酒馬鹿三兄弟、次男の岸壁はしご酒

酒は飲んだら飲まれましょう、しかし仲良く。拙い酒と乱暴ポエトリ月夜の酩酊ランデブー

ヴァイラス

2020-11-11 12:49:37 | 

痛みの導火線にはチリチリと火がついて

 

 

 

 

心臓や喉元を襲ってくるように見える

 

 

 

 

ゾンビが食いつくとゾンビにまたなる

 

 

 

誰かの息遣いがあいつにも伝わって

痛みの導火線にチリチリと火が着く

 

 

 

 

 

ウイルスの中にウイルスがあるのかもシレナイ

 

と言うのは

 

 

 

俺たちは

 

 

 

 

ウイルスを囲う

 

 

 

 

 

 

 

真のウイルスじゃあないかな 地球にとって

 

 

 

 

無惨で悪いね、いつも

 

 


as time goes by

2020-04-08 14:02:34 | 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おれたちは


生の不自由を

 

感じるだけの  自由を

 

有しているのだ

 

 

 

 

 

 

 


JASMINE 2

2020-03-25 12:49:10 | 

 

 

 

 

 

 

 

 

その身のこなし
グラスの傾け方

両の手の指、目のうるみ
  そして心中の唄


世の中をハードに過ごすうち
時には
街で
こういった女が現れる


16才の

タバコの煙に瞼一つ瞬かせず

ワインを飲み続けるふやけたアル中仕立ての
おやじの前で

静かにグラスに口づけするジャスミン
                    16才の

世界は  葦の原で静かに獲物を見つめる
虎の様な女を作り上げたわけだ

 

ジャスミンは
泥の沼から生まれる蓮の花の様に

 

”もう少し、ワインが飲みたい
 じゃなきゃ、ウーゾか、パスティスが良いよ”
と言う

”そうかい、心配しない方なんだが
  君は若い、ペースを乱すなよ”

そう言って家を出た


戻ると彼女は窓の月に照らされながら
愛用のギターを弾いていた

静かな曲だった


それが好きなのか
この家に住んでいる彼女の黒い猫が
ジャスミンの側で目を瞑っている

ジャスミンは シーと呼ぶ
その腰を撫でる

”食べ物を忘れたよ、
何か食べたいなら、もう一度出るかい?”


俺はそう言ったが
ジャスミンは静かなギターを弾いたまま
静かに


”食べ物はいいから
   食べ物はいいから
 名前を呼んでよ

 

そう言った


”ジャスミン、は、
 本当の名前じゃないんだろ”


”うん、唄を歌って小銭を稼ぐ
 私の通り名”


”どっちがいいんだい、ジャスミンって呼ぶのと
  本当の名前を呼ぶのと”

”本当の名前をあんたに呼んでもらうのはまだまだ早いよ
 気が向いたら、いつか”

 

彼女は言い終えると
最後の残りのワインを飲み干し


ウイキョウの香りのボトルを開けて

2つのグラスに、綺麗に注いだ

 

その身のこなし
両の手の指、目のうるみ


完璧だった

 

 

 

 

 

 

 

 


心臓にソウルフル

2020-03-19 10:03:15 | 

 



 

”DEAR  タツキ”
DJさんの音楽ありがとう
誰のなんていう曲か知らないけど、
家帰ってゆっくり聞きます

ピース                         
              ユカ
・・・・・・・


音楽はいつも変わらず満たしてくれる

それを感謝されるのは
きっとあの女に音楽の響きが満ちたのだ。


しかし


おれは DEARという表現にはあまりに似つかわしくなく
居心地が変だ

酔って、 
 カラッケツで、  
   3日も同じ服を着て

黙った女の体をそっと撫でるような男で
大抵のことからけつ捲っているのに

"DEAR"っていうのはしかし。

もっと業突くでもいいのに
適当な手紙をかいていて

”君に、いい場所が有るように。”

など、
あの女の何かの足しになりそうでもない


つらいと言わない女には
余計に淋しさがあり

ある資格の有る 男には
癒やす

義務があるかもしれない。


がしかし、おれが
破廉恥でいて及び腰なので
DEARと言われるだけの
立ち位置もありそうに思えない。

 

そこで
 おんなに

”おい、空っけつ!!
愛を置いてさっさと帰んな”
と言われるのがふさわしく   こっちは
愛と呼ばれるものを、
床で割って 

心臓に一刺しのソウルをくれてやって

エヴァンウイリアムスでも
買に出るのがいいように思う

 

