酒馬鹿三兄弟、次男の岸壁はしご酒

酒は飲んだら飲まれましょう、しかし仲良く。拙い酒と乱暴ポエトリ月夜の酩酊ランデブー

聖者にはうってつけ

2010-12-02 16:14:35 | 





女は意気揚々と車道を進む
ラッパを吹いて、後ろに知恵遅れたちを連れていて

道の真ん中で旗を振って
年増のバスガイドみたいに、
それも無償のほどこしでだ。


泥の沼から桃色の花が咲くのと同じく
あの娘の中の隠された燃えるような怒りからでも
知恵遅れたちへ愛は差し出されている。
その優しさは手触りがいいのに、

俺にはヒリヒリして嫌だった。

知恵遅れたちはあの娘の指揮棒に合わせて、
とんだ音程で聖歌を合唱するわけだが、
歌はまるで聞こえてこない。
あの娘の憎しみが、どうにかして紛れるような、波の音の様なものだ。

こちら側では、怒りから酔漢たちの暴力沙汰が絶えないが、
あの娘の中では、黒い火種が自己嫌悪になって焦げ
そして外には愛を振りまくのだろう

そんなものみんな無視して、静かにテキーラを灰皿にでも汲んで
飲んでいたい。