酒馬鹿三兄弟、次男の岸壁はしご酒

酒は飲んだら飲まれましょう、しかし仲良く。拙い酒と乱暴ポエトリ月夜の酩酊ランデブー

40㎡のアパートで

2013-01-29 12:59:44 | 



なんで猫が
家に居るのか、もう忘れてしまった
猫より他に、動物を飼おうと思ったことも確かに無いが
かと言って
この猫がここに居る理由にもならない

猫を、可愛いと思ったこともある、
猫は猫らしく、
大抵ソファー寝そべって
俺はそこに座る時にそれを、邪魔だとも思わない。

居ることに不満は無いが、
しかし居なくなってもどうってことは無い。

そう思っていた。

病気になって、その小さな内蔵を切られることになるまでは。

長い毛を剃られ、
痩せぎすのその猫は病院から戻ってきて
人にも病気にもうんざりした事だろうに
少しだけ不安そうに、もう一度唸って声を出す
その姿に
俺は生き物らしさを感じたものだ
うんざりしながら、脅えながら
それでも生きていかなければならない、
幾つもの、おれたちの世界の様だ。

漏れなく
動物の医者は容赦なく金を無尽し
俺はいつにもまして空っ穴で
安ワインを飲んでいる、

が、
気に病む事は無い。

腹の中を少々切り取られた雌猫と
満足には少し足らない酒を飲む一人者

俺たちは何かと共にあると言うことだ