 

 

 

 

 

 

 


アナキズム

2020-03-12 11:40:38 | 

 


若かりし頃、


親父はアカで、(死ぬまでそうだったが)
反体制は、我が家の日課だった
6才のガキに
政治家の嘘を叩き込んだ
エゴイストを憎め
金満を呪え

 

 

若かりし頃、


兄貴はいっぱしの人間になって
法律を振りかざし、(それも体制の一部だが)
日立や、東芝や、
YKKや、リクルートを、全部敵に回してた
お前らを憎め
お前らを呪え。

 

揚げ句、何やら重大な状態でもんどりうって
倒れたまんま・・・

毒でも


盛られたみたいに

 

若かりし頃、


俺は知らんぷりをし、
マルクスもレーニンも勝手にござれだ
女と住んで、酒と非合法と下半身が慰みだ、
パンクスとごった返して、(そいつらも反体制だが)
家中でビートが澄んで、、
美しい光景だった


黒い酋長に祝福される夜だった

 

 

なのに女は男と出て行った、

スノウとポルノショップを残したまま・・・
ゲームセンターを経営する
赤いアルファロメオに乗った男と
手荷物を持って消えた、

何てこたぁねえ


こっちは反体制だ

 

 


結局
、女も
程なく持ち崩したらしく
今はファッションヘルスで
白衣の天使になったらしい
黒い酋長には釣り合わなかったわけだ

運も尽き、金も尽き、ギターを壊し

残されて
ウォッカを
¥1,250.-の
シースルーの瓶を
しこたま手に入れて
・・・破壊した。
氷が解けるのを待って、

一気に破壊した

 

それは       気分で
  爽快な 


女の下半身よりも悦楽だった。

でもしかし
しかしウォッカ無しでは
生きるのもままならない、

いっそ飲み死にしようかとも思ったが
それにも飽き飽きして、
退屈なものだから
黙ったまま、コーヒーを飲み続けた、、


素面

とたんにアナキストもアカも、出て行った女も
出て行った兄貴たちも
複雑に絡んできて、
”アタシ、今ネガティブ全開、、、、”
とか言う映画の台詞にジンときた

けど

どうって事無い

ここはラジカルだ
複雑なまま素面のまま

笑ってやる

 

 

 

 


jasmine  

2020-03-05 12:02:41 | 

 

 

 

 

 

ランソン・コスタ広場の
噴水の飛沫がわずかにかわせる
ロザリア・ロンバリオの石像の前で

唄っていた女は

 

ジャスミンと名乗ったが。

本当の名前は別にあり、だがそれも
名の一部に華の字もあったらしく
それらしい響きには違いない

 

ギターケースには


硬貨や
時には紙幣が投げ込まれ

彼女は歌でその暮らしを賄っていたが

時には嫌なポリ公が

稼ぎが過ぎると横やりを入れに来た

 


歌には,

  ゴヤの山並みに夕陽が落ちる夕べ

涙を流す女もいた、

時には男も。

 


何に傷つけられたかは分からないが
傷ついたジャスミンは

”夢ででも、逢おうか”って唄っていた

それは

どことなく

 

 心中を


思わせた。


若いジャスミンの路上での歌が終わった頃、


それから彼女の部屋で
一緒に
ワインを5,6杯飲んだ


俺の買ったワインは少々水っぽく
甘ったるかったが
それで 雰囲気は
悪くなかった

彼女は 南米のブランケットを敷いた
ソファーに座りなおし

”たつきはいくつなの?”


と尋ねた

”さあね、生まれたときのことは記憶にないんでね”

とだけ答えたが
35年ウイスキーを飲み続けた,見るからに
酒場のハエの様な面持ちの男だ

早々うかがい知るだろう

 

”ジャスミンは幾つだい?”


