だが、ランチタイムでこれだけ凝ったカレーを出すのからそこまで求めるのは酷というもの。ちなみにダールカレーはおかわり可。ライス大盛りにしておいてよかった。



カレーは文句なしに美味く、お店の雰囲気もいい。お店の中にはちょっとした店内文庫コーナーがあり、石川直樹の著書(敬愛する故神田道夫と熱気球の長距離飛行世界記録挑戦を記した『最後の冒険者』は名著だと思う)を筆頭に、旅や山岳、アウトドア関連の雑誌など、冒険志向の本が並べてあるのも素敵だ。軒先にはいい雰囲気のテラス席もあり、オープンエアで飯を食うのが大好きな身としてはかなり強く惹かれるものがあった(この日は寒かったので断念)。ぜひ、カレー好きの人間を誘い、近日中に再訪したい。


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