むかしむかし雪深い山里におぢーさんとおばーさんと犬のポちがひっそりとそして、ファンキーに住んでいました。(どんな住み方だよ!)
ある日のこと・・
「あ~ぐるぢい~息が、イキが~できな・・ぁっ・・」
と、もがきおぢーさんはバタンと倒れ、そのまま白目を出して動かなくなってしまいました。
突然の出来事に何がなんだか分からず倒れたおぢーさんの周りをぐるぐる走り回りワンワンと吠えるしかできないポちでした。どうすればいいんだ!!
おばーさんは親友のルミとしまむら行ってるし、どうしよう!!!息をしてる素振り全く無しのおぢーさんはピクピクと指がけいれんしています。まだ生きてる!でもこのままじゃおぢーさんの命が危ないと直感したポちは一目散に走り出しました。
外はこの三日間降り続いている雪が、容赦なくポちの行く手をさえぎります。
白一色の悪魔の世界。
刺すほどに吹き付ける横殴りの風に体感温度はマイナス25度を軽く超えているだろう。ポちはマイナス思考丸出しになってました。(気象庁の発表はマイナス5度ですけど)
懸命に走る身体ほとんどが雪に沈んでしまい急ごうと思う気持ちとうらはらに足を取られて思うように走れません。
ぐずぐずしてられない、早くお医者さんにしらせなきゃ。その一心で走り続けました。街の病院まではざっと8km。目印になる風呂屋のエントツも白の世界につつまれて視界が全くきかない。
ポちはすっかり織田裕二になりきっていました。犬の本能の全てを集中させました。
「よし、こっちだ!」
自分を信じ大好きなおぢーさんを助けたい一心で走り続けました。
どれだけの時間がたっただろう。
進んでも進んでも時間だけが過ぎてる錯角に陥ります。強風で身体が戻されながらも前へ前へただひたすら足を動かし続けました。
寒さで感覚がなくなってきた4本の足、力を振り絞って前へ前へと押し出します。冷たいというよりしびれるような感じがわずかにするだけの重い足が脳の指令を妨げます。
意識ももうろうとしてきました。「はぁ、はぁ」身体全体で呼吸し、酸素量が足りないと肺が叫んでいます。
その時!ずぼっッとひときわ深く埋もれた瞬間前後の足は寸分も動かなくなってしまいました。力いっぱい這い上がろうとしても全身の筋肉には届きません。凍りついた身体。目も開けられないほど雪が悪魔のように降りかかってきます。
限界だ!
雪の中は風が当たらない静寂の世界でした。身も心もくたくたです。足の神経があるのかどうかも認識できません。なぜかあったかい気分です。このまま眠ってしまいたい。。意識が遠い遠いところへいってしまう感じです。
真っ白な何もない世界。
「もう・・・・だ・・めだ・・・・・おぢー・・さ・・ん・・」
明日につづく・・・いよいよ感動の最終話!
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