あたしは  

 

 

16よ

 


なんてこった

 

 


俺は座り直して
   

 

      タバコの火を消した

 

 

 

 

 


DRAWING pornography ABOUT little love

2020-03-05 08:19:56 | 
 
 
不細工なエクスタシーを  俺は好んでしまって
隣に座る中年の無遠慮にさえ腹を立てている

流れる河のような白桃色のエクスタシー

時に、月夜の発 狂
 雨のかんざし
こどくの高塔を登る旅
青い火花で空中の原を裂く
アル中と
 ヤク中が腹を刺す

それは、 空腹以上の飢えを満たす為に
神や仏を放棄し捨て去る術で愛と愛の女を見放し、

不細工なエクスタシーを俺は好む 

  
人間が人間の前に焼かれる
東京の分刻みの長針の中で
死んじまってる友人たちと、 窓の
マリファナを吸った、
ウオッカを空けた、

何度も 何度も
立て続けに現れる白日  
          夢
幻想 同情 遠慮のない無分別 シンパシー
快楽の好きな
           狂気




それでもこれはポルノ小説のなれの果てだ

Tシャツの裏に書く愛という言葉なみの









one push

2020-02-27 14:51:31 | 

 

 

 

 

 

 

これではもう一つ  もう一押し

けん引する物の
虎の様な

ドクニンジンの様な
縛り付けるもので、

 

黒い鳥を殺せ くさびで殺せ

俺の敵になれ


それこそお前に望むことだ


これではもう一つ  もう一押し

立ち上げる物の
目の無い龍の様な

スピードボールの様な
凍らせるもので、

黒い島に入れ  銃剣で探せ

俺に塹壕を掘れ


それこそお前に望むものだ

 

拾い上げたものはたったの石だろ
それでもそれを口にしな

見つけられたものはちっぽけな情念だとして


それでも

それを見せてくれ

これではもう一つ  もう一押し

俺を殺してから、 

中から探しだして
八つ裂きにしてもいいから

お前の生を存分に楽しんでくれ

たとえ

 

 

憎しみによって生きるとしても。

 

俺は心からそう願っている

 


三聖吸酸   

2020-02-21 14:58:56 | 

 

 

 

 

 

 

この世は、苦しむものだと
重い荷を背負って
坂道を登るとか
誰が決めたのかね
 
この世の蜜も 酢も 甘い
 
だのに
苦しんで生きろと
生きると言うことは 苦しみの
連続だ と
 
あいつは言ったんだ
木の下で座り続けて
悟ったというが
 
そいつは貴族の生まれで
生きるために飢えていたわけでも
 
人を殺さなきゃ自分が
生きられなかったわけでもないだろう
 
不幸の刺繍でチクチクした、 上流人間
って思えなくもない
 
そいつは苦悩を生来って言って美徳に
したが
 
本当に苦しみ
生きるものは
ただ笑えることさ、と、
 
苦み走りながらでも
求めるものだ

 

あの

沖縄の

おじいや

おばあのように

 

 

 

出典

≪三人の男が、大きな酢桶をかこんで立っている。それぞれの指に酢を浸して、味見をしたばかりだ。ひとりひとりの表情に、三人三様の反応があらわれている。絵は寓話的なものだから、このひとたちがただの酢の味ききではなく、中国の「三教」の代表だということ、そして味を見ているその酢が人生の本質(エッセンス)を象徴していることを心得ておくほうがいいだろう。三人の導師(マスター)とは、孔子、仏陀、そして現存する最も古いタオイズムの著者、老子だ。一人目はすっぱそうな表情を浮かべ、二人目は苦い顔、なのに三人目はほほえんでいる。

 孔子にとって、人生は、どちらかというとすっぱいものだった。現在は過去と足なみをそろえていないし、地上の人間のまつりごとは、宇宙のまつりごとである<天の道>と調和していないと考えていたのだ。だから彼は<先祖>をうやまうことを、皇帝が<天子>として無限の天と地を仲立ちする、古来の典礼や儀式と同じくらい重視した。儒教のもとでは、整然とした宮廷音楽、定められた立居振舞と言いまわしを用いる非常に複雑な儀式制度がつくりあげられ、それぞれ特定の目的で特定の時に使われていた。孔子について、こんな言葉が記されている。「敷物がまっすぐでなければ、師はお座りになろうとしなかった」。これで、儒教のもとで諸事がどのように行われたかおわかりだろう。

 絵の中の第二の人物、仏陀にとってこの世の生活は苦しみを招く執着や欲望に満ちあふれた苦々しいものだった。この世は罠をしかけ、妄想を生みだし、あらゆる生き物をを苦しめる際限のない輪廻であるとみなされた。心の平安を見出すには、この「塵界」を超え、サンスクリット語で文字通り「無風」状態を意味するニルヴァーナ(涅槃)に達するしかない、と仏教徒は考えた。発祥の地インドから中国に渡ったのち、仏教は本来楽天的な中国人のおかげでずいぶん変わったけれど、それでも敬虔な仏教徒は、日常生活の苦い風にニルヴァーナの道をさまたげられる感じることがしばしばだった。

 

 

老子にとって、そもそものはじめから天地のあいだにあった自然の調和は、だれもがいつでも見出しうるものだった。といっても、儒教のきまりにしたがっていては無理だ。『道徳経』にもあるように、地は、その本質において天を映しだしており、おなじ法則によって営まれている----人間の法則によってではない。これらの法則は、遠い惑星の回転ばかりでなく、森の鳥や海の魚の活動にも影響をおよぼしている。老子によれば、宇宙の法則によってつくりだされ、支配されている自然のバランスに人間が介入すればするほど、その調和は遠のいてしまう。無理をすればするほど、問題が大きくなる。軽重、乾湿、遅速にかかわらず、万物はその内に独自の性質をもっており、それを無視すると面倒が起こらずにはすまない。観念的で一方的な規則が外から押しつけられれば、どうしても軋轢が生じる。人生がすっぱくなるのはそのときだけだ。

 (中略)それから何世紀ものあいだに、老子の古典的な教えは、哲学的、求道的、民間宗教的な諸形態にわかれて発展していった。これからすべて大きくひとまとめにして、道教(タオイズム)と呼ぶことができる。けれど、ここでとりあげているタオイズムの基本は、あらゆる日々の営みの真価を充分に認め、それから学びとり、それとつきあっていく、ひとつの特別なやり方にすぎない。タオイストの見方では、この調和のとれた生き方がおのずから幸福をもたらす。明るい落ちつきこそ、タオイストの人格のいちばん目立つ特徴といっていい。それに微妙なユーモアのセンス。

    pilgrim

2020-02-18 12:50:15 | 

 

 

 

 

 

 
解剖学者で、脳科学者のあの虫好きの老人が言うことの、多くを
 
俺は案外気に入っている
 
軽妙にしたたかに笑う語り口の真実は玉虫色で
いろんなところに着地して、人の話を茶化し放題
或いは話柄をすりかえる。
 
あの術が嫌いではない
 
ただ、
 
死を遠ざけ、向き合うことが出来ないなら、
死ななくていいから生まれないで下さいと言うしかない
との言葉に
俺は噛みついた
 
 
死を想え
 
それはそうだろう。
藤原新也もそう言ったしな
 
だが、生まれることを選択したのは俺たちじゃない
そうだろう
 
好きで生まれたわけじゃあない、
生まれた以上生きていくしかない、
 
 
好んでこの世に生を受けた奴がいるのか、
 
まあ、もしかしたら
チベットのあの輪廻の少年はそうして生まれたのかもな
例えば前の記憶を持ったままいる 10歳の少女なんてのもいたりして
そういう人もいるかもしれない
 
なぜこの世の不調和な頭でっかちの邪で哀れな
混沌と無秩序に苛まれたままの
人間を好んで選ぶのか、俺にはわからないが。
 
虫けらでもいいのか、飢えた水草や稲妻や、動物園のパンダでいいか、
それもわからないが
 
身悶える様な人間でいることは確かに骨折りだ
 
しかし苦も無く世を渡る人間にありたいと
そうも思えない
 
人間として死にゆく  
その時間の過ぎる中
何も見つからなくても 何かを失っても
生まれた以上は、生きるだろう
そして
全ては通過点でしかない
 
 
 

紛い者達の偽薬

2020-02-07 11:35:22 | 

 
 
 
街の中の 町と言う街が燃え
 
古い習わしの消防隊が並び
大袈裟な金切り声   夜ごとの 水を飲み干し
 
グラスを握って危ない欄干を渡る
 
新しい無双を求めている 奴と言う奴すべてが燃えさかり
 
俺の中ではすべての島の鳥が泣き叫ぶ
 
 
昔に気付いていた儀式はもう 無駄になり 灰になり 海に捨てる
 
まるで乞食の骨のだ、
 
けれども
不気味な言葉の裏で 統一された愛も無くはない
 
新しい秩序も無駄だとしても こっそり隠し持つ
 
 
心臓の温度の中の 小さなプラシーボのような
 
 
秘めたレメディーも無いではないさ 
 
 
 
 
 
 
 

HOT WINTER MUSIC

2020-01-28 13:10:11 | 

 

 

 

 

 

小さなマッチから

マッチ箱を取り出す
 
それにタバコで火を灯し
 
赤ワインのボトルに注いだグラスを叩き割る
 
ボール紙の中で、宙が虹を飛び
骨に咥えられたちんけな鶏が
 
街を渡って海に移り住む
小さく冷たく湿った火で
水面を焼いてみる
 
静かに音もなく船もすすみ
影もなく巨大な氷山を砕く
47年経った今、全てが新しく
 
なった様に思う
 
ちぎれた雲が地中で埋もれ

 

 

 

 


カイピリーニャの細い灯の中に鞭打つ

2018-04-19 15:12:42 | 







若い男の、それは奥ゆかしい思慮深い男だが
性欲について、ピンガを揺らしながら語ったわけだ。

世に性欲を蔑む者は多い、
語るを下卑たというやつもいるが。
もし男が女の下半身から丸ごと興味を失ったら、
政治家がマスコミで圧死するよりも、
学者が地球を悲観して硝子部屋で自死するよりも、よほどにタチがわるい

俺は男がたまたま男を欲するという点では
ホモ野郎を否定はしない。
レズビアンについても同様だ、
男性器が付いているのに自分を女だと思う、
若しくは深い割れ目がありながら、
自分を男子だと思う、
これは
おれは性には柔軟性が無いだろうから、
想像力は及ばないが、
愛については虚言を弄するなら、なんだっていいだろう。

殊更生殖を勧めるものでもない

けれど
彼も連中も、
今生きているのは果てしなく続いた行為の滴であることは
間違いが無い。

愛や欲望は違った観点からも語られるが、
虫やピラニアや煙や檜とは違って俺たちは
欲望が無ければ、子孫を増やすことが出来ない、
おっ立たない男に用は無い、
等しくおっ立たないような女にも用は無い。

たとえば田舎娘のような女でも
男がものにしたいと思うのならば、それは檸檬のように甘い。


件の若い男は純情な振りをするほど馬鹿馬鹿しい人間ではないので
愛よりも
欲も、ある。

おれは、
俺は吹き出した。事実はどんな想像よりも美しい。
俺たちは五反田を歩き出した

俺たちは歌舞伎町を歩き出した


Can't happen here

2018-03-15 17:41:55 | 

 




その方法はここでは通用しない、し
ここでは何も起こらない


しかし、 辺りから少しだけ
 
バニラのような香りが満ちてきて
ほんの一時、俺はまんまと
おどけさせられる
 

憐みは不親切だ、

覗き窓のガラス板の様だ

転がったプラスチックのボトルの口に射しかかる鉛筆のように
無駄だ

情愛はますます無駄で小賢しい
小賢しい真似を俺にさせて
あの娘は、
翌日になって俺の名前を口にする
俺は知らぬふりをする

彼女は俺の空のグラスに焔のようなワインを注ぐ
仕草で
バニラのように甘い。
 

忘れたことは一度もないが俺は忘れた振りをして
知らないと言う。

そんな甘ったるいモノは俺は知らないと見栄を切る





忘れていたことを思い出すのは簡単だ。

忘れてしまう事は、
とても難しい




 
 
 
 
 
 
 

ローラーコースターの日は遠い

2016-01-27 18:37:15 | 





この頃の俺は、寒い朝に早朝ベッドを抜け出し
包まっている猫たちや娘を起こさぬようにドアを開け
外で街を少し走ってみている


朝は食事をせず、
出来のいい紅茶を、
習慣づけて飲んでみる


タバコをやめ
娘の前で極力飲酒を避け、
勉強を見てやっている振りもする


夕食を適度に摂り、早くにベッドに向かい娘と本を読み
また明くる日が来ると言う



健全であればあるほど、
余りある退屈な暮らしにおれは狂わないようにしているが、
正直ストローハットの濃いやつが欲しいと思う夜もある

そんな呪縛の中
少しの夢がどうやら今の救いとなっている

雪で真っ白な世界、
強烈に高く、険しくて人跡未踏の。
そんなで無くていい

山の頂に向かって、息も絶え絶えになるほど
登る夢
を糧にしている
それにその夢はどんな時でも、
それに年老いても、色あせる事の無い

巡礼のような道のりだ


娘を寝かしつけた後の妄想の靄のなかで
ほんの少しのテキーラを口にして
また眠りにつき、
また朝起きて、

それは少し微笑ましい